雨漏り対策と大雨による浸水などの水害対策


前回のコラムでは、防災週間に因(ちな)んで、
強風に対する窓の防災対策について
お話させていただきました。



引き続き、防災についてのお話となりますが、
今回は、大雨による浸水雨漏りの対策について、
掘り下げていきたいと思います。





雨漏り対策のための屋根のチェック方法


建物を風雨から守っている主役は屋根です。

建物を風雨から守っている主役は屋根です


屋根が正常に機能していれば、
屋根を原因とする雨漏りは防ぐことが出来ます。



2階の屋根は高いため、ご自身で確認するのは難しいですが、
2階の窓やベランダから、1階の屋根を見ることができる
お住まいもありますので、気になる方は、
安全対策をきちんと行い、
以下についてチェックしてみてください。



安全対策ですが、
まずは、体勢足元に気を付けてください。



見えにくい場所をよく見ようと身を乗り出して
乗っていた梯子(はしご)や椅子、窓枠から
転がり落ちることがあります。



梯子や椅子を使う場合には、
置く場所が安定していることを確認し、
梯子の上下を固定するなど、
転落しないよう十分に気をつけてください。



ケガをしては元も子もないので、
無理は禁物です。



安全が確認されたうえで、
屋根の様子を観察してみてください。



屋根瓦の場合は、ひび割れや欠けがないか、
軒先の瓦のズレがないか、
色の変わった部分はないか(屋根の下地が見えていないか)、
などです。



金属屋根の場合は、塗装の色あせや剥がれはないか、
キズ、膨らみ、歪みはないか、などです。



不安な箇所が見つかった場合、屋根の点検をご希望の方は
ふくろうはうすまで、お早めにご相談くださいね。





雨どいの不具合のチェック方法

雨水は横向きの軒樋(のきどい)縦方向の縦樋(たてどい)を伝って排水されます。


雨は屋根から雨どいを伝って流れていきますが、
その不具合については、意外と見落とされがちです。



雨どいの曲がりズレ、途中で外れていないかなど、
チェックしてみてください。



屋根の軒先につけられている横向きの
軒樋(のきどい)で屋根から流れる雨水を受け、
地上までは、縦方向の縦樋(たてどい)を伝って
排水されます。



雨が降っている時の方が、
雨どいの不具合には気づきやすいかもしれません。



その場合は、台風などの激しい雨の時ではなく、
通常の雨の時に、チェックしてくださいね。



雨水が樋(とい)を伝って流れてきているか、
雨水が途中で漏れたり、落ちたりしていないか、
また、雨水のに異常はないか、などです。



例えば、流れてきた雨水が茶色の場合、
塗装の色あせが進んでいると考えられます。



雨水に、屋根瓦を固めている漆喰(しっくい)の断片
混じっている場合には、
瓦の調整が必要であることが考えられます。



雨どいのチェック時に屋根の不具合のチェックも
同時にできる防災対策の一例です。





雨どいが詰まって雨水が逆流した事例


雨どいから排水路までの経路が良好であれば、
雨水は順調に流れていきます。



ところが、雨どいが途中で詰まっている場合は、
雨水が逆流することもあります。

雨どいが途中で詰まっている場合は、雨水が逆流することもあります


屋根瓦の隙間に作られた鳥の巣が、
大雨によって流され、
屋根から軒樋(のきどい)を経由して
縦樋(たてどい)に詰まってしまった
というのはよくあるケースです。



最近の事例では、
逆流した雨水がオーバーフロー状態になり、
雨どいから屋根の上に吹き上がっているのを、
お隣さんが気づいたということがありました。



現在は住まわれていませんが、
ふくろうはうすのお客様のお住まいです。



数ヶ月前に外壁の塗装をさせていただき、
雨どいの詰まりがないことを確認していました。



お住まいにお伺いして、原因を探っていくと、
雨どいの終点にある排水路が詰まって、
水が流れない状態になっていました。



行き場を失った雨水は雨どいに溜まるしかなく、
軒樋(のきどい)がいっぱいになると、
横樋(よこどい)へとあふれ出し、
逆流した形となりました。



