食品の値上げ、電気代の高騰と相次いで、
家計が圧迫されている現状ですが、
建築業界でも、建材の値上げが起こり、
建築費が上がってきています。
コロナ禍で、物流が滞ってしまったことで、
ウッドショックが起こったり、
半導体不足のため給湯器の納期が遅れたりと、
思いもよらないことが起こりました。
その後、建築資材や住宅設備機器などが、
徐々に値上げされています。
今回は、現場に携わっている私の視点から
建築費の値上げにまつわる
業界のよもやま話をさせていただきます。
物流の滞りによる建築資材他の不足
新型コロナウイルス感染症は、
2019年の年末くらいから話題になり始め、
2020年の3~4月ころからは、
世界中がパンデミック状態になり、
様々な規制がかかり、
世界中が大混乱に陥りました。
そこを起点として、それ以前の流れが、
未だに取り返せていないのが現状で、
失われた3~4年をこの先ずっと
引っ張るのではないかという懸念があります。
ウッドショックに続いて、
建築現場で使う木材以外の資材も
入手が難しくなりました。
例えば、現場で組み立てる造作材などです。
工場で半製品として製造、加工された造作材を
現場に運び、組み立てていきます。
物流が滞ったことで、
工場で製造しようにも材料がなく、
商品を造ることができないという理由で
現場への納品の遅れが出始めました。
コロナ禍で急激に減産して、
ある程度落ち着き、増産し始めたところで、
現場の需要と商品の生産周期が、
なかなか噛み合わず、
ずっと商品不足の状態が続いています。
この納期の遅れで、
施工期間の確保が難しくなり、
先々までの見通しが立てにくくなっています。
お客様と施工の契約を行っても、
結局、棚上げになってしまうかもしれません。
というのも、
住宅設備機器メーカーは、
今年に入ってから、2ヶ月おきに
価格改定を行っています。
以前は年に1度くらいの頻度でしたが、
メーカーサイドでも、先の見通しが、
読みにくくなっていると思われます。
そんなわけで、
数ヶ月前の見積もり金額や施工の段取りでは、
そのまま進められないため、
契約のやり直しが必要になります。
建築資材他の納期の遅れ
納品の遅れは材料不足だけでなく、
慢性的な人材不足による生産能力の低下も、
関係しているとのことです。
工場での製造、加工時に、
大工さんの技術とまではいかないにしても、
ある程度の経験や勘を求められますが、
熟練工が足りないそうで、
今までの納期で収めることが
難しくなってきているそうです。
例えば、発注してから
1週間程度で納品されていたものが、
現在は、
2週間、あるいは、それ以上の日数が
かかっています。
技術を継承していくために、
社内教育を充実させたり、
モノづくりに興味のある人を起用したり
涙ぐましい努力をされている会社もあります。
特に、最終段階を手加工で仕上げる場合、
ある程度の経験と勘がないと、
機械の操作もできないため、
量産が難しいという部分もあります。
人材不足による工場製品の生産能力の低下
現在、新築、リフォームに限らず、
工期が長めになっている傾向にあります。
特に、間取り変更を伴うリフォームの場合、
構造をしっかり把握した上で、
造作する技術を持つ大工さんが必要ですが、
いわゆる昔ながらの大工さんと言われる人が減り、
現場でも慢性的な人材不足に陥っています。
また、コロナ禍の時に、
辛うじて生産体制を整えていた会社が、
コロナ融資を受けて、業務を続けていたのに、
返済が始まると、債務超過に陥ってしまい、
老舗と呼ばれる会社が、残念ながら、
潰れてしまいました。
古くから、
ずっと手加工を専門にしてきた会社などが、
解散させざるを得ないという状況で、
県内でも、名をはせた会社が、
なくなってしまったという話を聞くことも
あります。
こうして、専門性の高い老舗の会社が
業務を停止したため、ますます品薄が続き、
工期が遅れ、その分、施工費も高くなります。
今までは、
ある程度、貯蓄ができた若い世代の人が
「フラット35」を利用して、
自宅を建てていましたが、
現在は、同じくらいの貯蓄ができたとしても、
建築費が高騰していることが原因で、
資金難で計画を見直さざるを得ないとか、
計画そのものを中止にするなど、
以前より家を建てるのが厳しくなっています。
このままで、ここから先、
家が建つのだろうかという懸念があります。
不動産系の会社で、土地を見つけてきて、
ある程度、設計に自由度のある建売住宅を建て、
売買契約をしている会社がありますが、
直近になって、建築系の仕入れ単価が高くなり、
売り辛くなったり、契約後のキャンセルが
増えたりしているそうです。
在宅ワーク用の個室を確保&二世帯住宅のリノベーション
ふくろうはうすのお客様の中に、
コロナ禍のあと、ここ3年くらいで
完全に在宅ワークに切り替わった人が
何人もいらっしゃいます。
出社するのが月に1~2回くらいのため、
音が入らず、邪魔も入らない
仕事に集中できる在宅ワーク用の個室を
造りたいことがきっかけとなり、
二世帯住宅のリノベーションを
決断されたお客様がいらっしゃいます。
空き部屋になった子供部屋を
一次的に使われていましたが、
仕事に支障が出てきたため、
部屋を完全に使い分けたい、とのことです。
仕入れが厳しくなっているため、
全体的に工期は多めに取らせて頂いています。
工期を早めるためには投資が必要になります。
というのは、同等品で少しグレードを上げると
在庫があり、納期が早くなることがあります。
グレードが高くて施工しやすいものを
確保することができれば、納期が早くなり、
工期を短くすることができます。
また、工期を早めるために、
大工さんにも臨時で来ていただくため、
人件費についても通常よりも2割ほど、
多くかかることになります。
工期が短いのに越したことはないですが
ある程度、余裕を持たせていただければ、
融通も利かせられるため、
現状を理解されて、納得される人が多いです。
これから施工が始まるお客様も、
ご希望は2ヶ月といったところでしたが、
やり繰りをいろいろ考えて、
3カ月半ほどいただいています。
このような状況ですが、ふくろうはうすでは、
お客様に寄り添って可能な限りご希望に沿えるよう
対応させていただいていますので、
リフォーム・リノベーションをご要望の方は、
ふくろうはうすの私、高橋までお気軽に相談ください。
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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。
次回は「雨どいの定期的なメンテナンスでオーバーフローや
雨漏りを防止!」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。