今回のコラムでは、
リノベーションを迷われていた
60代ご夫婦のエピソードについて、
お話させていただきます。
長年お住まいのお家の使い勝手が悪くなり、
リノベーションをしたいという
ご要望がありましたが、
今まで、この環境で暮らしてきたので、
これからも、このままの状態で、
年を重ねればよいのではないかと
相反(あいはん)する思いもありました。

ただ、使い勝手の悪さは、
毎日の生活の中で、少しずつ
ストレスとなって、溜まっていきます。
多くの方が、このようなお悩みを
心の片隅に抱えていらっしゃいます。
そこで、今回は、このご夫婦が、
どのようにお悩みを解決されたのか、
お話させていただきます。
使い勝手の悪い生活動線と古くなったお風呂
ご主人は商売をされていて、
親御さんの代から受け継いだお家に
店舗兼住宅として住まわれていました。
もともとの母屋に増築をされ、
リビングダイニングに隣接するところに
キッチンとトイレを配置されましたが、
お風呂と洗面化粧台は、店舗脇にあり、
生活動線から離れている状態でした。
使い勝手の悪い生活動線を見直して、
古くなったお風呂のリフォームを
と、考えていた矢先に、
ご主人が突然、倒れられ、要介護になり、
車椅子を使う状況になりました。
幸い、廊下、トイレとも広く造られており、
室内の車いすでの移動に支障はなく
大掛かりな工事の必要は、ありませんでした。

ただ、扉や引き戸が重く、
開きづらくなっていたため、
これらを軽くすることはできないか、
というご相談をいただきました。
そこで、扉や引き戸が軽くなるよう
調整させていただきました。
自宅で車椅子を使った入浴は難しいため、
介護施設のデイサービスを利用して、
入浴サービスを受けるということで、
お風呂については手を加えませんでした。
その後、1年ほど経ってから、
お風呂を中心としたリノベーションについて
改めて、奥様からご相談をいただきました。
というのも、約1年前にお伺いした時、
奥様から、リノベーションをしたいけど、
お風呂を使うのが、自分一人になるため、
ご主人の介護のことを考えると
贅沢もできず、我慢しようと思いながらも、
お風呂の汚れが目立ってきて、
使い勝手も見た目も良くないので、
どうしたものかと、お悩みのご様子でした。
また、増築時に新設したキッチンを
使い勝手の良いものに取り換えたいと
ご要望されていましたが。
奥様が我慢すれば済む話だからと、
キッチンについても悩まれていました。
その時は、「使い勝手の悪さが、
少しずつストレスに繋がってくるため、
できるならば施工されて、
元気に過ごされた方がよいかもしれませんね」と、
無理にお勧めしませんでした。
ご家族の気持ちを確かめることの大切さ
奥様は、自分ひとりが使うための
お風呂やキッチンのリノベーションについて、
ご主人に相談することをためらわれ、
その後も、ずっと悩まれていたようで、
「高橋さんなら、どうされますか?」
と尋ねられました。

そこで、自分が奥様やご家族の立場なら
どうするだろうと考えながら、
まずはさりげなく、
ご主人のご意向を伺うことにしました。
お住まいのリノベーションについて、
ご主人が施工後のお風呂やキッチンを
使うわけではないですが、
奥様の生活をご覧になりながら、
気になることはありませんか?
と伺いました。
すると、ご主人からは
「今まで、いろいろ苦労もかけてきたから、
私に遠慮したり、一人で我慢しないでほしい」
と、奥様に対する気遣いをお持ちのようでした。
また、現在は家庭を持たれている娘さん2人が
1週間おきに交代する感じで、
ご両親の様子を見に来られているため、
ご主人を含め、娘さん達の気持ちについても、
確かめることが大切かなと考えました。
「ご家族皆さんの気持ちがわかると、
お住まいをどうするのか、話が進むと思いますよ。」
自分ひとりのためではないリノベーション
娘さんたちは、お父さんが不自由になった分だけ、
お母さんには元気でいて欲しいというお考えで、
ピカピカのキッチンで料理をしてほしい、
キッチンからリビングダイニングへと続く、
その一角にお父さんのベッドもあるため、
何となく顔が見えるし、
お父さんを取り囲んで話をすることもできる、
それならば、リノベーションをして、
家の中を綺麗にしたほうがよいのではないか
というものでした。

「生活動線が整って、家の中は綺麗で清潔になり、
そこに、奥様の幸せそうな笑顔が溢れていたら、
ご主人も娘さんたちも、幸せな気持ちになります。
そのためのリノベーションなら、
十分な価値があると思いますよ」
最初のうちは、やはりお金もかかることだし、
我慢した方がよいのではと思われますが、
気持ちの裏側に、生活を楽にしたい、
楽しく暮らしたいという要望が隠れているものです。
現状で、何に困っているのかを
如実に認識していただけると、
少しでも楽になる工夫ができて、
生活感が全く変わってきます。
また、今回のお客様の例では、
現在は使われていない店舗部分に
お風呂を設置されていたため、
電気、水道、ガスは店舗部分から引かれており、
ご自宅部分と合わせて
二重に光熱費がかかっている状態でした。
お風呂の使い勝手が悪いだけでなく、
費用面でもご負担になっているため、
思い切って、リビングダイニング近くに
お風呂を新設することで、
生活動線と光熱費の負担も軽くなります。
お風呂のリフォームについては、
それなりの理由がありましたが、
奥様は、キッチンを入れ換えたいという
ご要望もありました。
キッチンのリフォームについては、
現状のままで支障があるわけではなく
ご家族に相談することを遠慮され
奥様は一人で、悩まれていました。
ご家族で様々な事情もあると思われますが、
答えはもともとご家族で持っておられるものです。
なかなか言いづらかったことでしたが、
背中をおす言葉をご家族にかけてもらったことで
前向きに進むことができたケースでした。
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リフォーム・リノベーションについてお悩みの方は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談ください。
あなたの心にそっと寄り添います。
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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。
次回は「満足度の高いリフォームを行うための
業者選びのポイント」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。