前回のコラムでは、防災週間に因(ちな)んで、
強風に対する窓の防災対策について
お話させていただきました。
引き続き、防災についてのお話となりますが、
今回は、大雨による浸水や雨漏りの対策について、
掘り下げていきたいと思います。
雨漏り対策のための屋根のチェック方法
建物を風雨から守っている主役は屋根です。
![建物を風雨から守っている主役は屋根です](https://fukurouhouse.jp/wp-content/uploads/2023/08/名称未設定のデザイン-2-1024x683.png)
屋根が正常に機能していれば、
屋根を原因とする雨漏りは防ぐことが出来ます。
2階の屋根は高いため、ご自身で確認するのは難しいですが、
2階の窓やベランダから、1階の屋根を見ることができる
お住まいもありますので、気になる方は、
安全対策をきちんと行い、
以下についてチェックしてみてください。
安全対策ですが、
まずは、体勢や足元に気を付けてください。
見えにくい場所をよく見ようと身を乗り出して、
乗っていた梯子(はしご)や椅子、窓枠から
転がり落ちることがあります。
梯子や椅子を使う場合には、
置く場所が安定していることを確認し、
梯子の上下を固定するなど、
転落しないよう十分に気をつけてください。
ケガをしては元も子もないので、
無理は禁物です。
安全が確認されたうえで、
屋根の様子を観察してみてください。
屋根瓦の場合は、ひび割れや欠けがないか、
軒先の瓦のズレがないか、
色の変わった部分はないか(屋根の下地が見えていないか)、
などです。
金属屋根の場合は、塗装の色あせや剥がれはないか、
キズ、膨らみ、歪みはないか、などです。
不安な箇所が見つかった場合、屋根の点検をご希望の方は
ふくろうはうすまで、お早めにご相談くださいね。
雨どいの不具合のチェック方法
![雨水は横向きの軒樋(のきどい)縦方向の縦樋(たてどい)を伝って排水されます。](https://fukurouhouse.jp/wp-content/uploads/2023/08/22389669_s.jpg)
雨は屋根から雨どいを伝って流れていきますが、
その不具合については、意外と見落とされがちです。
雨どいの曲がりやズレ、途中で外れていないかなど、
チェックしてみてください。
屋根の軒先につけられている横向きの
軒樋(のきどい)で屋根から流れる雨水を受け、
地上までは、縦方向の縦樋(たてどい)を伝って
排水されます。
雨が降っている時の方が、
雨どいの不具合には気づきやすいかもしれません。
その場合は、台風などの激しい雨の時ではなく、
通常の雨の時に、チェックしてくださいね。
雨水が樋(とい)を伝って流れてきているか、
雨水が途中で漏れたり、落ちたりしていないか、
また、雨水の色に異常はないか、などです。
例えば、流れてきた雨水が茶色の場合、
塗装の色あせが進んでいると考えられます。
雨水に、屋根瓦を固めている漆喰(しっくい)の断片が
混じっている場合には、
瓦の調整が必要であることが考えられます。
雨どいのチェック時に屋根の不具合のチェックも
同時にできる防災対策の一例です。
雨どいが詰まって雨水が逆流した事例
雨どいから排水路までの経路が良好であれば、
雨水は順調に流れていきます。
ところが、雨どいが途中で詰まっている場合は、
雨水が逆流することもあります。
![雨どいが途中で詰まっている場合は、雨水が逆流することもあります](https://fukurouhouse.jp/wp-content/uploads/2023/08/1610694_s.jpg)
屋根瓦の隙間に作られた鳥の巣が、
大雨によって流され、
屋根から軒樋(のきどい)を経由して
縦樋(たてどい)に詰まってしまった
というのはよくあるケースです。
最近の事例では、
逆流した雨水がオーバーフロー状態になり、
雨どいから屋根の上に吹き上がっているのを、
お隣さんが気づいたということがありました。
現在は住まわれていませんが、
ふくろうはうすのお客様のお住まいです。
数ヶ月前に外壁の塗装をさせていただき、
雨どいの詰まりがないことを確認していました。
お住まいにお伺いして、原因を探っていくと、
雨どいの終点にある排水路が詰まって、
水が流れない状態になっていました。
行き場を失った雨水は雨どいに溜まるしかなく、
軒樋(のきどい)がいっぱいになると、
横樋(よこどい)へとあふれ出し、
逆流した形となりました。
残念ながら、雨どいから吹き上がった雨水は
