窯業系サイディング外壁のメンテナンスは「部分ケア」と「素材選び」が鍵



家の向きや立地条件によって
外壁の傷み方は大きく変わります。



東西南北それぞれの面で劣化の進行度は異なり、
特に日当たりの良い南面や
雨風をまともに受ける西面は
早く傷む傾向にあります。



通常、一度にまとめてメンテナンスを行うことが
多いと思われますが、
外壁の負担と費用面を抑えるために
傷みやすい面から少しずつ
メンテナンスしていくのも賢い方法とも言えます。



例えば、よく使われている
窯業(ようぎょう)系サイディングの
防水シーリング材は、
メーカーの見解では5年ほどで弾力性が失われ、
割れ始めると言われています。



そこで、
まず5年目に傷みやすい面を優先的に手入れし、
7~8年目に別の面のケアを行い、
その後10~12年目で全体の塗装を行う、
というように、
段階的なご提案をすることがあります。




見出し:「軒ゼロ」のお住まいが抱えるリスク


以前にも「軒ゼロ」住宅にありがちな
雨漏りのリスクについてお伝えしました。



築19年のお住まいで、
窓からの雨漏りが発生したため、
デザイン性のある小さな庇(ひさし)
新たに設置したところ、
雨当たりを軽減し、
外壁の劣化防止にもつながりました。



その後は、
定期的に外壁の状態を観察しています。



同じ外壁材を使っていても
「軒あり」と「軒なし」では大きな差が出ます。



また、外壁材とシーリング材の相性を考慮すると、
状況に応じた対策が求められます。




シーリング材の寿命を延ばす工夫


シーリング材は打っただけでは無防備で、
紫外線にさらされやすく劣化が早まります。



そこで、表面に相性の良い塗料を重ねることで、
次の塗り替えまで持たせる工夫をします。



外壁に合わせた色でペイントすれば
見た目にも自然ですし、
保護層としての役割を果たすことで、
シーリング材の寿命を大きく延ばすことができます。



最近は、一般的なシーリング材の
2倍ほど長持ちする高耐久タイプも登場しています。



価格は少し高めですが、結果的に
足場を組む回数や補修の手間を
減らすことができるため、
長期的にはコストを抑えられます。




材料選びとコストのバランス


シーリング材は、
樹脂を柔らかくするために添加剤を加えており、
それが紫外線に当たると化学反応を起こして
劣化を早めます。



高耐久品
この反応をゆるやかにする成分が入っているため、
長持ちする分、価格も上がります。



一般品が1メートルあたり1,000円だとすると、
高耐久品は1,200円ほどです。



例えば、外壁全体で400メートル施工する場合、
材料費の差はおよそ7万円ほどです。



しかし、耐用年数は約2倍と言われているため、
一般品のメーカー保証が5年なのに対し、
高耐久品を使うと12~13年持つケースもあります。



「8年目に部分補修する」
「15年目まで一気に持たせる」など、
先々の計画を考えたうえで比較すると、
ランニングコストはむしろ
高耐久品のほうが有利と言えます。



平屋なら足場を組む必要は少ないですが、
2階建て以上では足場代もかかりますので、
できるだけ耐久性の高い材料を選ばれると
外壁の保全にもお財布にも優しいですね。



外壁のメンテナンスは
「家全体を一度に」よりも
劣化の進んだ部分から計画的に
というのがポイントです。



特に、窯業(ようぎょう)系サイディングは
シーリング材の寿命がネックになりやすいため、
補修と同時に塗装で保護する工夫や、
高耐久品の選択が大切です。



短期的な出費にとらわれず、
足場や将来の塗り替え周期までを含めた
住まいのライフサイクルコスト
から考えると、
外壁を長持ちさせることができますし、
ひいては、安心して暮らし続けるための
秘訣といえるでしょう。


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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「外壁の『最強』はモルタル。
その次に続く選択肢とは?」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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