群馬県桐生市での木材の地産地消の取り組み

12月も半ばになり、日が暮れるのが早くなりましたね。
師走(しわす)と言われる今月は、毎年同じように、
慌ただしく過ぎていきます。

 

クリスマス、お正月と楽しい行事がたくさんの12月ですが、
年末に向けての準備は進んでいますか?

 

いつも、年末ギリギリまでバタバタと過ごしている
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋です。

 

先月11月のコラムで木材についてお話をしましたが、
今回も木材についてお話したいと思います。

 

記事の前半では杉の産地でもある桐生市での取り組みについて、
後半はグリーン材の特徴くぎとビスの違いなどについて
解説します。

 

桐生市での木材の地産地消の取り組み

育苗業者が育てた苗を林業家が山に植え、育て、
そして、木を伐採し、製材所へ運搬して製材し、
その木材を使って大工が家を建てるという流れができると
地元の木材の地産地消が可能になります。

桐生市で杉材の地産地消を復活させようという動きが
20年ほど前にありました。

昔は、大工や工務店が目利きのある材木屋さんと一緒に
地元の製材所に行き、直接木材を買い付けていました。

 

現在は、工務店が製材所に行って木材を直接買い付ける
ということがほとんどありません。

 

桐生市は杉の産地です。

 

桐生市で杉材の地産地消復活させようという動きが
20年ほど前にあり、2000年~2007年くらいまで続きました。

 

桐生の山を所有されている地主さん、
製材業者さん、工務店などでタッグを組み、
地元桐生の山の木で家を造る運動がスタートしました。

 

ところが、年を経るにつれ、参画した工務店が
少しずつ抜けて、少なくなっていきました。 

 

また、参画した製材業者さんが志半ばで廃業されたこともあり、
木を伐り出した後の製材をどうするかという壁に
ぶつかりました。

 

桐生市近辺の製材所にトラックで運搬して、
出来上がった木材をまたトラックで戻してもらう
という方法を採用しましたが、流通コストが高いため、
木材の原価も上がってしまいます。

地元で伐採した木材を製材所にトラックで運搬して、出来上がった木材をまたトラックで戻してもらうと流通コストが高くなります

桐生市の山には伐採できる杉の木がたくさんあるのですが、
残念ながら、地元の桐生杉で家を造る運動は
頓挫(とんざ)してしまったというのが現状です。

 

林業家が育てた木を山の近くにある製材所で加工し、
工務店がその木材を使う環境が整うと、良質の木材を使った
地産地消の家を建てることができます。

 

柱や梁(はり)などの構造材だけでなく、床材、壁材など
二次製品の製造加工ができる工場なども必要となるので、
木材の製材から加工までの一連の流れが整備されることが
前提となり、地産地消が成り立ちます。

 

半乾燥材「グリーン材」の使い方

熟成された材齢の木材を伐採後、
山の中で寝かせておく「寝かせ」を十分行うと
細胞の中に脂分を閉じ込め、粘りが強くなり、
柱や梁(はり)として使うのに良い木材となります。

 

丸太の状態で山に置いて、ある程度乾燥させると
製材に適するような安定した水分量まで下がるため
柱や間柱(まばしら)を取る「木取り」を行い、
二次的な乾燥をさせます。

 

すると、寸法安定性が高く、加工してもひずみが少なく、
曲がりにくくなります。

 

木材は曲がりがないのが理想的で、このような木材は
よく「素性が良い」という言い方をします。

寸法安定性が高く曲がりがない理想的な木材のことを「素性が良い」と言います

逆に、くぎを打つと飛び散るほど木材から水が出るような、
半乾燥材といった感じの木材を「グリーン材」といって、
徐々に乾燥した方が安定するような場所に使います。

 

柱や梁(はり)には、寸法安定性が要求されるため、
しっかり乾燥させた乾燥材が適していますが、
グリーン材は、天井や床下の見えない場所などの
寸法精度があまり要求されないところに使われます。

 

水分を多く含んでいるということは、
木材の持つ精油成分も多いということです。

 

精油成分には防虫効果があり、木材を食い荒らす虫や細菌から
木を守る作用があり、シロアリも遮断します。

 

水分がゆっくりと抜けるにつれて、
精油成分もゆっくり蒸発するため、
基礎土台や天井裏、小屋裏などに、
グリーン材が使われてきました。

 

乾燥材とグリーン材(未乾燥材)は、
場所別、部位別など、適材適所で使い分けると、
建物を長く持たせることになります。

 

くぎとビスの違いと使い分け

引っ張られるところはビス、ガッツリ固定するにはくぎが効くなど特性に合わせた使い分けをします

木材同士を接合させるために、くぎを打ったり、
ビス止めをしたりという方法があります。

 

木材にくぎを打つと、摩擦熱で入っていき、
その摩擦によって固定されます。

 

年月が経ち、木がやせてくると、くぎは抜けたがります。 

 

その時に木材の水分に触れて表面にサビが生じて、
そのサビが抜け止めになります。

 

目に見えて赤く錆(さ)びるわけではなく、
木材に触れた面だけうっすら被膜が張る程度の赤サビができ、
くぎの内部までは錆(さ)びません。

 

昔は大工さんが口にくぎを咥えていて、
適度な湿り気を与えていたと言われていますが…。

もちろん舐めなくてもサビはできます。

 

釘を使う機会は昔ほどではなくなり、
今は、インパクトドリルでビスをねじこむ方法があります。 

 

ビスは逆に錆(さ)びると効かなくなるため、
鉄にメッキ加工をしてサビ止めをしています。

 

逆にくぎはサビが有効なため表面にメッキをしません

 

ビスはねじこんでサビると中で折れることもあり、
くぎよりもビスの方がもろく、くぎの方が粘りもあります。

 

引っ張られるようなところはビスの方が便利で、
ガッツリ固定して動かしたくないところはくぎの方が効きます。 

 

くぎもビスもたくさんの種類があるので、
それぞれの特徴に合わせて使い分けをしています。

 

木材に関するこだわりのある方やお問い合わせがある方は、
住まいの健康寿命診断士」の私、高橋まで、
お気軽にご相談ください。

 

また、こんなことが知りたいといったリクエストがあれば、
ご要望いただければ、後日コラムで掲載させていただきます。

 

そして、新築やリフォーム・リノベーションの計画のある方は、
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ご参加をお待ちしております。

 

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みどり市、太田市、伊勢崎市、前橋市にお住まいの方も
お気軽にお越しくださいね。

 

次回は「ふくろうはうすの求人募集に想う私のものづくりの原点」
のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

 

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