火災保険の申請から給付までの流れ&火災保険を悪用した悪徳訪問業者の手口

ちょうど2~3ヶ月ほど前の2023年7月、
群馬県前橋市、高崎市、伊勢崎市などに、
こぶし大の雹(ひょう)が降りました。


落ちてきた雹(ひょう)が屋根にぶつかり、
ボコボコ状態になったとのことで、
お客様より補修工事についてご相談いただきました。



最近は、気候変動の影響と思われる、
このような風水害が増えてきましたが、
火災保険の給付対象となる事例が多いため、
補修にかかる費用を保険会社に申請して
保険金を受け取ることが出来ます。



今回は、自然災害などで被災した場合の
火災保険についてお話を進めていきたいと思います。





火災保険の申請から給付までの流れ


自然災害により被災した場合は、
被災後、火災保険を申請するため
保険会社と話を進めていきますが、
最初にしておくことは、
被災した状況を写真に撮っておくことです。



雹(ひょう)の被害に遭われたお客様の事例では、
加入されている保険会社に連絡を入れると、
「気象条件が合致しているので、
まずは、審査のための書類を送ってください。」
とのことでした。



そこで、
被災状況写真、補修工事のための見積もりなどを
まとめて、保険会社に提出しました。



その後、保険会社から、
雹(ひょう)が降ったことが原因で、
屋根の破損が生じたことが認められ、
災害鑑定人が被害状況の確認のために
お客様のお住まいを訪ねて来られました。



災害鑑定人は、保険会社と契約している
一級建築士事務所などで、損害内容の確認のために、
現場の調査やお客様へのヒヤリングを行います。



そこで、現場の状況と提出した書類内容に
整合性が認められると、
保険会社の本審査へと進められます。



保険対象であると正式に認められたところで、
保険会社の本審査のための
補修工事の見積もりを改めて提出します。



見積金額と工事内容などが精査され、
被害状況との整合性が取れれば、見積内容が認められ、
補償金額や免責の金額などが決定します。



加入されている保険契約の内容によって、
補修工事費の全額が補償される場合もあれば、
一部のみの補償の場合もあります。



例えば、農協の共済などは、
掛け金が安いためお手軽に加入出来ますが、
補償の範囲が限られます。



大規模災害時には、
すべての加入者に平等に共済金が支払われるため、
被災の規模にかかわらず、
罹災時お見舞金などの扱いで、数万円だけ受け取れた
など、焼け石に水のようなことが起こります。



保険会社では、ある程度の基準を設け、
様々なシュミレーションが行われたうえで、
保険金額が決められています。
大規模災害で補償金額が変化することはありません。



ところが、近年は、風水害の被害が増えたことで、
保険会社の利益が圧迫されているそうで、
保険金の上限額の引き下げなどが行われています。



加入されている保険契約の内容を今一度、
見直しておくと良いかもしれませんね。





積雪による屋根・といの破損と地震による屋根の破損


群馬県桐生市では、約8年前の大雪のあと、
積雪が原因となり、屋根やといが破損されるという
損害事例が、数年おきに起こっています。


これらも積雪による自然災害にあたるため、
火災保険の補償対象となります。



3年ほど前には、内陸型地震があり、
震源地は福島県沖で、震度5強と観測されました。



群馬県は大した震度ではありませんでしたが、
お客様から、屋根が壊れたというご相談をいただきました。



屋根の破損と地震との関連について
詳しく調査し、その結果を保険会社に伝えたところ、
震源地から少し離れている場所に、
地震力が増幅されて強く出る場合もあるので、
その範囲に入るだろうという見解が示され、
保険金が給付されました。


地震保険は火災保険の特約としてセットでの契約となります。



火災保険だけでは、地震時の補償はされませんので、
ご注意くださいね。





火災保険を悪用する悪徳訪問業者に注意してください


数年前に、お客様からのお問い合わせで
「保険を使うと屋根・外壁の施工が
ほぼ無料になると聞きましたが。」
という内容のお電話をいただき、
その後、同じ内容のお問い合わせが、
たくさん来るようになりました。



それからは、地震、竜巻、台風や風水害が起こるたびに
必ず、怪しげな業者(悪徳訪問業者)が
発生するようになりました。


つい最近も、怪しげな電話がかかってきたと
お客様からご相談いただきました。



被災して修理が必要であることを近くで見ているのか、
狙い撃ちしたように、電話がかかってきているようです。



そして、「保険が確実に下りますから、
保険の申請のためにかかる諸々の費用を
先に支払ってください。」
と、最初に諸経費を要求してきます。



「保険の査定のため、まず、保険の鑑定人さんが
調査のために来ますが、調査費用がかかります。
そのための調査費用はこれくらいです。



緊急性があるので、
初期費用だけ先にいただいてもよろしいですか?



保険が下りるのは間違いないですから、
任せていただけたら、
面倒な手続きはすべてこちらで行います。
お客様は何もしなくても保険金をもらえます。



ご契約後、保険金で後から還元できますから大丈夫です。
安心してください。」



このような具合に、緊急とか、急ぎなどの
煽るワードを連発して出してきて、
悪徳訪問業者は、いきなり初期費用を要求します。


お金を渡すと、そのままいなくなることもあります。


我々地元密着型の工務店は、
保険対象となる施工であっても、そうでなくても、
諸経費を先にいただくことはありません。



逆説的には、いきなり諸経費を要求された時点で
悪徳業者だと見分けることができます。



被災して、落ち着かないときに、
「補修工事を早く済ませましょう。
工事代金は保険で賄えますよ。」
などと、近づいてきますので、
十分気をつけてください。



悪徳業者の手口と罠については、
以前のコラムで詳しく解説していますので
参考にしていただければ嬉しいです。

リフォーム訪問業者(悪徳業者)の手口と罠&FM桐生「ふくろうはうすの住まいるライフ」



自然災害や地震などの損害で、
補修工事や火災保険の申請が必要な方、
また、火災保険の対象になるのかどうかわからない方は
ふくろうはうすの私、高橋までご相談くださいね。


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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。


次回は「住まいづくりに大切な資金計画と予備知識&
家族のコミュニケーション」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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