ガルバリウム鋼板と金属系サイディングの耐久性とメンテナンス


前回のコラムでは、築30年のお住まいで
その間、メンテナンスを
全く行っていなかったにも関わらず、
窯業系無塗装サイディングさんとうばん」を
使った外壁や
ガルバリウム鋼板で仕上げた屋根は、
良好な状態だったことをお話しました。



今回は、前回に引き続き、
ガルバリウム鋼板の特徴と
金属系サイディングについて、
お話させていただきます。




ガルバリウム鋼板の特徴と寿命


築30年の間、メンテナンスなしで、
外壁・屋根とも良好な状態を保っていた
お住まいの屋根に使ったのは、
ガルバリウム鋼板の上に塗装を施している
カラーガルバリウムというもので、
30年前に、初めて使ったものでした。



ガルバリウム鋼板は、大きく分けて
「素材系」と「プリント系」があります。


カラーガルバリウムは「素材系」になります。



ガルバリウム鋼板の上に塗装を施すことで、
保護層が働き、長持ちしている印象です。



当時の予測通り、塗装層がメッキを守り、
結果的に耐久性を高めていました。



塗装層(保護層)は傷んでいましたが、
本体のガルバリウム鋼板のメッキ層
無事だったため、研磨洗浄をして、
メッキの上に塗られている塗料を剥がし、
塗り直すことで保護層が蘇ります。



一方、「プリント系」は、その名の通り、
レンガや木目などがプリントされたもので、
デザイン性は高いです。



特に、プリントのシルバー系のものは、
20年を超えると
赤サビが発生しやすい傾向があります。



実際、築19年のお住まいで、
プリントのシルバー系のガルバリウムを
使われていた事例がありましたが、
赤サビが目立っていました。




ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法


ガルバリウム鋼板のメンテナンスでは、
まず研磨洗浄で古い塗膜をある程度落とし、
メッキ層を生かした状態に戻します。



その上にエポキシ系の防錆(ぼうせい)下塗りを施し、
上塗りを重ねることで、
再び20年ほどの耐久性が期待できます。



ただし、赤サビが既に発生している場合は、
サビを削り落とす必要があるため、
その分耐久性は低くなります。



したがって、サビが出る前の
適切なメンテナンスが非常に重要です。




金属系サイディングの実際


ここからは、外壁の話に戻って、
窯業(ようぎょう)系サイディングに並ぶ
金属系サイディングについて、
お伝えしていきます。



金属系サイディングは、約25年前に登場した
「トステム・ダンサイディング」をはじめ、
比較的歴史のある外壁材です。



耐久性は高く、塗装を繰り返しながら、
使い続けているお住まいもあります。



近年は目地の少ないデザインも増え、
外観性も向上しています。




金属系サイディングの課題と張り替え時の選択


しかし、一方で、
断熱材が裏打ちされているため、
15~20年経つとウレタン断熱材が加水分解し、
粉状に劣化してしまいます。



この断熱材は交換できないため、
劣化後はサビ止めと塗装で
外観を維持するしかありません。



場合によっては窯業系サイディングへ
張り替えるケースもあります。



金属系サイディングからの張り替えでは、
外側に高性能断熱材、ロックウール
入れることで断熱性能強化し、その上から
窯業系サイディング「さんとうばん」を張り、
塗り壁仕上げを施すことも可能です。



この方法はランニングコストの低減や
住環境の改善につながります。



実際に断熱補強外壁リフォーム
同時に行ったお客様からは、
夏場のエアコン効率が向上し、
快適性が高まったとの声も寄せられています。




ガルバリウム鋼板と金属サイディングのまとめ


【1】ガルバリウム鋼板は、サビが出る前に
適切な塗装を行うことで、
耐久性を20年以上維持できる。


【2】金属系サイディングは比較的長持ちするが、
裏打ち断熱材の劣化が避けられず、
長期的には張り替え検討が必要。


【3】張り替え時には、
断熱補強や塗り壁仕上げを組み合わせることで、
快適性耐久性を大きく向上できる。



外壁材は「初期性能」と「将来のメンテナンス性
を見極めて選ぶことが大切です。



耐久性を重視すれば、30年以上
安心して住まえる「住まいづくり」が可能になります。


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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「ソーラー給湯器“シンプルで壊れない”を体現する
太陽熱の力」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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