リフォーム・リノベーションか建て替えか? その1・建物編

「お住まいを大改造したい」と思った時に
大規模リフォーム・リノベーションをするか、建て替えるか、
どちらがよいのだろう?
と迷われることもあると思います。

 

前回のコラムでは、躯体(くたい)が弱っていて、
お住まいの寿命までの時間があまり長くない場合は
リフォーム・リノベーションではなく、
建て替えのご提案をさせていただく場合があることをお伝えしました。

 

今回は、その躯体(くたい)に問題がない場合に
リフォーム・リノベーションを選択するか、建て替えを選択するか、
判断する際の目安についてお話します。

 

お住まいはひとつひとつに個性があり、
どのように変化をつけていくのか、現場によって様々ですので、
あくまでも一般的な判断材料としてお聞きくださると嬉しいです。

 

間取りプランと構造体の相性による違い

 

お客様から、お住まいについてご相談いただく時に、
「どのようなところに不便を感じているのか」
「どんな暮らしをしたいのか」についてお話ししていただき、
それらを基に間取りプランを作っていきますが、

その間取りプランと構造体の相性によって、
リフォーム・リノベーションが適しているのか、
建て替えた方がよいのか、見立てが違ってきます。

 

大幅な間取り変更を伴う場合、
構造体にも大きく手を入れる必要があり、
躯体(くたい)の1/2~2/3 程度に及ぶことがあります。

 

躯体(くたい)とは、建物を支える構造体のことで、
基礎、壁、柱、小屋組、床などのことです。

 

躯体(くたい)を大幅に変更する必要がある場合には
建て替えの方が費用を抑えられます

 

もともとの躯体をそのまま使える場所もありますが、
大がかりな間取り変更の場合、使えない部分の廃棄にかかる費用が
大きくなるためです。

 

例えば、築100年ほどの良い木材が使われているお住まいの場合、
間取り変更に対して躯体(くたい)が造作に耐えられる場合や
間取り変更なしのプランで、かつ、再利用できる材料が多ければ
スケルトンリフォームやフルリノベーションが適している場合があります。

 

二階建てと平屋、単独世帯と二世帯三世帯住宅での判断基準

既存のお住まいが二階建てか平屋か
お住まいを使われるのが単独世帯か他世帯かによっても、
判断の目安が異なります。

 

中でも、総二階建てのお住まいの場合、
建物を支えている構造壁を動かすことができないため、
大幅な間取り変更を行うのが難しく、
既存の間取りを生かしたリフォーム・リノベーション
お住まいの改善策を考えます。

 

平屋で、しかも単独世帯でお住まいを使われる場合、
構造体の補強をすることで、間取り変更を伴う
リフォーム・リノベーションが可能になります。

 

既存の間取りを生かすことの難しい
二世帯、三世帯住宅に改造する際には、
水回りの増設など設備工事も大がかりになるため、
建て替えが適していると考えます。

 

ご家族が快適で充実した生活を送るために
世帯ごとの「どんな暮らしをしたいのか」について
ご希望や暮らしやすさを間取りプランに落とし込めるのも
二世帯、三世帯が一緒に暮らす際に、
建て替えをお勧めする理由のひとつです。

 

過去の工事による躯体(くたい)のダメージ

過去に大がかりなリフォーム・リノベーション
されているお住まいについては、難しい問題がある場合が多いです。

 

築約80年のお住まいを2世帯で住むためにリノベーションしたいと
ご相談いただいた事例についてお話します。

 

30~40年前に、平屋だった1階部分を2階の高さまで持ち上げ、
空いた1階部分を造作して2階建てにしたそうで、
通し柱を4隅に4本立て、平屋の上に2階が乗っている状態でした。

 

そのため、1階と2階のバランスを見ながら、
2世帯用の間取りプランを考える難しい作業になりました。

躯体(くたい)の1/3くらいを変更する
リノベーションプランを考えましたが、
大きく間取り変更するためには、建て替えが適しているため、
建て替えプランについてもご提案させていただきました。

 

ご家族でプランについて検討された結果、
お母さんにとっては、お父さんと一緒に頑張って
手に入れたお住まいであり、
ご家族も、思い出がいっぱい詰まっているからと、
原型をなるべく残すリノベーションプランを選ばれました。

 

施工が始まり、躯体(くたい)だけを残して解体したのですが、
平屋を2階建てに増築した数年後に、
階段や水回りの位置を変える大改造を行ったそうで、
その施工時に、無理な力が躯体(くたい)にかかって
想像以上にダメージが大きいことがわかりました。

 

もともとの躯体(くたい)は悪くなかったのですが、
基礎が貧弱な状態になってしまい、このままでは使うことができない上、
柱、梁(はり)なども再利用できないものが多く、
原型を残すことが難しくなりました。

 

梁(はり)とは、柱と柱の間に水平に渡して、
上部からの荷重を支える部材のことです。

 

長年暮らされてきたお住まいの感じをなるべく残すように、
玄関の位置や入り方、玄関からお母さんの部屋までの
距離感や動線を再現できるよう知恵を絞りながら、
躯体(くたい)の大がかりな補修を行いました。

 

お住まいを住み継ぐ予定から考える間取りプラン

子供さん、お孫さんへと住み継いでいくためには、
住まいの健康長寿」を意識した家づくりをすると
お住まいに長く住み続けることが出来ます。

 

逆に、将来住み継ぐ予定がないとか、
(お住まいを)売ったり貸したりしないとお考えの場合、
お住まいを使う年数と不便や不満の解消に見合った
リフォーム・リノベーションの方法を
選ばれることをお勧めします。

 

例えば、現段階で大がかりなリノベーションを行ったとして
5~10年後に新たに想定される不便をシュミレーションしてみると
(要介護になった場合の段差、使いづらさなど)
将来まで見据えたリノベーションになっているのか、
あるいは思い切って建て替えた方が良いのか、判断が変わってきます。

 

また、いずれお住まいを売却する予定で、
それまで快適に暮らすためのリフォーム・リノベーションをご希望され、
かつ、売却時に売れる間取りにしてほしいというご相談も
少なくありません。

 

売却益でリフォームローンなどを完済し、
借金を残さないという考え方ですが、
このようなご要望は何年も前から一定数あります。

 

最近になって、ようやく金融機関からも、
シニア向けリフォームローンのプランが
提案されるようになりました。

 

オープンハウス「ふくろうはうす 暮らしの見学会」でシュミレーションしてみる

「ふくろうはうす」では、お客様のご希望に沿った
住まいづくりのサポートをしています。

 

リフォーム・リノベーションか建て替えか、お悩みの方は
私が実際に健康長寿リノベーションした我が家を公開していますので、
オープンハウス「ふくろうはうす 暮らしの見学会」にご参加いただき、
リノベーション体験をしていただけると嬉しいです。

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あなたのご希望されるリフォーム・リノベーションの
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また、あなたのお住まいを改造するヒントの発見や、
イメージが具体的になり、
「お悩み」が「楽しみ」へ変わるかもしれません。

 

現在、オープンハウス「ふくろうはうす 暮らしの見学会」に
ご参加くださった方には、もれなく
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プレゼントさせていただいていますので、
この機会に是非お申し込みください。

 

群馬県桐生市にお住まいの方はもちろん、
みどり市太田市伊勢崎市前橋市の近隣にお住まいの方も
お気軽にお越しくださいね。

 

リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士」こと
ふくろうはうすの高橋でした。

次回は「【その2・土地編】リフォーム・リノベーションか建て替えか?」
のテーマで準備しています。
お読みくださると嬉しいです。

 

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