雹(ひょう)害は火災保険の適応対象!ガルバリウム鋼板の薦めとポリカーボネートの注意点!


「雷(らい)とからっ風、義理人情」
(上毛かるた)と、読まれるくらい
からっ風は群馬県の名物です。



最近は、雷やからっ風だけではなく、
こぶし大の雹(ひょう)が降ってきて、
お住まいに大きな被害が出てきています。



去年、2023年の夏場に雹(ひょう)害のため、
屋根葺き替えをしたお住まいが2軒あります。



今日は、そんな雹(ひょう)害対策について
お話させていただきます。




雹(ひょう)害は、火災保険の適応対象


雹(ひょう)害のため、屋根が壊れたお客様の
お住まいに伺うと、
コロニアルと言われる薄型化粧スレート瓦
張られていて、
屋根全体破損が広がっていました。



お客様の話では、「雹(ひょう)の大きさは
握りこぶしどころじゃない、もっと大きかった」
とのことでした。



そんな大きな氷塊が空からバラバラと
降って来たわけですから、
薄い瓦はひとたまりもありません。



雹(ひょう)害は、
火災保険適応対象となるため、
申請のお手伝いをさせていただきました。



保険を申請するに当たって、
どういう状況だったのか、
メカニズムを説明する必要があり、
保険会社鑑定人さんに
状況を詳しく説明しました。



ところが、当初は、瓦の一部損壊ということで、
100万円の補償ということでした。



しかし、
表面には、ヒビはあまり出ていませんでしたが、
瓦を剥がしてみると、
裏側には、くもの巣状にヒビが入っていて、
見た目以上のダメージがありました。



当然、屋根全体の補修が必要で、
施工費は300万円以上かかりました。



保険会社が提示してきた100万円では、
お客様はとうてい納得できないし、
被害状況を目の当たりにしている自分としても、
それはあんまりだと思いました。



「瓦の割れているところと割れてないところが
ありますが、完全に割れてないところでも、
内部崩壊しているから、保証の対象になりますよね」
などのやり取りで、時間がかかりましたが、
鑑定人さんと複数回の交渉を重ね、
ほぼ全額補償になり、安堵しました。




雹(ひょう)害の影響を受けにくい板金屋根


この雹(ひょう)の被害状況を確認すると、
おそらく、積乱雲が数珠つなぎに列をなして、
線状降水帯が現れ、
帯状に被害地域が発生したと思われます。



お客様のお住まいの周囲の被害範囲は、
半径で示されるものではなく、
幅が約20m、縦方向に10数kmの帯状
というイメージです。



山すそなどに、複数の河川があると、
地上からの蒸発散で
激しい上昇気流が発生しやすく、
積乱雲が発達しやすくなります。



地形や気象条件が重なることから、
数年前に被害に遭い、
今回も、というケースもあります。



屋根の被害という点から、
比較的、雹(ひょう)害の影響を
受けにくいのは、板金屋根です。



板金屋根と言えば、
昔は、トタン屋根というイメージで、
雪下ろしをする際に、
雪が滑りやすいという理由で、
雪国や北海道で、よく使われていました。



トタンは、薄い鋼板を亜鉛でメッキして、
耐食性を持たせたものです。



その後、ガルバリウムでメッキをしている
ガルバリウム鋼板が普及して、
デザイン性にも優れているため、
リフォームだけでなく、
新築にも使われるようになりました。




ガルバリウム鋼板の屋根は軽くて丈夫なので地震対策にもなる


ガルバリウム鋼板は、
メッキ層が厚く、腐食に強いメッキなので、
例えば、表面の塗料が色褪(あ)せても、
錆が発生しづらいという特徴があり、
15~20年くらいに1度の塗装で、
屋根を持たせることができます。



また、ガルバリウム鋼板は軽くて丈夫なため、
今まで瓦葺きだったお住まいの
耐震性を向上させるために、
ガルバリウム鋼板で葺き替えるケースが、
増えてきました。



陶器の瓦は、かなり丈夫で、
ある程度、厚みがありますから、
割れにくいのですが、
雹(ひょう)害などを受けると
場合によっては、数枚、割れることもあります。



その場合は、
割れた瓦だけを差し替えればよいので
比較的、修復容易です。



ただ、陶器の瓦は重いため、
屋根の重量軽減のため、地震対策として、
ガルバリウム鋼板の板金屋根に葺き替える
という選択肢もあります。



この度の雹(ひょう)害では、
ガルバリウム鋼板の屋根は、
ほとんど被害がありませんでした。



ガルバリウム鋼板の屋根に
雹(ひょう)が当たると、激しい音がして、
表面が多少、凹むかもしれませんが、
板金には柔軟性があり、
雹(ひょう)が落ちてきても、
跳ね返してバウンドさせるため、
被害が少なく、ほぼ無傷というケースが
多く見られました。




カーポートやテラスのポリカーボネートは劣化に注意!


この度の雹(ひょう)害は、屋根だけでなく、
カーポートテラスにも及びました。



カーポートの屋根を雹(ひょう)が貫き、
停めてあった車が廃車になってしまったという
事例があります。



カーポートやテラスの屋根材として
よく使われているのは、
ポリカーボネートですが、
比較的新しいものに関しては、
多少ダメージがあっても、
車は無傷ということがありました。



ポリカーボネートの新しいものは、
樹脂に柔軟性があるため、跳ね返す力があります。



雹(ひょう)が落下して押されても、
吸収力と反発力を使ってうまく逃がす力です。



設置から10~15年経つと、
樹脂に柔軟性がなくなり、割れやすくなります。



雹(ひょう)の被害が多かったのは、
劣化が進んだ屋根材でした。



新車が雹(ひょう)害でボコボコになると、
どんなに板金塗装しても元には戻らず、
結局、廃車ということになりかねませんので、
車を守るためにも、
10~15年で、カーポートテラスの屋根を
張り替えられることをお勧めします。



雹(ひょう)害に遭う前に、
屋根、カーポート、テラスなどの点検をご希望の方、
補修や貼り替えをご要望の方は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談くださいね。


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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「リフォーム訪問販売業者の『基礎を金物で強化しませんか?』
の詐欺に注意してください!」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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