集中豪雨で実感した「備え」の大切さ~環境を読むリフォームが住まいを守る


近年、「数十年に一度」と言われるような集中豪雨が、
毎年のように各地で発生しています。



以前は「想定外」と言われていたような雨量も、
今では決して珍しいものではありません。



先日も、集中豪雨によって、
床上浸水寸前まで水位が上がった
お客様のお住まいがありました。



幸い、建物は大きな被害を免れましたが、
ハイブリッドカーが1台水没し、
廃車になってしまったそうです。



今回は、その現場で改めて感じた
事前の備え」の大切さについてお話しします。




わずか20分で床上寸前まで…


先月2026年7月17日金曜日の夕方から夜半にかけて、
桐生市では集中豪雨に襲われました。



観測史上初めてを記録するような短時間の豪雨で、
群馬県全体に夕方から警戒警報が出ていましたが、
特に桐生市の上空に、線状降水帯らしきものが、
観測されたというお話がありました。



夕方の5時半~6時くらいから、
夜半過ぎくらいまで豪雨が続きました。



お客様のお住まいは、
大きな川から続く用水路の近くにあり、
周辺では最も低い位置に建っています。



用水路があふれると、お家の周りが
大きな水たまりのようになってしまう場所です。



今回も、ものの20分ほどで水位が一気に上昇し、
車を避難させる時間もなかったそうです。



現在、ちょうど
外構工事を施工している最中だったため、
豪雨の後すぐに現場へ伺い、
建物の状態を確認しました。




一番心配していた床下の状態は


一番気にしていた床下について、
泥水が流れ込んで、ヘドロのように
溜まっているのではないかと懸念していたため、
すぐに点検しました。



ところが、床下には
ほとんど泥が入っていませんでした。



その理由は、
数年前に耐震改修工事を行った際の
施工にありました。



当時、昔ながらの基礎の通気口をなくし、
土台のすぐ下に特殊なスリットをぐるりと一周する
ようにして、隙間を空けました。



そのため、
水位が土台ぎりぎりまで上がっても、
泥水が床下へ流れ込まず、
建物内部への被害を防ぐことができたのです。



基礎の中には多少の水は入りましたが、
これは、構造上すぐに大きな問題になるものでは
ありません。



むしろ重要なのは、
「水が溜まらず、きちんと排水できること」です。




水が入ることまで想定した施工


耐震補強をした際には、床下全体に
土間コンクリートも施工しました。



その時に考えたのは、
「もし水が入ったら、どうやって早く抜くか」
ということでした。



そのため、基礎には水抜きの仕組みを設け、
さらに逆流を防ぐ逆止弁も取り付けています。



外側が冠水している間は外から水が逆流せず
水位が下がれば内部の水だけを速やかに
排水できるよう工夫していました。



今回、その仕組みがしっかり機能し、
大きな被害を防ぐことができました。



後日、お客様のお父様(元大工さん)からも、
「ここまで考えて施工していたのか。」
と驚かれるほどでした。




リフォームは建物だけを見る仕事ではありません


リフォームを考えるとき、
建物だけを見ているわけではありません。



周囲にどんな建物があるのか。
道路はどちらへ傾いているのか。
側溝暗渠(あんきょ)はどこを通っているのか。
雨水はどちらへ流れるのか。
ハザードマップではどんな地域なのか。



周辺環境まで確認しながら、
施工方法を考えています。



耐震診断でも、建物だけではなく
地盤周辺環境を必ず確認します。



実は、この「環境を見る」という視点は、
とても重要なのですが、
一般にはあまり知られていません。




外構工事でも「水の逃げ道」を考えていました


実は、今回のお住まいは、豪雨の直前まで
外構工事を行っていました。



境界にあった樫の木の「樫(かし)ぐね」が
老朽化してきたため、
ブロックフェンスへ造り替える工事です。



しかし、ブロックで囲ってしまうと、
水が逃げにくくなる可能性があります。



そこで、基礎の下に
浸透排水管(穴のあいた排水管)」
埋設しました。



たくさんの小さな穴から水を取り込み、
両側の側溝へ素早く流す仕組みです。
まるで地中水の通り道をつくるような
イメージです。



今回の豪雨では、この排水設備
しっかり機能しました。



結果として、
「施工が間に合って本当に良かったですね」
ということになりました。




お隣さんとの違いがはっきり表れた事例


一方で、近くのお住まいは
床上浸水になってしまいました。



また、少し離れた空き家では、
ブロック塀で3方が囲われた外構だったため、
水が一気に溜まり、集中豪雨になっていました。



さらに、屋外の物置が浮き上がり、
ドアが開いて、
中に入っていた布団やポリタンク、プランターなどが
流されました。



それらが門扉に引っ掛かり、
水の出口を塞いでしまったことで、
一時的にダムのような状態になり、
水位がさらに上がってしまったようです。



建物だけでなく、庭に置いてある物も、
豪雨の際には思わぬ危険につながることがあります。



物置はしっかり固定すること。
ドアにはロックをかけること。
飛ばされる物や浮きやすい物はできるだけ片付けておくこと。
こうした小さな備えも、とても大切です。




「想定外」ではなく「想定しておく時代」


最近は、突発的なゲリラ豪雨が本当に増えました。


以前なら「想定外」と言われたことが、
今では当たり前のように起こっています。



だからこそ、
「もしここに水が集まったら?」
「水はどこへ逃げるだろう?」
そんなことまで考えながら施工することが、
これからますます大切になっていくと感じています。



お家そのものだけではなく、
周囲の環境まで見て備えること。
それが住まいを守ることにつながります。



今回のお住まいは、
事前にできる限りの対策を考えて施工していたことで、
大きな被害を防ぐことができました。


改めて、「備え」の大切さを実感した出来事でした。


防災の日を機に、ご自宅の周りにも
ぜひ目を向けてみてください。



家の中だけでなく、家の外の環境にも、
防災のヒントはたくさん隠れています。

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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「「やっと話ができる人が来た」
元大工のお父様が納得された耐震診断とは」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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