5月も半ばを過ぎ、
数週間後には梅雨入りが訪れます。
そこで、今回は、梅雨入りの前に、
点検しておきたい「雨どい」について、
お話させていただきます。
点検時に見落としがちな「雨どい」
梅雨の時期に点検したいのは屋根と
その周辺です。
意外と見落としがちなところが雨どいで、
破損しているのを何年も見逃していることも
あります。

原因のひとつは経年劣化ですが、
例えば、数年前の大雪で、
雨どいが潰されていることがあります。
屋根の外側の先端部分に、
雨水を受けるための雨どいがありますが、
積雪によって、
雪の塊が雨どいに被さるように滑り落ちると、
雨どいを支える板金が
簡単に曲がってしまいます。
0.35mmくらいの薄い板金が使われているため、
多少の雨風の影響に関しては
ある程度の強度がありますが、
わりと簡単に、雪の重みで
板金が曲がってしまいます。
雪の種類を密度(kg/㎥:1㎥あたりの重さ)の違いで
表記すると下記のようになります。
〇 新雪(ふわふわ)約50〜100kg
軽い!降りたばかりの雪
〇 普通の雪(少し固め)約200〜300kg
かなり重い!数日経った雪
〇 湿った雪(水を多く含む)約400〜500kg
超重い!雨のあとなど
例えば、普通の雪(密度250kg/㎥くらい)が、
屋根の上に厚さ30cm積もったとすると…
250kg×0.3(m)=75kg/㎡
(※1㎡=畳半分くらい)
つまり、畳半分のスペースに、
大人ひとり分(75kg)の重さが乗っている!
というイメージです。

すると、
水平だった雨どいが斜めに傾いて、
降った雨が建物の方に流れてきます。
雨どいの変形に気付かず、
「2回ほど雨漏りしましたが、
どうしてでしょう?」と
お問い合わせをいただいたことがあります。
軒天井のシミや黒カビの原因と除去
お住まいに伺ってみると、
水はけが悪くなった雨水が雨どいに溜まり、
オーバーブローして、
軒下伝えにお家の中へ入り込み、
内装の壁にシミが出ていました。
軒天井は、直接雨に触れることが少ない、
屋根の下側の水平部分のため、
防水していないことが多いため、
軒天井にもシミができていました。
軒天井から回った雨が、
徐々に内部に染み込むことになり、
梅雨の時期になると、
雨漏りという形で表れなくても、
天井に近いところに、シミができたり、
カビが生えたりします。
外壁は防水のための塗装をしているため、
クラックが入らない限り、
雨の影響についての心配はないです。
軒天井は防水しなくても大丈夫な造りに
なっていますが、そこへ雨が回ると、
例えば、天井と壁の境目などから、
雨が入りこみます。
雨に濡れて、その後、乾いてを繰り返した結果、
軒天井に黒カビが発生している
という事例が多いです。

こういう場合は、
カビ用の塩素系の薬剤で除菌します。
塗っては乾かして、また、塗っては乾かして、
薬剤を2~3回塗ると
カビの胞子が萎縮して死滅するため、
黒くなった部分は、ほとんど消えます。
前回の外壁塗装から時間が空いている場合は、
カビの除去後に塗装を行いますが、
外壁も塗り替えの時期を迎えているため、
軒天井の塗装と同時に外壁塗装をご提案します。
例えば、外壁塗装後、
数年しか経っていない場合は、
軒天井の防カビを行うだけという
選択肢もあります。
塗料の皮膜が十分活性化していると、
カビが発生していたとしても、
すぐ、剥がして落とすことができるためです。
前回の塗装から7~8年経ち、
劣化した状態だと、
カビもくっつきやすくなるため、
表面の劣化が見られる場合、
同時に外壁塗装も行った方がよいと
思われます。
曲がってしまった雨どいの復旧
外壁や軒天井の塗装をした後、
曲がってしまった雨どいの板金を
元の位置に戻します。

雨どいの製品も古くなっている場合は、
製品を全面的に交換します。
雨どいの形は四角もあれば、
丸い形状など、様々な断面形状があります。
昔の雨どいは丸い形状のものが多く、
単純に板金を曲げて、
雨どいを取り付けていました。
曲がってしまった雨どいを
元の位置に戻すために、
板金を曲げる道具を使って、
簡単に直すことができる場合もありますが、
雨どいの形が複雑だったり、
劣化が進んでいるなどで、
元に戻らない場合もあります。
廃品になっていない現行品であれば、
一部だけを付け替えることもできます。
古くて廃番になっているものは、
全体の付け替えになることが多いです。
それだけ年数が経っている場合は、
製品寿命も来ているため
交換する必要性が出てきます。
紫外線、雨、風などの影響で、
金属疲労というか、
弱くなっている状態になっているからですね。
直近で、雨どいの全交換をさせていただいた
お住まいは、45坪弱ぐらいの広さでした。
積雪の影響で、雨どいが曲がって、
雨漏りが発生し、天井の一部に
シミが出来ていました。

雨どいは、もともとは丸いタイプでしたが、
少し丈夫な四角の雨どいに交換させて
いただき、全体で70万円くらいでした。
経年劣化もあり、継ぎ手にサビが来ていたため、
仮に、今回補修を行ったとしても、
また、何らかの不具合が発生して、
再補修するような事態が予測できたため、
雨どいの全交換をお勧めしました。
最近の雨どいは、
樹脂がコーティングされていて、
耐久性も良くなっています。
以前の雨どいは、
支える金具が外側に付いていましたが、
現在は、雨どいの内側に金物が取り付けられ、
外部に金物が見えないため、
ストレートですっきりした外観になっています。
内側に細かく金具を入れることが出来るので、
積雪だけでなく、雨風にも強くなっています。
梅雨入りの前に、お住まいの点検を行いたい方、
お家の内外のカビやシミが気になる方は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談ください。
国の補助金・桐生市の住宅リフォーム補助金の活用サポートはこちら
「ふくろうはうすの住まいるライフ」(FM桐生毎週水曜日12:40分~)はこちら
YouTube チャンネル「ふくろうはうすの住まいるライフ」はこちら
群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。
次回は「お住まいの使い勝手の悪さは我慢?
それともリノベーション?」
のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。