ご実家を兄妹で住み分ける完全分離型の二世帯住宅リノベーション


毎年、10~11月は屋根や外壁など、
外回りのリフォームのご依頼をいただくことが
多い時期です。



また、時間をかけて計画してきた
総合リノベーションもこの時期の施工が
最も多くなります。



最近は、二世帯住宅のリノベーションのご要望が増え、
今年、2023年の秋に完成のお住まいが、
ちょうど、二世帯住宅の物件となります。



ご両親がお亡くなりになり、
残された広いご実家兄妹で使えないか、
というところから、
二世帯住宅のリノベーション計画がスタートしました。



今回は、ご兄妹で住み分ける完全分離型の二世帯住宅の
リノベーションについてお話させていただきます。





ご兄妹の二世帯住宅リノベーションへの思い


最初に、ご相談いただいたのは、
ご兄妹のお兄さんからでした。



現在は東京の会社に勤務され、
ワンルームマンションにお1人で住まわれていますが、
定年退職を間近に控え、
ふるさとの桐生市へ戻ることを考えたそうです。



ご実家をリノベーションするか、建て替えるか、
検討された結果、リノベーションを選択されました。



ご実家のなつかしい思い出を残しながら、
ご自身の好みに合わせたお住まいに造り替えたい
というお考えからでした。



普段、高気密高断熱のマンションで生活していると、
ご実家で過ごすたび、
夏の暑さと冬の寒さが身に染みるため、
まずは、断熱化を取り入れて、
快適な空間にすることが最優先事項でした。



お兄さんが、現在、お住まいの部屋は、
スタイリッシュクールな感じのインテリアで
統一されているご様子で、
少しずつ、ご自身の好みのスタイル
築かれてきたそうです。



今回のリノベーションで、
定年後から老後まで落ち着いた暮らしを送るために、
思い描いている様々な間取りのイメージ
具体的にお持ちでした。



一方、妹さんは、お兄さんよりも先にご実家に入られ、
既に、ご夫婦2人で生活されていました。



妹さんは、桐生市内でも有名なレストラン
ご夫婦で経営されています。



一日中、ほぼ、レストランの厨房にいて、
家で料理をすることがないため、
自宅のキッチンにはこだわりがなく、
レストランの残り物を持ち帰って温める程度の
簡単なキッチンでよいとのことでした。



妹さんご夫婦は、キッチン以外の空間にも
特にこだわりをお持ちではないようでした。



その後、お兄さんと妹さんご夫婦でそれぞれ、
夢マップ」を行っていただきました。



妹さんご夫婦は、「夢マップ」に取り組まれてから、
「10年後もレストランを続けているだろうか?」と、
引退後の生活について考える機会になったそうで、
料理やお菓子作りが好きという基本ベースは変わらない
ことを再確認されました。



そこで、ご夫婦の好きな料理やお菓子作りをするのに
のちのち困らないよう、
ご夫婦にとって使い勝手の良いタイプの
家庭用キッチンを選択して設置することにしました。





3台分の駐車スペースの確保


ご実家で大人3人が同居することになり、
車3台分の駐車スペースが必要になりましたので、
まず、庭の大きな木を伐採しました。



大きくなりすぎた木は、隣の家のブロック塀を押し倒し、
太く大きな根っこがお隣まで伸びていたので、
立ち入らせていただき、時間がかかりましたが
何とか伐根させていただきました。



続いて、庭に植えられていた大小の木々を
全て伐採しました。



ご両親の時代に造られた駐車スペースは、
当時でも珍しいタイル貼りでした。



1家に車1台のころの駐車場ですが、ギリギリで2台
駐車できるくらいのスペースはありました。


今回はタイルを除去して、土間コンクリートを打ちました。



駐車スペースの脇に、植栽スペースがあったため、
潰して平らにして、駐車スペースとして使えるよう、
ここにも土間コンクリートを敷きました。



駐車スペースからの出入口となる間口が道路から近く、
入出庫に不便なため、
ブロック塀や門塀を一部壊して間口を少し拡張し、
余裕を持たせました。



こうして、手前にお兄さん用の駐車スペース、
手前から奥へとつながる縦長のスペースに
妹さんご夫婦の2台の車を
縦列駐車できるようにしました。





クールでスタイリッシュなお兄さんの居住スペース


ご相談に来られた当初は、
2階をお兄さん用、1階を妹さんご夫婦用と
階段の上下で分けた住み分けをお考えでした。



ところが、我が家のオープンハウスに来られ、
ボルダリング壁をご覧になり、
「こういう発想があるのか!」と驚かれたようで、
2階のスペースを運動用として3人共有で使うのも
ありではないかと思われたそうです。



