妻壁(つまかべ)の意外な弱点
台風や強風のとき、切妻屋根(きりづまやね)の
三角の壁「妻壁(つまかべ)」が
思わぬ被害を受けることがあります。

一見しっかりして見えても、
漆喰で仕上げられた表面にヒビが入ると、
雨水が中に浸透し、内部の石膏や下地の木材が
傷んでしまいます。
実際に、最近の大嵐で
「妻壁(つまかべ)に穴が開いた」
というお問い合わせが何件もありました。
中が脆くなっていると、
強風を突破口に屋根裏へ風が流れ込み、
圧力で屋根全体が持ち上がる危険性もあります。
小さなヒビや穴でも油断できません。
妻壁(つまかべ)は定期的に点検し、
漆喰の補修を行うことが大切です。
放置すると「外壁のヒビ」が
「屋根全体の損傷」につながりかねません。
見落とされがちな屋根瓦のメンテナンス
屋根瓦は「半永久的に持つ」と思われがちですが、
実は消耗品の部分もあります。
特に注意したいのが屋根のてっぺんにある
棟瓦(むながわら)です。

棟瓦(むながわら)は
粘土や屋根土で積み上げられており、
時間の経過とともに内部の土が雨で流され、
見た目以上に空洞化していることがあります。
さらに、瓦を固定している銅線も
10年を過ぎると劣化し、
切れてしまうことがあります。
そのまま放置すれば瓦のズレや雨漏りにつながります。
実際に、新築から25年ほど経ったお住まいから、
「雨漏りしている気がするのですが…」
とお問い合わせがあり、点検したところ、
棟瓦(むながわら)の固定線が切れていて、
屋根土もスカスカの状態だった事例がありました。
見た目は綺麗でも、
屋根の内部は劣化していることがあります。
屋根瓦の点検とメンテナンスの目安
例えば、スカイブルーの瀬戸瓦などは、
色褪せしにくく、つやつやしていて、
40年以上経っても綺麗なままです。

ところが、
瓦本体には劣化を感じられませんが、
瓦と瓦を密着させている粘土や屋根土は、
定期的な点検やメンテナンスが必要です。
そこで、点検やメンテナンスの時期については
下記をだいたいの目安にして下さい。
• 7~8年に一度の点検
問題がなければ経過観察のみで十分です
• 10~15年で漆喰・屋根土、銅線の点検
早めの補修が雨漏り防止につながります
• 台風や大雨の後の点検
漆喰や屋根土が流れ落ちていないか
瓦にズレなど発生していないかなど
異変がないか点検することが大切です
外壁塗装のメンテナンスは完璧!瓦屋根は放置!?
屋根が瀬戸瓦の場合、
特に、綺麗に見える性質上、
屋根のメンテナンスが
全くされていないお住まいが多いです。
激しい雨が降った後に、
「普段、雨漏りしないのに雨漏りしました」
というお問い合わせが数件あり、伺ってみると、
外壁や周辺は塗装されたきれいな状態で、
瓦が乗っているお家ばかりでした。

屋根よりも、外壁の色褪せや傷みの方が気になるため、
「外壁の塗り替えや破風板の塗装もしましたが、
屋根はメンテナンスの必要がないと思っていました」
と言われるお客様が意外と多いです。
また、外壁塗装のお問い合わせをいただいて、
屋根の点検を行っていると
「外壁塗装の見積もりなのに、何故屋根を見るんですか?」
とお客様から尋ねられたこともありました。
ふくろうはうすでは、屋根をはじめ、
家全体を見させていただいてから、
見積もりをさせていただいています。
雨漏りなどの不具合が発生していないか、
慎重に調査診断させていただき、
早めの補修をご提案させていただければと
考えているからです。
屋根は普段目に入りにくいため、
つい後回しにされがちです。
しかし、妻壁(つまかべ)や棟瓦(むねがわら)など
台風や強い風雨で被害が出やすい部分は、
早めに点検・補修しておくことが安心につながります。
劣化が目に見えてわかりやすい
外壁の塗装と同じように、瓦屋根についても、
定期的なメンテナンスを心がけていただくと
嬉しいです。
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群馬県桐生市の工務店
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住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。
次回は「昔ながらの屋根と、いまの私たちの暮らしを守る工夫」
のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。