家の敷地内にある農業用倉庫を住まいとして使うための大型リノベーション


昨年2024年11月中旬から着工が始まった
大型リノベーションが完成しました。



農家の敷地内に母屋と農業用の倉庫があり、
倉庫を自宅にしたいというご要望でした。



ご両親と娘さんご夫婦と子どもさん3人の
合計7名で、現在、母屋に住まわれていますが、
少々手狭ということと、生活時間帯が違うため、
お互いに遠慮がちになる部分が出てきたそうです。



そこで、一旦、親の世帯から離れて、
娘さんご夫婦家族5人で暮らすための住まいとして、
新築するか、中古住宅を購入するか、など
いくつかの案があったそうです。



そのうちのひとつに、
敷地内の倉庫リノベーションして
お住まいとして使うという案がありました。



そこで、複数社に、
倉庫リノベーションするための
プラン見積もりをご依頼されたそうですが、
納得のいくものがなかったそうです。



仕方がないので、ご家族で話し合い、
提案されたプランの中から、
ひとつを選択(妥協)され、
契約に向けた話が進行していたそうです。



そんな中、
ふくろうはうすのことをお知りになった
娘さんのご主人から、弊社にご連絡をいただき、
「このプランをどのように見られますか?」
と、選択された他社さんのプランについて、
ご相談に来られました。



後日、ご自宅に伺い、倉庫拝見し、
現在進行中のプラン精査したところ、
実際に施工を行うには工夫が足りない、
と個人的に思った箇所があったため、
その内容理由を具体的にお話しました。



その後、
弊社が考えるプランについてお話しすると
「そのような工夫ができるのですか?」と
驚かれていました。



念のため、弊社プランと私の著書
「築20年を越えたら住まいの健康長寿リノベーション」
をお渡しし、お客様宅を後にしました。

昨年2022年5月に出版させていただいた書籍 「築20年を越えたら・群馬発 住まいの健康長寿リノベーション!」



それから1~2ヶ月経ったころ、お客様から
弊社プランでと、ご依頼をいただきました。




20年後まで想定した計画的なプランニング


娘さんのご主人がご相談に来られたのが
昨年2024年の7~8月頃で、
ご依頼いただいてからは、
早々の施工をご要望されていました。



しかし、
「今」必要な住宅環境を整えるだけの
リノベーションでなく、
5年後、10年後、20年後の住宅環境まで、
見通しを立てることの重要性について、
お話させていただきました。



そして、
ご家族の生活環境に変化があった時には、
その時々に、間取り変更が容易にできるよう、
計画性を持たせたプランを考えましょう、
納得できるまで、ゆっくり話し合いましょう、
とお伝えしました。



ご夫婦で著書もお読み下さっていたため、
20年後まで想定したプランニングの大切さに
ご納得いただくことができました。



農業用の倉庫は、広々とした何もない空間で、
トラクターや耕運機の駐車スペース
収穫した保管するスペースがあり、
作業場もありました。



この倉庫は、長ネギを作ったり、
収穫物を分けて箱詰めするなど、
作業するために建てたそうです。



数年前、お父さんが体調を崩された時に、
田んぼ縮小され、
現在は、ご家族が食べられる程度の作物を
育てる広さを残しているだけなので、
複数台あった農機具も1台を残して、
その他は手放したそうです。



それ以来、数年使っていなかった倉庫
有効活用するため、少し拡張して、
住まいとして使うためのプランニングを
ふくろうはうすが手掛けることになりました。




温熱環境と室内環境を整えるための断熱補強


この倉庫は築20年くらいで、
鉄骨木造を組み合わせた造りになっており、
メインは木造でした。



鉄骨の梁(はり)を入れることで、
広い空間が造れるためかと思われました。



屋根や建物の骨組みは、補修や補強の必要がなく、
そのまま使えますが、
元々が倉庫のため、断熱性は全く考慮されておらず、
夏は日射で暑く、冬は外気温そのままの寒い状態でした。



そこで、屋根部分、天井は、
グラスウールとロックウールの二重にして、
蓄熱遮熱効果を狙ったダブル断熱にしました。



また、
には、外気温の影響を受けにくくするための
高密度断熱材を入れ、
は、ペアガラスの断熱サッシに入れ替え、
スカスカだった床下には、
吹き付け断熱を施しました。



床下は鉄筋コンクリートの基礎で
しっかりと施工されていたため、
床下への補修や補強の必要性もありませんでした。



柱が、多少曲がっていましたが、
補修すれば何とかなる程度で、
住まいとしての機能は、十分果たせる構造でした。




屋根をいじらない増築と大空間を活かす可動間仕切り壁


倉庫手前に車を横付けして、
荷物を出し入れするための空間があり、
車2台分くらいのスペースの部分まで、
屋根が伸びています。



そこで、このスペース分を増築して、
1部屋にすると外壁だった部分の補強にもなるし、
屋根を全くいじらないまま、増築できます。



そこで、1部屋を増築して、玄関を造り、
ユニットバス、キッチン、トイレを設置し、
コンパクトなLDKと3部屋を造りました。



現在、高校生と中学生の男の子2人と
小学生の女の子が1人ですが、
数年後には、
年長の男の子が独立して家を出ていくことも
考えられるため、
手を加えやすいような造りにしました。



壁を作り込むのでなく、
簡単間仕切りというイメージで
今後、家の内部を造り替える際には、
大幅に壊さなくてもよい工夫をしています。



間仕切りのを全部取っ払ってしまえば、
極端な話、ワンルームになるというイメージです。



娘さんご夫婦から、
家全体のイメージはカフェ風で、
と、ご要望いただいていたため、
白い壁に、ところどころアクセントとして、
一部モザイクタイルを使って、
カフェ風のイメージを作りました。



今回、最も手間と費用がかかったのは、
増築した1部屋と水回りのための設備の導入でした。



水道を新たに引っ張り、
給湯器関係はエコキュートを設置、
電気は農業用の電気しか通っていなかったため、
新たに電柱から電源を引っ張ってきて
メーターを設置するなど、
基本的な整備は、新築と同様の工事が必要でした。



お湯、水の排水を通すため、
床下のコンクリートの土間の一部を
必要最低限で壊さなければならない部分もありました。



こうして、リノベーションが完成し、
温熱環境室内環境を整えたため、
特に寒い日の母屋との体感温度の差に
お客様は驚かれています。



新築やリフォーム・リノベーションの予定のある方は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談くださいね。


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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「高気密高断熱の住宅なのに『お家が寒い』と感じる
施工上の問題点」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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