サイディング外壁の種類とメンテナンス、モルタル外壁との違いは?


外壁は、躯体(くたい)を守る鎧兜(よろいかぶと)のようなものです。
適切なメンテナンスを行い、風雨から
建物の内部守る防水性を保つことが大切です。



躯体(くたい)とは、建物骨格部分のことで、
基礎、柱、壁、床など構造体のことです。



おはようございます。
こんにちは。
こんばんは。

リフォーム・リノベーション専門店
ふくろうはうすの高橋です。



今回は、外壁の種類と特徴、メンテナンス方法の違いについて
解説します。

窯業系(ようぎょうけい)サイディングのウィークポイントは目地



外壁は、以前はモルタルなどの塗り壁がほとんどでしたが、
現在はサイディングという外壁材を張る工法が主流になっています。



サイディングには、石膏ボードのような形状の窯業系(ようぎょうけい)や
金属系など、いくつか種類がありますが、
窯業系(ようぎょうけい)の人気が高く施工の7割を占めています。



窯業系(ようぎょうけい)サイディング材で外壁を仕上げる場合、
貼り合わせる目地コーキング剤(充填剤)を施します。



コーキング剤の製造メーカーによると、弾力性保証できるのは、
施工後5年が限度と言われています。



目地は防水のために最も肝心な部分です。
コーキング剤が硬くなってしまうとひび割れが生じ、
水漏れや雨漏りへと繋がります。


コーキング剤が劣化する一番の原因は紫外線です。



無防備に太陽光にさらされているため、
防水性を保ち続けるには5年~7年で打ち直しが必要になります。



一方、窯業系(ようぎょうけい)サイディング材は、
製造メーカーによると10年保証とされています。



目地を埋めるコーキング材は5年、
窯業系(ようぎょうけい)サイディング材は10年の保証のため、
リフォームのタイミングを決めるのが難しいです。



それぞれの耐用年数に合わせたメンテナンスを行うなら、
施工から5年目に目地のコーキングを打ち替えます。



10年目には、窯業系(ようぎょうけい)サイディング材の塗装と同時に、
目地のコーキング材の打ち替え(2回目)を行うことになります。



外壁が窯業系(ようぎょうけい)サイディング材の場合このように
メンテナンスの手間費用がかかってきます。



コーキング材をこまめにチェックする必要がありますので、
住まいの健康寿命診断」を行うと
リフォームのタイミングを判断していただけます。





築6年なのにベランダから雨漏りが…



窯業系(ようぎょうけい)サイディングで外壁の施工をされ、
新築からわずか6年で雨漏りが発生して
お困りになったお客様からご相談をいただいたことがあります。



風雨が強くなるほど、雨漏りがひどくなるので、
家を建てた大工さんに相談したけれど、
原因が分からないと言われた」とのことでした。



お客様のお住まいに伺い、詳しく調査したところ、
ベランダの外壁の目地部分の隙間が原因でした。



サイディングを張り、目地にコーキングを打つときには
仲立ち役としてプライマーという接着剤を使うのですが、
その接着が不十分だったためにコーキング材が剥がれて
隙間ができていました。



目地部分に小さな隙間ができて、そこから雨が浸透して
雨漏りにつながったと推測しました。



ベランダを中心に劣化部のコーキングの打ち替えをしましたので、
10年目のサイディング材の塗装メンテナンスの時期まで
雨水の侵入はしのげると思います。



10年目塗装メンテナンスで足場を組むタイミングで
改めて目地のチェックをして、
劣化した部分のコーキングを打ち替えると、
コストを抑えながら防水機能を維持することができます。





金属系サイディングはメンテナンスが楽!



サイディング材の中で、窯業系(ようぎょうけい)の次に
使われているのが金属系です。



窯業系(ようぎょうけい)サイディングよりも軽く耐用年数が長く
ひび割れの心配もありません。



10年~15年ごとのメンテナンスで防水性を保つことができるので
窯業系より管理がしやすい利点があります。



中でも、ガルバリウム鋼板は金属系の中では比較的安価で
サビに強く耐久性に優れています。



施工時には、壁の上から断熱材を挟んで
金属系サイディングを張っていくため、
断熱防音などの効果もあります。



但し、金属系サイディングの場合も
窓や軒の周りにコーキング材を使っていますので、
劣化が進んだ場合は早めの打ち替えが必要です。



また、窯業系(ようぎょうけい)サイディング、
金属系サイディングのどちらを張る場合も
壁側に防水シートが貼られていますので、
室内に雨漏りが生じることはほぼありませんが、
定期的メンテナンスで外壁の状態を良くしておくことが大切です。





モルタル仕上げはメンテナンスが簡単で意外と長持ち



意外に思われるかもしれませんが、
昔ながらのモルタルの外壁は、
定期的にメンテナンスを行うと
50年は保全できると言われています。



モルタルは壁の表面に手作業で塗っていきますが、
少しずつ塗り重ねて2~3センチの厚みをつけます。


素地にひび割れが入らない限り、雨漏りの心配はありません。



モルタルは砂とセメントと水を混ぜ合わせたものなので、
時間が経つと乾燥収縮が進んで、ひびが入りますが、
極力ひび割れを少なくするような比率で配合されたものもあります。



また、ひび割れを吸収するような弾力性のある塗料で塗装するなど、
計画的塗り替えを繰り返すと長持ちします。



私の実家は約45年前に建てられた木造住宅ですが、
モルタルのメンテナンスを13年ごとに行ってきたので、
外壁の強度防水性が保たれています。


現在のモルタルの外壁の仕上げ方は昔とは違います。



私が子どもの頃は、モルタルを3回~4回、多いときは5~6回
塗り重ねて、2~3センチの厚みをつけていました。



モルタルは薄く塗り重ねて乾燥養生を繰り返すと
空気中の水分を少しずつ含んでとても緻密になり、
固く頑丈な外壁が出来上がります。



1ヶ月ぐらいかけてゆっくりと工程を繰り返すことで、
ひび割れしにくい柔軟性を持った
非常にしっかりとしたモルタル壁になります。



とはいえ、1ヶ月もかけると工期が長くなってしまうので
現在は1週間ほどで仕上げます。



モルタルの材料も昔はセメントと砂だけでしたが、
今はいろいろな成分を混ぜた軽量モルタルが主流になっています。



外壁は、モルタルやサイディングなど仕上げ違い
日差し風雨へのさらされ方、メンテナンスの仕方によって、
住まいの健康寿命」が随分違ってきます。



経年劣化の進み方とメンテナンスの手間やコストなどから割り出すと、
外壁の仕上げ材は、モルタル、金属系サイディング(ガルバリウム鋼板)、
窯業系(ようぎょうけい)サイディングの順で適していると言えます。



外壁のメンテナンスやリフォームを検討する時の
参考にしていただけると嬉しいです。



以前のコラムで、リフォーム後の不具合事例として、
「新築時から始まっていた外壁の腐食」について解説していますので、
よろしければ、参考にしてくださいね。



外壁のお悩みやリフォーム、メンテナンスについてのご相談は
住まいの健康寿命診断士」の私、高橋までお気軽にどうぞ。



外壁・屋根のお悩みについて、現在「無料診断」を行っています。
ホームページ内に詳しいサイトを設けていますので、
よろしければ、ご覧になってください。

外壁・屋根のお悩み 無料診断サイトへ



リフォーム・リノベーションの計画がある方も
お気軽にお問い合わせくださいね。



次回は「東日本大震災から11年、3.11を振り返る」のテーマで準備しています。
お読みくださると嬉しいです。

Spread the love
上部へスクロール