おはようございます。
こんにちは。
リフォーム・リノベーション専門店
ふくろうはうすの高橋です。
前々回と前回のコラムでは「純木造建築高層ビル」
「一般住宅の木造建築」をテーマに、木造建築の特徴、制振性、
原材料の木材などについてお話をしました。
「ふくろうはうす」では
木造建築の持つ伝統的な技術と最新の技術を使った
リフォーム・リノベーションの施工を手掛けていますが
何よりも優先されるポイントは、
住んでいる方のお悩みが解消されることです。
何に対してどのように困っているのか
問題が改善された施工後の未来をどのように想い描かれているのか
詳しく丁寧にお話を伺う(ヒヤリングする)ことから始めます。
お話する中で、お悩みに対する様々な思いを受け止め、
お住まいの現状に照らし合わせて
イメージを膨らませながら、解決策を探っていきます。
住まいの困りごとで一番多いのは経年劣化によるものですが
他にも、間取りや設備の使い勝手の悪さによるもの、
また、ご家族の問題などもあります。
お住まいの間取りや使われている建材などによって
さまざまな制約があったりもしますが、工夫して
お客様の「困った」を「良かった」の笑顔へと導いていけることが
私のやりがいであり、また、楽しみでもあります。
過去1万件以上のリフォーム・リノベーションで培われた目
「ふくろうはうす」に寄せられるご相談は
過去に他社で調査、診断を受けたことがある、
あるいは、診断結果が心配で合い見積もりを取りたいので
意見を聞かせて欲しいというケースがかなり多いです。
お客様は、お悩みに対しての
確かな手応えを得ることができなかったため
確信を得るため、弊社へお問い合わせをされたと思われます。
「住まいの健康寿命診断士」の私、高橋は
まず、ご相談内容を詳しくお伺いさせていただき
住まい全体の健康状態を見極めた上で、
様々な調査・診断を行い、問題の原因を探します。
問診内容と調査・診断結果を分析し、原因を探り当てたら、
科学的な検証データを交えて、お客様に説明しますが、
できるだけ具体的にわかりやすく説明すること、
お客様のお気持ちやご事情も踏まえて
適切な解決法を提案することを心がけています。
「ここまで調査・診断してくれた会社はなかった」
というお客様のお言葉に、信頼と責任の重みを感じます。
診断には、科学的なデータを導き出すための
さまざまな測定機器を用いますが、軸になるのは、これまで
新築住宅1,000棟、リフォーム・リノベーション1万件以上に携わってきた
私自身の経験に基づく目利きによるものが大きいです。
Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3Rの取り組み
リフォーム・リノベーションには様々なニーズがあり、
建物の造りや構造によって、提案やアプローチは
全く変わってきます。
また、お住まいに使われている建材についても
施工時に再利用できるか、廃棄しなければならないか、判断するための
見立てが重要になります。
環境への配慮や資源の循環を目指して、住宅建築においても
Reduce(リデュース)= ごみの量を減らす
Reuse(リユース)= 繰り返し使う
Recycle(リサイクル)= 再度資源として活かす
の3Rの取り組みが始まっています。
使える建材は、そのまま使ったり補強したりしますが
どのくらい再利用できるかで、建材にかかる費用も変わってきます。
どんな工夫をすれば、
暮らしをより最適にすることができるのか
知恵を絞って考えています。
全国的に空き家が増え続けているという問題がありますが、
空き家も、リフォーム・リノベーションすることによって
色々なことができる可能性が広がります。
これからは、新築よりも、
既存住宅をうまく活用していくことが大切だと感じたことが
「住まいの健康寿命診断士」の活動に力を注ぐ理由のひとつでもあります。
また、地元の桐生市やみどり市、太田市、伊勢崎市、前橋市など周辺で、
建て替えのできない家が実は存在しています。
侵入路がない土地に建っているため、また
建築基準法の「接道義務」を果たしていない場合
建築許可が下りないため、建て替え工事ができないのです。
このような理由で、建て替えができなくても
柱や梁などの構造材がしっかりしていれば
骨組みだけを残したスケルトンリインフィル(躯体再利用)による
大掛かりなリフォーム・リノベーションで、
新たな空間に生まれ変わらせることは可能です。
躯体(くたい)というのは、建築物の基礎や柱、梁、壁面、床など
建築物の主要な構造体のことです。
一般的には、建て替えよりも
リフォーム・リノベーションの方が、
工期が短縮できて費用も抑えられるという
メリットがあります。
しかし、地盤や基礎に補強の必要がある場合は
リフォーム・リノベーションが
建て替えよりも安く仕上がるとは限りません。
ケースバイケースだと言えますので、
調査・診断によりその状況に合わせてご相談の上で
決めていかれると良いですね。
家一棟、一人で建ててみた!
リフォーム・リノベーションについてのご相談で
住まいのお悩みにお応えするために
詳しく調査・診断させていただくというお話をしましたが、
20代後半に、叔母の家を全部ひとりで建てさせてもらった体験が、
今の目利きに通じる知識と経験を培った原点となっています。
高校卒業後、職人として独り立ちしたのですが
親戚に様々なジャンルの職人がいて
仕事を手伝わせていただきながら様々な技術を学べたことは
とてもありがたいことでした。
祖父や父のような多能工になるために
とても良い機会と経験を頂くことができました。
職人としての修行を約10年続けたところで、
「自分の手で、家づくりを一通り経験すれば、
それまで見えていなかったことが見えてくる。
体験から得た気づきは、ほかの職人やお客様にも伝えやすい。」
そんな思いから、一人でまるごと一棟の新築に
チャレンジさせていただいたのでした。
一番苦労したのは、作業時間の配分でした。
8
カ月という限られた期間の中で、
ミスなく、効率よく作業を進めるためには、
最初に決める工程の組み立てがとても重要でした。
施工の手順を考えながら、大工、左官、電気、設備など
多種多様な作業を必要に応じて入れていきます。
様々な作業工程がつながって家が完成していくことを実感して、
作業の段取りや、前後関係の職種への気遣いや心配りなどを
養う機会にもなりました。
また、施工上のちょっとしたミスやトラブルが起こる要因も予測し、
不具合を未然に防げるようになり、
表面的な調査・診断では見落とされがちな
ほんの少しの変化にも気付くこともできるようになりました。
お客様の「困った」を「良かった」の笑顔へと繋げていけるよう
新築・リフォーム・リノベーションの施工に携わりながら
これからも現場で学んで、気づきや経験を重ねていきます。
こうやって記事を通して、
ふくろうはうすのことをより深く知っていただき、
どんなことでもお気軽に、お住まいのご相談をいただけたら嬉しいです。
あなたのお役に立てることを楽しみにしています。
次回は「家の寿命を延ばす『住まいの健康寿命診断』と『五つ道具』」
というテーマでコラムをお届けする予定です。
楽しみにしてくださると嬉しいです。