我が家がフルリノベーションを選んだ理由 〜「壊す」より「活かす」家づくり〜


築年数の経っているお住まいに手を入れる時、
建て替えるか、リフォームするか、
お悩みどころのひとつかと思います。



現在、オープンハウスとして
公開している我が家も、
いっそ、建て替えた方がいいのではないかと
悩んだこともあります。



今回は、見学会にお越しいただいたご家族が、
フルリノベーションを選んだ理由やその過程を、
これからリフォームを考えている方に向けて、
ご紹介したいと思います。




建て替えよりリノベーションを選んだわけ


我が家のリノベーションに関しては、
正直なところ、コスト面だけを考えれば
「建て替え」の方がシンプルだったかもしれません。



もともと、
建物の真ん中を大きな壁で仕切られ
2世帯住宅用のアパートという構造だったため、
いざ、リノベーションプランを立てようとすると
間取りには無理がありました。



新築ならゼロから自由に設計できるので、
プランもスムーズに進んだでしょう。



しかし、私たちがあえて、
リノベーションを選んだのは、
「今ある家をどこまで活かせるか」を
大事にしたかったからです。



また、“壊す”という選択肢よりも、
活かす”という挑戦の方が魅力的だった
ということもあります。




家族の歴史と想いをつなぐリノベーション


今年2025年の5月末に開催した
「リフォーム 見学会&相談会」に
お越しいただいたご家族からも、
リノベーションの不安について、
ご相談いただきました。



お客様のお住まいは、
ご両親、そして祖父母が暮らしてきた、
築60~65年以上のお住まい。



古くなった部分はあるものの、
しっかりと手をかけて建てられた家で、
息子さんも「ここに住み継ぎたい」と
ご要望されているそうです。



これから35~40年住まい続けると、
築100年近くになる家に対し、
手を加えたところで
本当に大丈夫なのか」といった不安が
当然ながらありました。




リノベは「診断」がカギ


リノベーションで何よりも大事なのは、
住まいの健康寿命」です。
 ・何が残せるのか
 ・何を直すべきか
 ・補強すればどのくらい持つのか
こういったことを、
しっかり見極める必要があります。



構造素材に目を向ければ、
当時の大工さんが丁寧に仕上げた“
土壁”や“漆喰”の味わいなど、
今では手に入らないものが
たくさん残されています。



例えば、他社では「古い壁は全部撤去です」
と言われた箇所がありましたが、
私は「活かす方向で考えましょう」
と提案しました。



特に、竹小舞(たけこまい)や
通し貫(ぬき)などの工法は、
耐震性制震性の面でも非常に優れており、
むやみに壊すよりも
バランスよく残した方が良い場合もあるのです。



竹小舞(たけこまい)は、土壁の下地として、
割った竹を格子状に組み込んだもので、
その上から、藁(わら)を混ぜた土を
塗り重ねていく工法です。



通し貫(通し貫)とは、
柱に穴を空けて、柱と柱を繋ぐ貫(ぬき)を
水平方向に貫通させる工法です。




「どう暮らしていたか」を知ることで見えてくること


私が重視しているのは、
ただ新しくするだけではなく
「お住まいの過去を知る」ことです。



過去に遡(さかのぼ)って、
建てられた当時のことを
できるのだけ詳しく再現していただき、
造られた当時の環境など色々なことも含め、
過去検証することによって、
現在に至るお住まいの形をより詳しく
描き取ることができるからです。

 ・当時のキッチンはどう使っていたのか
 ・家族がどう過ごしていたのか
 ・その暮らしの痕跡を、どこまで再現できるか

ご両親だけでなく、
お祖父さんお祖母さんについても
どのようなお考え暮らして来られたのか、
じっくりと伺いました。



そうすることで、
「どこを残したいのか」
「どこに手を加えるべきか」が、
はっきりと見えてくるのです。




プランニングは「引き算」より「足し算」で


よくあるリフォームでは
「すべて壊して新しく」という方向に
進みがちです。



しかし、それではせっかくの素材や構造を
無駄にしてしまうことも。



元々の良さを活かしつつ、
必要な機能を足していく
足し算のリノベーション
を常日頃、心掛けています。



お客様の今後の生活スタイルによっては、
建て替えも選択肢のひとつですが、
建物対話するように、
「どこを壊すか」「どこを残すか」を
丁寧見極めて進めていくことで、
リノベーションによる新しい暮らしを見つけ、
住まいの満足度につながると感じています。




費用面でも比較を


お客様からは
「リノベと新築、どっちが高いの?」
とよく聞かれます。



例えば、今回の費用をざっくり提示すると、
リノベーション費用は約2,000万円。



もし、新築にして同じ規模の家を建てると、
解体費や地盤改良、取得税なども含めて、
トータルで3,500万円ほどになると思われます。



また、単純な坪単価では測れない
コスト以上の価値”が、
リノベーションにはあると思っています。




ふくろうはうすが大切にしている3つのポイント



リノベーションを検討されている方へ、
ふくろうはうすが大切にしているポイント
3つご紹介します。

  1. ヒアリングをしっかり行う
     ご家族の想いから過去の暮らし方まで、
     丁寧に伺うことが大切です。

  2. 「住まいの健康寿命診断」で現状を把握する
     現状だけでなく過去に遡(さかのぼ)って
     お住まいの状態を再現することが大切です。

  3. プランを急がない
     「急いで作ったプランに納得がいかない」
    そんな声もよく耳にします。
    焦らず、ご自身の希望をじっくりお伝えください。



今回は、
我が家がフルリノベーションを選んだ理由や、
お客様のリノベーションの事例などについて、
お話させていただきました。



これからリフォームやリノベーションを
検討する際のヒントになれば幸いです。



ご相談や「住まいの健康寿命診断」だけでも、
まずは気軽にお声かけくださいね。


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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「フルリノベーションの前に立ちはだかる『仮住まい問題』と、
見過ごされがちな『想いのすれ違い』」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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