ふくろうはうすのお客様で、
18年前に大規模リノベーションを行ったあと、
2回のリフォームをされたご家族がいらっしゃいます。
大規模リノベーションから10年ほどで2回目を、
昨年2022年に3回目のリフォームを行いました。
18年前の大規模リノベーションの
プラン作成から居心地の良いお住まいの完成までを
前々回と前回のコラムでお話してきました。
まだ読まれていない方は、こちらから読んでいただくと
ストーリーがわかりやすいですよ。
第一話~18年前に大規模リノベーション、その後2回のリフォームを行った
ご家族とお住まいの変遷(へんせん)~祖父母から孫へと住み継がれる家~
第二話~【続】ご家族での話し合いからスタートした大規模リノベーション
~祖父母から孫へと住み継がれる家~
さて、今日は、その後行われた
2回目、3回目のリフォームについて
お話を続けさせていただきます。
中長期的に見据えて1~3期に分けた仮想プラン
18年前の大規模リノベーションの際に、
「この家は、将来、孫に譲りたい」
という、おじいちゃんとおばあちゃんの思いを
お聞きしていました。
息子さんご夫婦もお孫さんも、
その思いを共有されていました。
築43年ほどのお住まいは、当時の大工さんの手で、
良い材を使い、丁寧にしっかりと造りこまれた住宅のため、
適切なメンテナンスを施していくと、
お孫さんの代まで十分住み継ぐことができると
判断しました。
当時、小学生のお孫さんが、
将来、お住まいを住み継ぐまでには、
家族構成や暮らしの変化に合わせて
その時々にお住まいや間取りに手を加えることになります。
手を加える際に、余分な負担をなるべく与えず、
お住まいを長く持たせるためには、
中長期的な視点での改造計画が大切です。
ご家族に、将来のお住まいの移り変わりを
思い描いていただき、
大規模リノベーションを1期計画とし、
将来、想定される2期計画、3期計画までを
まとめました。
間仕切りや収納に柔軟に対応するための工夫
大規模リノベーションを終えてから約10年後、
お客様からご連絡をいただき、
2期計画にあたるリフォームのご依頼をいただきました。
小学生だったお孫さんご姉弟は成長され、
大学生になっていました。
お姉さんは、ご実家を出て一人暮らしをされ、
弟さんは、ご自宅から地元の大学に通われていました。
お住まいは、もともと広い家のため空き部屋が多く、
18年前の大規模リノベーション時には、
触っていない部屋もありました。
おじいちゃん、おばあちゃんは、
ご自身のご兄弟と親しくお付き合いをされているため、
2回目のリフォームでは、ご兄弟と一緒に住むため、
シェアハウスのような感じで空き部屋を活用できないかと
ご相談いただきました。
最近、伴侶を亡くされ独り身になられたご兄弟が
お2人いらして、
お1人は中古住宅を購入され、
もう1人は、家を建て替えるそうです。
中古住宅に入居するまでと、
建て替えが完成するまでの間、
お2人に仮住まいとして使っていただくための
施工のご依頼でした。
そこで、
使われていない6畳と4.5畳の部屋と
その間にある納戸をぶち抜いて1部屋にし、
部屋の隅には、オープンキッチンを設置しました。
お2人が出て行かれた後も、
収納や間仕切りを組み替えることによって
間取りの変更や部屋割りができるよう、
壁面のパネルに金物を組み込んでおくなど、
多機能を持たせて施工しました。
オープンキッチンの位置も変えられるよう
配管の変更に対応できるような工夫を施し、
間仕切りを組み替える時に、
邪魔にならない位置に配管を設置しました。
中長期的なお住まいの移り変わりを見据え
1期、2期、3期に分けた仮想プランを想定したことで、
ご家族構成や暮らしの変化に柔軟に対応することができ、
施工費の節減にもなります。
2期リフォームではご家族が漆喰(しっくい)塗りに挑戦
2期のリフォームでは、
部屋と納戸の壁を壊して1部屋に拡げる施工の他に
トイレを和式から洋式へ交換する施工と
家全体の床の貼り換え、壁の漆喰(しっくい)塗り
などを行いました。
いずれも、18年前の大規模リノベーション時(1期)には
手を加えていない部分です。
2期のリフォームのうち、壁の漆喰(しっくい)塗りは、
ご家族でDIYに挑戦していただきました。
当時は、漆喰(しっくい)塗料が出回り始めた頃で、
塗料メーカーさんから、施工現場のモニター募集が
かけられていたこともあり、