軒天から家の中に侵入していましたので、
改めて補修工事をさせていただきました。
バルコニーからの雨漏り
バルコニーからの水漏れが原因で、
雨漏りのご相談をいただいたお客様が
いらっしゃいます。
雨漏りがあった部屋の上部がバルコニーでしたので、
見てみると、雨水でひたひたに満たされた状態でした。
バルコニーの排水口を点検すると、ゴミが溜まって、
塞がれていました。
![バルコニーの排水口](https://fukurouhouse.jp/wp-content/uploads/2023/08/26641636_s.jpg)
バルコニーに貯まった雨水が、じわじわと階下へ浸水して、
雨漏りが発生したケースです。
排水口の近くにエアコンの室外機があると、
排水口のメンテナンスが行いにくくなり、
知らず知らずのうちに、排水口がゴミによって塞がれ、
大雨が降るとバルコニーに雨水が貯水されます。
大抵の場合は、排水口を掃除して
雨水がスムーズに流れる状態にしておくと
階下への雨漏りを防ぐことが出来ます。
バルコニーは防水処理が施されていますが、
排水口と防水層との取り合いの部分の
コーキングが切れていたり、
本来なら金物で固定するはずの場所が
固定されていなかったりすると、
排水口に問題はなくても、
雨漏りの原因になることがあります。
雨漏りを防ぐためにも、
定期的にメンテナンスを行う必要があります。
また、最近では、突然の豪雨で排水が間に合わず、
雨水がオーバーフローしないよう、
バルコニーから外側に向けて
バイパス管を設置するようになりました。
![バルコニーから雨水を排水するバイパス管](https://fukurouhouse.jp/wp-content/uploads/2023/08/23502277_s.jpg)
水位が一定の高さになれば水が抜けるため、
バルコニーに水が貯まる心配も少なくなりました。
大型台風の上陸前に、屋根、雨どい、バルコニー、
家の周りや庭先にある排水溝や排水路など、
雨水がスムーズに流れるように
点検しておくとよいですね。
洪水が原因で起こるお住まいの水害対策
川の氾濫などで洪水が起こり、
お住まいに水が迫ってくる場合、残念ながら、
敷地内に水が入るのを防ぐことは難しいです。
![川の氾濫などによる大洪水](https://fukurouhouse.jp/wp-content/uploads/2023/08/27171103_s.jpg)
ふくろうはうすのお客様で、3年のうちに2度、
水害に遭われたお客様がいらっしゃいます。
最初の被害のあと、復旧工事を行いましたが、
床上浸水した高さが、地面から1.3m~1.4mのため、
1.5mの高さのところにエアコンの室外機を壁付けし、
電気の配線やモーターなども同じ高さに固定しました。
ガスボンベ、石油タンクなどが水で浮き上がってくるので、
これらも高い位置で固定しました。
再度、洪水により床上浸水が起こると仮定するのは
不謹慎かもしれませんが、万が一の場合、
復旧が比較的容易になるように、他にも、
防水用の畳と水が染み込みにくいフローリングを
ご提案して、水害対策をさせていただきました。
通常の畳は、浸水後、破棄するしかありませんが、
防水仕様の畳は、泥を落とし洗浄して乾燥させると、
元通りになります。
フローリングも、撥水効果の高いタイプのため、
一定の時間水没したとしても、水が引いた後に、
泥を掻き出し、洗浄機を使って洗浄し、乾燥させると、
短時間で乾燥が完了するため、復旧が早いです。
お客様のお住まいは、残念ながら、
間もなく2度目の水害に遭われましたが、
復旧までにかかった時間は、ずいぶん短縮され、
費用も1度目の1/5くらいに抑えられました。
壁紙や障子なども撥水仕様のものがありますので、
雨漏り・水害対策をお考えの方は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談くださいね。
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「ふくろうはうすの住まいるライフ」(FM桐生毎週水曜日12:40分~)はこちら >>
群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。
次回は「リフォーム・リノベーションのご相談に隠された
お客様のお住まいの真のお悩み」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。