【外壁の腐食編】リフォーム後の不具合事例!その原因と解決法


こんにちは。
リフォーム・リノベーション専門店
ふくろうはうすの高橋です。



前回のコラムでは、リフォーム・リノベーション
の落とし穴となるような事例のひとつとして
住まいの健康寿命診断士」の視点から
屋根の不具合についての解説をしました。
まだご覧になってない方はこちらを参照ください。



今回は、屋根と同じように、家の外側からお家を
守っている「外壁」について解説していきます。



さて、本題に入る前にお聞きしますが、
もし、あなたが、新しく家を建てるとしたら
何年ほどその家で過ごせると思いますか?



多くの方は、50~60年くらいは住み続けられるくらいの
強度があるのが当たり前だと思われますよね。



屋根や外壁など外回りは、
表面的なので分かりやすいため
定期的塗り替えメンテナンスをして、
綺麗な状態を保っていれば、
家が傷んでくるのを防ぐことができます。



ところが、
壁の内側は見えないために
腐食の進行になかなか気づくことができません。
そのため、腐食によるダメージが増え続け、
【ふくろうはうす】住まいの健康寿命診断士コラムはじめます
で紹介したシロアリの事例のように、
家が崩壊寸前となったり、最悪
家が崩れていくことも考えられます。



多くの方は、屋根や外壁の塗り替えを依頼する時
見た目だけでなく、一般の人が気づきにくい
部分も含めて調査、診断して、欲しいものですよね?
専門家ならではの意見(必要な補修の提案)
を多くの方は期待されていることと思います。



それなのに
塗り替えるだけの見積もりを堂々と持ってくる
業者が、残念ながら存在しています。



家の構造体の不具合という
根本的な問題の解決にはふたをして
お客様の「塗り替えをしてほしい」という表向き
の依頼だけを叶えようとする業者です。



構造体というのは、壁、柱、床、梁(はり)などの部材の
集まりのことで、建物の骨組みとなるものです。
人の身体に例えると、皮膚や筋肉に相当するもの
ですね。



一部の業者が根本的な問題にふたをしたが故に
いよいよ家が崩れ始めて
「倒壊寸前ですよ。住むのは危険です。」
なんてことになったら、あとの祭りです。





事例2:新築時から始まっていた外壁の腐食

相談内容


この事例は、家の基礎となる構造体に大きな
ダメージが見つかった時のお話です。



お客様は10年前に外壁の塗り替えを
したそうです。



その時に施工した会社(訪問業者)から、
「そろそろ塗り替え時期ですよ」という案内が
届いたので、「見に来てください。」とお願いして
調査をしてもらったそうです。



その時の見立てでは、「このまま塗装すれば、
あと10年くらい大丈夫」とのことでした。



しかし、お客様は、3年ほど前から建物の内側にも外側にも
今まで見たことのない部分に、シミが出来ているのが
気になっていて、原因がわからないまま、
塗装だけで大丈夫なのか、不安になったそうです。

健康寿命診断の概要


お客様のお住まいを訪問して外壁を調査すると
壁にわずかな膨らみがあり、サイディングの目地の
隙間から水が浸み出した形跡があることを確認しました。



この症状から構造体の中に雨水が入って
相当傷んでいる可能性がありました。



外壁を熱画像カメラで映すと
内部の構造体の1/3ほどにかなりの痛みがある
ことがわかりました。



熱画像カメラについては前回のコラムで
詳しく説明しています。
よろしければ、ご覧になってください。



また、床下を点検すると、湿気が多い状態で
一部にシロアリの形跡が見られました。



お客様に立ち会ってもらって
外壁のサイディングをはがすと
構造体のべニヤがシロアリのすみか
なっていました。



このまま腐食すると2年後には倒壊の危険性があり、
建て替えも視野に入れなければならないような状態でした。



その後、詳しく追加調査を進めていくと
土台の基礎部分へのシロアリの浸食はなく
構造体のベニヤをはがして補修するリフォームだけで
建物全体の強度を取り戻せると判断しました。



そこで、お客様には建て替えをするか
リフォームで外壁の全面補修をするか
選択をしてもらうことになりました。



それぞれにかかる費用の違いや
リフォームで補修をする場合の
メリット・デメリットなどを説明しました。





シロアリによる外壁の腐食の原因とガルバリウム鋼板を使った対処法



外壁のサイディングを剥がした時に
新築当時の状況がよくわかりました。



外壁の施工をする際には必須であるはずの
防水シートが内側に貼られていないという
初歩的、かつ致命的なミスが発覚しました。
重ねて、サイディングの貼り方にも問題が
ありました。



これらの施工ミスが原因で
壁の内側に雨水がじわじわと入り込み
床下の土の部分まで、じっくりと浸水され、
土が常に濡れている状態になってしまったと
考えられます。



シロアリ乾燥にとても弱いため、
土が濡れている状態にならないと
そこから家の基礎となっているコンクリートを
はい上がることができません。



湿気の溜まった土はシロアリにとって好都合です。
また、湿気をまとった基礎部のコンクリートも
シロアリが土からはい上がるのを助けます。



そうして、シロアリは基礎部のコンクリートから
外壁内部のベニヤまではい上がり、
ベニヤ内で繁殖していたと考えられます。



お客様はリフォームによる構造体の補修を
選択されましたので
外壁を取り払い、ベニヤを取り替えて
補修を行い、新たに金属系サイディングを
貼って全面復旧しました。



金属系のガルバリウム鋼板のサイディング
を貼ったのですが、以前に使われていた
窯業系(ようぎょうけい)サイディングよりも
軽くて丈夫、メンテナンスもしやすいという
特徴があります。

【拡大】



金属系サイディングは、金属を原料としたもので
中でも、ガルバリウム鋼板は耐久性に優れています
窯業系サイディングは、セメントを原料として
板状に形成されたものです。



構造体を補修、補強する時に、断熱材
入れることができたので、副産物として
室内温度のバリアフリー化も実現できました。





リフォーム・リノベーションの施工会社を選ぶポイント



表面的にはあまりダメージがなかったのですが
内部では倒壊に向かって腐食が進んでいました。
シロアリが構造体の表面だけにとどまっていた
ことが不幸中の幸いでした。



また、リフォームを選択したことで、建て替えるよりも
費用を1,000万円以上抑えることができました。



建て替える場合の費用として、多くかかるのは
解体費用です。数百万円ほどかかると言われて
います。
使える部材を利用して、必要な補修を行う
リフォームと比べると、費用がかさみます。



塗装、屋根、水回りなど、部分リフォームに特化した
リフォーム会社が増えています。
その分野の知識と技術を生かして専業特化するのは
素晴らしいことですが、分野ごとにリフォームの見立ても
全く違ってきます。



家はいろいろなパーツがつながって
出来上がっています。
建物全体を総合的に診て、相対的判断する力
(視点)を持ったリフォーム会社を選ばれることを
お勧めします。



これも医療においても同じことが言えると思います。
表面的、部分的な治療ではなく、
根本的な総合的治療の出来る医師の方が価値高いです。
住まいについても同じことが言えますね。



長くなりましたが、今回も実際にあった事例を通して、
参考になる内容があれば嬉しいです。



住まいのことで何か気になることがある方、
リフォーム・リノベーションをお考えの方は
住まいの健康寿命診断士」高橋まで
お気軽にお問い合わせくださいね。

お問い合わせはこちら



次回は3つ目の事例
「下地に合わない塗料」
について解説しますので、
次回も読んでいただけたら嬉しいです。

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