古い旧家の敷地にある稲荷神社を再建しました

早いもので、2023年もあっさりと1月が過ぎ去り
2月も半ばになりました。

 

1月は「行く」2月は「逃げる」3月は「去る」
と例えられますが、
うさぎ」がかめと競争しているのでしょうか?

うさぎとかめ

ちなみに私の干支は「午(うま)」ですが、
漢字をそのまま読むと午後の「ひる」ですよね。

 

漢字というのは奥が深いなと感じる午年の漢(おとこ)
群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋です。

 

今回のコラムには干支に入ることができなかった
」が登場します。

 

旧家の離れをリノベーション

数年前に、ご相談いただき、
施工をさせていただいたお客様のお話です。

 

本家は400年以上前から代々続いてきた旧家で、
すぐ近くに建てられている離れのリノベーション
ご依頼をいただきました。

 

以前はアパートとして使われていた建物でしたが、
ご家族で住めるようにリノベーションしたい
というご相談でした。

 

一角にはお社(やしろ)があり
祀(まつ)られているのは猫稲荷さんで、
380年ほど前に建てられた稲荷神社です。

 

ご相談いただいた離れのお住まいは、
無事リノベーションが完成し、
お客様へのお引き渡しも済ませましたが、
今にも壊れそうな古いお社(やしろ)のことが、
気にかかっていました。

 

猫稲荷さんのいわれと盛衰

この猫稲荷さん、いわれは諸説ありますが、
桐生市は昔から織物産業が盛んだったことから、
お蚕(かいこ)さんの作った繭(まゆ)
ネズミの害から守るため、
天敵の猫をお祀(まつ)りしたと言われています。

桐生市は昔から織物産業が盛んでした

また、花街として栄えていたころには
多くの芸妓さんがいて、
舞いや三味線に勤(いそ)しんでいました。

 

三味線には猫の皮が使われていましたので、
芸達者になるようにと
猫稲荷さんにお参りしていたそうです。

三味線には猫の皮が使われていました

こぢんまりとしたお社(やしろ)ですが、
訪れる人が多く、昭和初期くらいまでは、
とても賑わっていたのですが、
今ではすっかりさびれてしまっています。

 

このまま朽ち果てていくのを見るのは忍びなく、
いずれはお社(やしろ)の再建のお力になれればと
勝手ながら思っていました。

 

猫稲荷さんの再建

お住まいのリノベーションが完成後、間もなく、
お客様から、庭と駐車場も整備したいと
ご相談をいただき、施工させていただきました。

 

完成してみると、きれいに整った景観の中で
猫稲荷さんの崩れかけたお社(やしろ)が目立つ
という状況になりました。

 

このまま放っておくわけにもいかず、
「少しだけ手を入れましょうか」と
提案させていただきました。

 

いずれは再建することも視野に入れて
とりあえず手直しだけは行った方がいいですよ、と。

 

お客様に賛同していただいたので、
「再建する前に、最後のお参りをしましょう」と
お客様のご家族と一緒に
「これから再建させていただきますので、
よろしくお願いします。」と
祝詞(のりと)を上げてお参りしました。

 

それまで、お客様は、
古いお社(やしろ)が敷地にあるけど、
どうしたものか、と考えていたそうです。

 

ところが、ご家族でお参りした後、
何百年もお家やその土地を治めてきた神様で、
お家が代々繁栄してきたのはそのご利益(りやく)であり、
今後も見守ってくださるであろうことを
強く意識されたそうです。

 

そして、ご先祖様子孫たちのことを思い、
一時的な手直しではなく、再建を決意されました。

 

私もお住まいとお庭の施工をさせていただいて
ご縁ご恩をいただきましたので、心を込めて
再建のお手伝いをさせていただきますと
お話させていただきました。

 

それから半年後には、
猫稲荷さんの本格的な再建に取り掛かりました。

猫稲荷さんの再建の様子

 

水神様の古い祠(ほこら)と石碑

敷地内には横堀りの井戸があり、
なだらかな斜面の側面から汲み上げられた地下水が
池の水を満たしていました。

 

この池のほとりには、
水神様を祀(まつ)られた祠(ほこら)石碑があります。

 

リノベーションした時に池の周りを掘ったところ、
400年くらい前のものと思われる
水神様に関する古い石碑が埋められていました。

 

現在に至るまでに、何回か池を掘り直したと思われます。

 

新しい池を作るときに、
古くなった祠(ほこら)や石碑を魂抜きして埋め、
新しく作り直して、お祀(まつ)りを続けてきた、
そのように見受けられました。

 

猫稲荷さんの再建のタイミングで
水神様にまつわる痕跡(こんせき)が見つかったため
新たなお役目として、日の目を浴びる日が来たと
解釈させていただき、出てきたものを
お稲荷さんの周りの布石にしたり敷石にしたりして
使わせていただきました。

 

石垣を新たに積み上げ、
壊れかけのお社(やしろ)は、思い切って取り壊し、
吟味した木材を使って、新しいお社(やしろ)へと
生まれ変わりました。

 

3~4ヶ月ほどかけて再建が完了しましたが
猫稲荷さんのお宮にある玉垣(たまがき)※1のひとつに
棟梁として私の名前を入れさせていただき、
後世に残る仕事をさせていただけたかな、
と思っています。

猫稲荷さんの再建が完了しました 

いつも私自身、お志事させていただくときは、
こんな風に後世に残るような仕事が出来ているか、
意識して誇りをもって向き合っております。

 

あなたも後世に残るような
誇りあるお志事をしてみたいでしょうか?
ふくろうはうすでは~行っております。

 

一緒に楽しみながら技術を高め、を育て、
誇りあるお志事を一緒にしませんか?

 

ゆくゆくは、あなたのを叶えながら、
ふくろうはうすを継承していただける後継者として
任せることが出来たら嬉しいなと思います。

 

あなたの心意気と共にご応募いただけたら嬉しいです。

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ご経験のある方には積極的に現場監督をお任せして
活躍いただきたいと思っております。

 

これまでの私の記事を通して、
想いや在り方に共感いただける方で、
ふくろうはうすのお客様のお住いのお悩みや
お困りごとを一緒に解決していただけるあなたを
お待ちしております。

 

 

また、季節の良い時期にリノベーションをご計画のお客様は、
オープンハウス「ふくろうはうす 暮らしの見学会」に
お越しいただき、リノベーションを体感してみてください。

 

私たちが実際に暮らしている家から、
暮らしのヒント気づきなど、
受け取ってお持ち帰りいただけたら幸いです。

 

次回は「ガスコンロとIHクッキングヒーター、どちらを選びますか?」
のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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※1玉垣(たまがき)とは、
神社の周りを囲んでいる垣のことで、
木や石で作られています。

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