ご家族にお話すると、「挑戦したい」と
引き受けてくださいました。
部屋ごとに、和壁だったり、クロス壁だったり、
統一感がなかったため、
自然素材の漆喰(しっくい)塗りで
家全体をまとまった感じに仕上げるためでした。
漆喰(しっくい)の基本色はアイボリーですが、
ピンク、ブルー、グリーン、オレンジなど、
色を選ぶことも出来ます。
そこで、基本色のアイボリーを統一色として、
部屋の3面をアイボリー、
残り1面だけアクセントカラーとして
ご家族の好きな色を部屋ごとに塗っていただきました。
おじいちゃんとおばあちゃんの居住スペースは淡いブルー、
子ども部屋だったスペースは薄いピンク、
リビングは、オレンジイエロー
という風に塗り分けていきました。
ご家族全員参加で始まりましたが、
おじいちゃん、おばあちゃんの「手が疲れた」の言葉に
お孫さんの「あとはやっておくから」の応えがあり、
後半は、若い力が大活躍でした。
ご家族の作業の進み具合を確認しながら、
なるべく塗りやすい状態になるように
塗料の粘度などを調整しながら作業に加わり、
気温、湿度の違いでの塗料の変化、乾燥具合の変化などを
調査、観察させていただき、
後日、メーカーにも報告させていただきました。
それまで、落ち着いた感じの黒っぽい雰囲気だった壁が、
アイボリーを基調とした漆喰(しっくい)で、
一気に明るくなり、印象がガラリと変わりました。
3期リフォームでは暖炉風のガスストーブを設置
2期のリフォームが完了してから約8年後の
昨年2022年にご家族から3期計画のリフォームの
ご依頼をいただきました。
お孫さんご姉弟は社会人になり、
弟さんは家を出て独立され、
お姉さんはご結婚され、お子さんもいらっしゃいます。
現在は、お姉さんのご家族がお住まいに入られ、
おじいちゃん、おばあちゃん、ご両親と一緒に
3世帯で暮らしています。
今から4~5年前、おなかに赤ちゃんを授かったころ、
「この家で暮らしたい」とお姉さんが戻ってきたそうです。
核家族では味わえない家族の親密感や
コミュニケーションの大切さを感じて、
この環境で暮らしたいと思ったそうです。
2期のリフォームで部屋と納戸の壁を壊して広げた部屋を、
3期のリフォームでは、お姉さんご家族の生活に合わせて
改造することになりました。
2期のリフォーム時に、簡単に部屋割りができる工夫を
施していましたので、大がかりな工事を伴うことなく、
間仕切りや収納の造作を行うことが出来ました。
3期のリフォームでは、他に、屋根と外壁の施工も行いました。
そして、3期計画のメインの目標は、
「薪ストーブ」の設置でしたが、
ご家族の夢だった薪ストーブの設置は
残念ながら見合わせることになりました。
代わりに、暖炉風のガスストーブで
炎が出るタイプをリビングに設置しました。
多目的の大型ダッチオーブンという感じで、
焼き芋や煮物を作ることができるため、
よくカレーやシチューを煮込まれていました。
私もあつあつトロトロのビーフシチューを
ごちそうになったことがあります。
おじいちゃんとおばあちゃんの
「お住まいを孫に譲りたい」の思いが実現し、
現在3世代で暮らしを楽しまれています。
18年をめぐるご家族とお住まいの移り変わりの
ストーリーは以上となります。
これまでのストーリー
第一話~18年前に大規模リノベーション、その後2回のリフォームを行った
ご家族とお住まいの変遷(へんせん)~祖父母から孫へと住み継がれる家~
第二話~【続】ご家族での話し合いからスタートした大規模リノベーション
~祖父母から孫へと住み継がれる家~
第三話~【最終回】中長期計画で進めた大規模リノベーションと
その後のリフォーム~祖父母から孫へと住み継がれる家~
もし、あなたも、中長期的なリフォーム・リノベーションを
検討されているようでしたら、
ふくろうはうすの私、高橋まで、お気軽にご相談くださいね。
「ふくろうはうすの住まいるライフ」(FM桐生毎週水曜日12:40分~)はこちら
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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。
次回は「群馬県桐生市の宝徳寺さんの「床もみじ」!
鏡面仕上げの床を施工しました!」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。