「やっと話ができる人が来た」元大工のお父様が納得された耐震診断とは


やっと話ができる人が来た!
以前、ご相談いただいたお客様のお話です。



「家の耐震性が心配なので、一度見てほしい。」
そんなお問い合わせから始まりました。



お話を伺うと、
数年前に、
桐生市の無料の耐震診断を受けられ、
診断結果は基準を下回る「0.57」
とのことでした。



現在の建築基準法(新耐震基準)が求める
最低限の耐震性能を満たしている状態は、
「1.0」です。



「耐震補強をした方がいいのだろうか。」
そう思いながらも、
どのような工事をすれば
本当に安心できるのか分からず、
長い間悩まれていたそうです。




元大工のお父様が一番気にされていたこと


そのお住まいには、
100歳近いお父様がいらっしゃいました。


若い頃は大工として仕事をされていたそうです。



耳が遠くなっていたため、
息子さんが通訳をしてくださいました。



お父様は開口一番、
「大工だったから、職人と話がしたい。」
とおっしゃいました。



実は、それまでに
何社か相談されていましたが、
なかなか納得できる説明に
出会えなかったそうです。



私が建物の状態や耐震についてお話しすると、
お父様は昔ながらの建築用語にも頷きながら
耳を傾けてくださいました。



そして最後に、こんな言葉をくださいました。
やっと話ができる人が来た。」
その言葉は、今でも印象に残っています。




建物だけを見ても、本当の答えは見えてきません


お客様にこんなお話をしました。
「耐震補強はもちろん大切ですが、
それだけでは十分とは言えない場合があります。」



地震の揺れは地盤から建物へ伝わります。
つまり、建物だけを丈夫にしても、
足元の状態や建物全体のバランスによって、
揺れ方は変わってしまいます。



人でも、足元が不安定なら転んでしまいます。
建物も同じです。



だからこそ、建物だけではなく、
地盤基礎まで含めて確認することを
大切にしています。




「見えない部分」を見える化する診断


そこでご提案したのが、
住まいの健康寿命診断」と、
動的耐震診断でした。



動的耐震診断では、
建物だけでなく地盤にも振動を与え、
それぞれの反応を測定します。



建物の揺れ方。
地盤の状態。
重心やバランス。



目で見ただけでは分からないことを、
客観的なデータとして確認することができます。



「そこまで分かるなら、ぜひ診断してほしい。」
お父様はそう言ってくださいました。




診断で分かった本当の課題


診断の結果、
地盤は心配していたほど悪い状態では
ありませんでした。


しかし、建物には別の課題が見つかりました。



東日本大震災の影響と思われる梁の損傷や、
経年によるボルトの緩み
さらに、建物全体のバランスにも
改善できる点がありました。



そこで、
・梁の補強
・基礎の補強
・耐震壁の追加
・金物による補強
などを行い、建物全体のバランスを整えました。


そのうえで、「MAK-1」(制震金物)を設置しました。



耐震で強くする。
制震で揺れを受け流す。



どちらか一方ではなく、
それぞれの役割を活かしながら
組み合わせることが、
住まいを守るためには大切だと
考えています。




工事よりも先に大切なのは「納得」


ふくろうはうすでは、
「この工事をしてください」と
最初からお勧めすることはありません。



まずは今のお住まいがどのような状態なのか。
何が問題で、優先して改善すべきことは何か。
これらをお客様と一緒に確認することから始めます。



診断結果をもとに、
「だから、この補強が必要なんですね。」
納得していただいてから工事へ進む。
これが、ふくろうはうすが大切にしている
家づくりです。




見えないところまで見ることが、本当の安心につながる


住まいは、完成したら終わりではありません。
年月を重ね、地震や台風を経験しながら
少しずつ変化していきます。



だからこそ、目に見える傷だけではなく、
見えない部分にも目を向けることが大切です。



今回のお客様との出会いを通して、
改めて感じたのは、
安心」は工事そのものではなく、
納得から生まれるということでした。



これからも、お客様が
ご自身の住まいを正しく理解され、
安心して暮らしていただけるよう、
一つひとつ丁寧にご説明しながら
お手伝いしていきたいと思います。

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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「動的耐震診断とは何を見ているのか-建物だけでなく
「家の足元」まで調べる理由」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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