「わかっていたけど」から「やってよかった」へ―時間を超えて寄り添う家づくり


想いを言葉にするということ


本を出版させていただき、
2年ほど経ちました。

昨年2022年5月に出版させていただいた書籍 「築20年を越えたら・群馬発 住まいの健康長寿リノベーション!」



もちろん、すべて自分で文章を書いたわけではなく、
ライターさんに私の想いを伝えながら
一緒に作り上げたものです。



でも、だからこそ大切なのは
想いがあるかどうか」。



それがなければ、どれだけ言葉を重ねても、
読む人の心には届かないのではないでしょうか。



人に伝えることで、
自分の中でも気づきがありました。



そのおかげで、
自分自身の過去振り返ることができ、
お客様との会話の中でも
過去をさかのぼってお話を伺うスタイル
が自然と身についていきました。




お客様の“過去”に耳を傾ける理由


リフォームやリノベーションの
お話をいただくとき、私は必ず
そのお家で育った環境」や「思い出」にも
目を向けます。



なぜなら、それぞれのお客様が
育ってきた背景を知ることで、
本当に必要なものが見えてくるからです。



実は、私自身も
この仕事に就いたきっかけや、幼い頃の体験
今の仕事のスタンスに繋がっています。



だからこそ、最近では、
お客様に自分のことを少し話してから、
本題に入るようにもなりました。



「社長は、小さい頃から家を見聞きしてきたから、
そういう目線が自然と養われたんですね」



そう言われることも増えてきて、
それはとてもありがたいことだなと
感じています。




50年の時を超えて見えてくるもの


現在、リノベーションの中心世代は
60〜70代



今から50年以上前に建てられた家に対する
思い出が色濃く残っている方が多いのです。



ご両親や祖父母が建てた家。
その家で育った記憶。



そういった背景を大切にしながら
お話を伺うようにしています。



以前、私の祖父の絵が飾られていたお家から、
偶然にも、リフォームのご相談を
いただいたことがありました。



まさに、世代を超えて繋がる
住まいの歴史”を感じた瞬間でした。




本当に大事なことは何かを見極める


仕事を通して、私は
「お客様のすべてを受け止める」
という姿勢を大事にしています。



気持ちの中で何か引っかかることがあれば、
立ち止まる勇気も必要です。



一歩前に出ることも大切ですが、
それよりも
一緒に踏みとどまる」覚悟のほうが、
より難しく、そして大切だと思うのです。



プロとして譲れない部分もあります。
例えば、地震雨漏りといった命に関わる問題



そういった部分を軽視してしまうのは、
やはり本末転倒だと思います。



お住まいで長く快適に過ごしていただくために、
ご提案させていただいていますが、
押し付けにならないよう、取り入れやすいように、
工夫させていただいております。




20年前の提案書が、今に生きる


忘れられないエピソードがあります。



20年ほど前、水回りのリフォームで
ご相談を受けたお客様がいらっしゃいました。



そのとき、私は屋根の傷みにも気づき、
ご提案をしましたが、
予算の関係で他社に依頼されました。



それから20年。
屋根や外壁は見えないところで劣化が進み、
ついには全面改修が必要な状態に。



当時の提案書を
保管
してくださっていたおかげで、
「あのときの選択が、今にどう影響したのか
を、お客様自身が実感されていました。



幸いにも、今は資金の準備ができていて、
亡くなったお祖父様が「この家のために」と
500万円を遺してくださっていたそうです。


それが今回の改修に活かされることになりました。




「わかってはいるけど…」という気持ちに寄り添う


お客様の中には、
「わかってはいるけど、なかなか踏み切れない
という方もいらっしゃいます。



そういう方が、時間を経て
戻ってきてくださることもあります。


それは、ずっと心に引っかかっていたからこそ。



一度離れたお客様でも、経験を経て
「次こそは」と再びご相談くださるとき、
私たちはその気持ちを
しっかり受け止めたいと思っています。




未来を見据えた住まいの提案を


住まいは、ただの「建物」ではなく、
人生そのものに深く関わるもの。



だからこそ、
ライフプランニングの視点を大切にしています。



住まいを直すということは、
これからの生き方を整える
ということでもあるのです。



見た目や設備の新しさだけではなく、
これから、どう暮らしていきたいか」。



そこに寄り添い、
プロとしての視点を持ちつつ、
お客様の思いに応えられるように―
これからも、そんな仕事をしていきたいと
思っています。


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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「40℃の屋根で草鞋(わらじ)が活躍―
今も通用する“職人の知恵”」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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