昨日、9月1日は「防災の日」でした。
今年2024年の「防災週間」は、
8月30日(金)~9月5日(木)です。
最近の大きな災害と言えば、
2019年10月に起こった「台風19号」を
思い出される人も多いと思います。
橋が流されたり、山が崩れたり、
全国的に多くの被害を起こした台風でした。
ふくろうはうすでも、
河川敷の近くにお住まいで
数年前に床上浸水に遭われたばかりなのに、
「台風19号」で、
2回目の床上浸水に遭われたという
お客様がいらっしゃいます。
水害対策については、以前のコラムで
お話していますので、
よろしければお読みくださいね。
ちょうど防災週間にあたるこの時期は、
防災についてのお話をさせていただくことが
多くなっていますが、
今回も、屋根の防災について、
お話させていただきます。
突風に強い防災瓦とガルバリウム鋼板
台風の被害は、水害だけでなく、
突風によって、モノが飛ばされたり、
屋根が壊れたりすることもあります。
竜巻が発生した時に、
屋根の被害が多発したことがあり、
順番に補修を行わなければならないため、
施工をお待ちいただくまでの期間は、
厚手のブルーシートで屋根を覆って、
対応させていただきました。
「数ヶ月ぶりに屋根が直りました」という
お住まいも、少なからずありました。
防災の視点から、
屋根の葺き替えをする際には、
陶器の瓦から防災瓦やガルバリウム鋼板に
葺き替えることが多くなっています。
防災瓦は、内側でロックして
瓦の1枚1枚がかみ合うような仕組みで、
一枚岩のような構造になるため、
容易に飛ばされたり、剥がれたりしません。
陶器の瓦より軽く、ボコボコしていない、
フラットに近い形状になっていて、
様々や色やデザインの中から
お選びいただけます。
ガルバリウム鋼板は、軽くて突風にも強く、
瓦に比べて、安価で施工できるという
利点があります。
ただ、ガルバリウム鋼板の場合、
昔のトタン屋根というイメージが強く、
重厚感がなく、色のバリエーションも少ない
というデメリットがあります。
おしゃれな仕上がりにならないため、
瓦を好まれる人もいらっしゃいます。
ガルバリウム鋼板は、15~20年に1度ほど
塗り替えが必要ですが、
防災瓦は、その必要はありません。
施工時には費用がかかりますが、
あとのメンテナンスが不要なのが防災瓦で、
雨水がお住まいの中に入り込みにくい
という点でも、防災瓦に軍配が上がります。
また、瓦は、真夏の輻射(ふくしゃ)熱を
ある程度、反射して、暑さを緩和できますが、
ガルバリウム鋼板は、輻射(ふくしゃ)熱が
そのまま取り込まれてしまいます。
もちろん、ガルバリウム鋼板の屋根にも
メリットはあります。
前々回のコラムで、
雹(ひょう)害や地震にも強い
ガルバリウム鋼板についてお話していますので、
お読みくださると嬉しいです。
防災瓦にも、ガルバリウム鋼板にも、
それぞれ一長一短がありますので、
お好みのものを選ばれると良いかと思います。
軒天井や換気口などの損傷から風の巻き込み現象が発生!
屋根そのものではなく、
野地板や換気口などが傷んでいると、
風の巻き込み現象が起こることがあります。
軒先に風が当たって、
軒天井に小さな穴が空いていたりすると、
そこから風が一気に侵入して
屋根を吹き飛ばすぐらいの力が働きます。
屋根に損傷を受けた原因について
色々な現場で、今まで数百件にわたって
検証してきましたが、
風の巻き込み現象が発生したために、
風圧によって屋根が吹き飛ばされたという
事例を幾度となく見てきました。
中には、葺き替えたばかりなのに
屋根が吹き飛ばされてしまった
というケースがあり、
原因について調査させていただくと、
屋根そのものは綺麗に仕上げられていても、
屋根の真下にあたる軒天井や内側の小屋裏の
弱った部分や傷みなどは直されていませんでした。
軒天井に使われている昔のベニヤは薄く、
3mmくらいの厚さしかないため、
突風による巻き込みで、
風が一気に流れ込む恐れがあります。
これらの補修がされていないことが原因となり、
屋根が吹き飛ばされたと思われました。
葺き替えたばかりの屋根でしたが、
下地からの補修を行った上で、
再度屋根の葺き替えを行うことになり、
費用もそれなりにかかってしまいました。
最近は、気象の変化が激しく、
以前に比べて、お住まいも
気象の影響を強く受ける傾向にあります。
屋根の損傷を防ぐために、
屋根回り全体を見直して、
必要な対策を行っておくことが大切です。
ふくろうはうすでは、
屋根の葺き替えのご相談をいただいた時に、
屋根周り全体を調べさせていただき、
ウィークポイントが見つかった場合は、
例えば、軒天井を強化しましょうと
ご提案させていただいています。
屋根の葺き替えや塗り替え、補修を
ご要望の方はこちらから
ソーラーパネルの重量によって構造体に支障が発生するケース
太陽光発電のためのソーラーパネルを
屋根の上にあげることによって、
お住まいに重量がかかり、
構造体に支障が出ている場合もあります。
屋根や瓦の重さには耐えられますが、
それ以上の重さに耐えられるような
設計にはなっていないことが多く、
屋根全体の構造が微妙に沈んだり、
梁(はり)がたわんでしまうことも
あります。
例えば、屋根の一部がたわんで
低くなった部分があると
そこに雨が溜まりやすくなり、
雨漏りが発生しやすくなります。
じわじわと雨漏りして、下地が腐ってきて、
例えば、突風が吹き込むと、
そこで巻き込み現象が起き、
屋根が吹き飛ぶ原因にもなります。
太陽光発電システムを導入されたお客様から、
「ソーラーパネルを屋根に載せているけど、
大丈夫でしょうか?」とご相談いただきました。
お住まいに伺い、
屋根の状態を確認させていただいたところ、
ソーラーパネルの重量を支えるには
今のままでは十分でなく、
構造を補強する必要がありました。
「下地から屋根補強しましょうか」と
ご提案すると、最初は驚かれました。
今後30年以上は住み続けたいというご要望もあり、
このままだと、4、5年ぐらい先には、
相当な部分に傷みが発生し、
場合によっては、
ソーラーパネルが沈みこんでくる危険性があることを
お伝えしました。
また、瓦が落下して、近隣のお家の窓が割れるなど、
二次災害を防ぐためにも、
お住まいの安全性を担保した方がいいですねと、
お客様は、ご納得されました。
そこで、
ソーラーパネルを一旦、降ろさせていただき、
構造補強してから、
元に戻させていただきました。
見えないところですから、
余計に慎重に見極め、事前に対策を行うことで、
突発的な災害にも備えることができます。
屋根の葺き替えや塗り替え、補修をご要望の方は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談くださいね。
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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。
次回は「建築費の値上げと施工日程の長期化~
コロナ禍前後での変化について」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。