1階部分が十分に広いため、真ん中で仕切り、
完全分離型二世帯住宅に変更することになりました。



水回りがそれぞれ単独にあり、玄関も別々で、
お互いの居住スペースへの行き来はできないよう、
線引きをしました。



もともとあった玄関の隣にもう一つ玄関を作り、
その間の仕切り壁で、完全に左右に分けました。



プライバシーの問題をクリアできるよう、
遮音防音を兼ねた壁にして仕切りました。



もともとあった玄関が
お兄さんの居住スペース用の玄関になり、
正面に2階へと続く階段があります。



妹さんの居住スペースには階段を設置していないので、
妹さんご夫婦が2階を使う時には、
お兄さんの家の玄関から入って、
階段を上り下りすることになります。



玄関と階段のスペースからお兄さんの部屋に入るところも
遮音壁にしていますので、
妹さんご夫婦が、将来的に階段を使うとしても
雑音が気にならない程度に遮音壁を仕上げています。



2階の工事は今回のリノベーションには含まれず、
運動するためのスペースとする案は
将来、施工する時の選択肢のひとつです。



お兄さんの居住スペースは、
もとは東南に大きく開けた広縁のある
14畳くらいの和室でした。



広縁と大きな掃き出し窓を取り払い、壁を造り、
部屋の空間を広げました。



お兄さんの部屋は、
車の通行量が多い道路に面した角地のため、
なるべく外からの騒音を拾わないよう、
外壁側に遮音シートを使ってガードしました。



また、自然光は取り入れたいけど、
明るすぎると落ち着かない、とのことで、
掃き出し窓や大きな腰窓を避け、高窓を設置しました。



最近はリモートワークをする人が増え、
ある程度、空調を効かせて一日中仕事をするため、
静かで集中できる環境を望まれる傾向にあります。



遮音壁を設置して外からの音の干渉を防ぎ、
日差しの変化が気にならないよう高窓を設置して、
落ち着いた雰囲気を作りたいとのご要望が
最近増えてきました。



お兄さんも、桐生市に戻ってリモートワークをするため、
遮音シートの施工と高窓の設置を行い、
静かで落ち着いた環境を作りました。



居住スペース全体の雰囲気は、
クールでスタイリッシュな仕上がりを
ご自身で想定されていました。



玄関ドアはアンティーク調もの、
玄関、リビング、水回りまでのフロア全体を
ミドルブラウン系の同一色でまとめ、
建具やキッチンの面材、棚板などの質感を
少しやつれた感じのヴィンテージ風で揃えました。





白を基調にしたシンプルな妹さんご夫婦の居住スペース


新設した玄関は、
妹さんご夫婦の居住スペースへと続きます。



玄関ドアを開けた途端、
リビングダイニングが見渡せるオープンな造り
キッチン部分も含めると20畳くらいの空間が広がります。



リビングダイニングの続きに、
ご夫婦それぞれ8畳ずつの個室があります。



もとは6畳の和室と広縁だったところの
掃き出し窓と広縁を取り払い、壁を造り、
クローゼットを設置して洋室に造り替えました。



妹さんご夫婦の居住スペースに、
もともと水回りが設置されていたため、
それぞれを解体した後、キッチン、トイレ、洗面脱衣台、
お風呂を新設しました。



広さは少し変えましたが、
水回りの位置関係はそのまま活かしました。



こちらの居住スペースはシンプルな雰囲気で、
白を基調にしたナチュラルタイプの空間に
仕上がりました。



経営されているレストランの内装も白が基調で、
広々として清潔感のある柔らかな印象ですが、
ご自宅も同じような雰囲気に仕上がりました。



ご兄妹で住み分ける完全分離型の二世帯住宅の
リノベーションについてのお話はこれで以上になりますが、
住み分けリノベーションの一つとして、参考になれば嬉しいです。



もし、あなたも、二世帯住宅のリノベーションを
考えていらっしゃいましたら、お気軽に、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談ください。



今現在、二世帯リノベーションについて考えや希望が
まとまっていなかったとしても、
先ほどにも登場した夢マップで、
本当の望みを明確にすることが出来ますよ。


ご希望であれば、夢マップのサポートをさせていただきます。


また夢マップの開発元である、片山友見さんの元で、
夢マップを体験しながら学ぶことも可能です。


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⇒夢マップとは?(夢育コミュニティ)


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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「『一級建築施工管理技士』の資格取得と安全管理」
のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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