残念ながら、雨どいから吹き上がった雨水は
軒天から家の中に侵入していましたので、
改めて補修工事をさせていただきました。





バルコニーからの雨漏り


バルコニーからの水漏れが原因で、
雨漏りのご相談をいただいたお客様が
いらっしゃいます。



雨漏りがあった部屋の上部がバルコニーでしたので、
見てみると、雨水でひたひたに満たされた状態でした。



バルコニーの排水口を点検すると、ゴミが溜まって、
塞がれていました。

バルコニーの排水口


バルコニーに貯まった雨水が、じわじわと階下へ浸水して、
雨漏りが発生したケースです。



排水口の近くにエアコンの室外機があると、
排水口のメンテナンスが行いにくくなり、
知らず知らずのうちに、排水口がゴミによって塞がれ、
大雨が降るとバルコニーに雨水が貯水されます。



大抵の場合は、排水口を掃除して
雨水がスムーズに流れる状態にしておくと
階下への雨漏りを防ぐことが出来ます。



バルコニーは防水処理が施されていますが、
排水口と防水層との取り合いの部分の
コーキングが切れていたり、
本来なら金物で固定するはずの場所が
固定されていなかったりすると、
排水口に問題はなくても、
雨漏りの原因になることがあります。



雨漏りを防ぐためにも、
定期的にメンテナンスを行う必要があります。



また、最近では、突然の豪雨で排水が間に合わず、
雨水がオーバーフローしないよう、
バルコニーから外側に向けて
バイパス管を設置するようになりました。

バルコニーから雨水を排水するバイパス管


水位が一定の高さになれば水が抜けるため、
バルコニーに水が貯まる心配も少なくなりました。



大型台風の上陸前に、屋根、雨どい、バルコニー、
家の周りや庭先にある排水溝や排水路など、
雨水がスムーズに流れるように
点検しておくとよいですね。





洪水が原因で起こるお住まいの水害対策


川の氾濫などで洪水が起こり、
お住まいに水が迫ってくる場合、残念ながら、
敷地内に水が入るのを防ぐことは難しいです。

川の氾濫などによる大洪水


ふくろうはうすのお客様で、3年のうちに2度、
水害に遭われたお客様がいらっしゃいます。



最初の被害のあと、復旧工事を行いましたが、
床上浸水した高さが、地面から1.3m~1.4mのため、
1.5mの高さのところにエアコンの室外機を壁付けし、
電気の配線やモーターなども同じ高さに固定しました。



ガスボンベ、石油タンクなどが水で浮き上がってくるので、
これらも高い位置で固定しました。



再度、洪水により床上浸水が起こると仮定するのは
不謹慎かもしれませんが、万が一の場合、
復旧が比較的容易になるように、他にも、
防水用のと水が染み込みにくいフローリングを
ご提案して、水害対策をさせていただきました。



通常の畳は、浸水後、破棄するしかありませんが、
防水仕様の畳は、泥を落とし洗浄して乾燥させると、
元通りになります。



フローリングも、撥水効果の高いタイプのため、
一定の時間水没したとしても、水が引いた後に、
泥を掻き出し、洗浄機を使って洗浄し、乾燥させると、
短時間で乾燥が完了するため、復旧が早いです。



お客様のお住まいは、残念ながら、
間もなく2度目の水害に遭われましたが、
復旧までにかかった時間は、ずいぶん短縮され、
費用も1度目の1/5くらいに抑えられました。



壁紙障子なども撥水仕様のものがありますので、
雨漏り・水害対策をお考えの方は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談くださいね。


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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。


次回は「リフォーム・リノベーションのご相談に隠された
お客様のお住まいの真のお悩み」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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