築25年のお住まいのメンテナンスについて、
ご相談をいただきました。
「本漆喰(ほんじっくい)」の外壁のため、
他社さんからは
「漆喰(しっくい)を塗り直すとなると、
何百万円もかかりますよ」
と言われたそうです。

メンテナンスは必要と思うけど、
費用が高額のため、思い切りがつかない、
と、悩まれているそうです。
そこでお話しさせていただいたのが、
漆喰を“塗料”として使う方法でした。
実は以前、関西ペイントさんが
漆喰塗料を開発する際、モニターとして
商品化のお手伝いをしたことがあります。
その話をすると、
「えっ!漆喰の塗料があるのですか?」
と驚かれました。
漆喰を“塗る”という考え方
一般的に、漆喰の外壁は
「左官さんが塗るもの」
というイメージが強いと思います。
しかし、状態によっては、
本漆喰の上に“漆喰成分の塗料”を塗る
という選択ができる場合があります。
この漆喰塗料ですが、成分そのものが漆喰です。
もともとの本漆喰にしっかり定着するように、
漆喰を非常に細かく加工しています。
本漆喰の上に、本漆喰を重ねるのと
同じくらいの定着力を持たせるため、
粒子の細かさには、かなり試行錯誤を重ねました。
漆喰の主成分は石灰です。
そこに海藻を加えて、
糊の役割を果たしています。
その性質を生かしながら、
「塗料として成立する漆喰」
を目指して開発されました。
気になる費用は?
例えば、一般的な外壁塗装であれば、
ご相談いただいた一般的なお住まいで例えると、
70~80万円程度かかると思われます。
漆喰塗料で施工する場合、
工程よって多少の差はありますが、
100万円前後で収まる可能性があります。
そして、
本漆喰をすべて塗り直す場合は、
400~500万円は必要になるでしょう。
ところが、漆喰塗料なら、足場を組み、
漆喰部分以外の補修や塗装を含めたとしても、
200万円程度で収まります。

外壁にかかる費用を抑えて、
現実的なメンテナンスができるなら、
本漆喰を塗り直すためだけにかかる費用を
他のリフォームに回した方が良いですね、
というお話をざっくりとしました。
漆喰塗料はどうやって生まれたのか
関西ペイントさんのモニターを
させていただくことになったきっかけですが、
漆喰塗料が出始めた頃、
「漆喰の上塗りに使えないか」と、
こちらから提案したことから始まりました。
当時、関西ペイントさんのアレス漆喰は
内装用として開発がスタートしていました。
クロスの上から、ローラーや刷毛で
手軽に塗ることができる、しかも、
漆喰の持つ調湿や消臭などの効能を感じられる、
そんな「クロスの代替になる内装材」
を目指したのが、開発当初のコンセプトでした。

内装用として発売されてから約15年、
その後、外装用として使われ始めてからは、
7~8年が経っています。
外装用としての進化
外装用の漆喰には、もともと
ある研究機関の特許技術がありました。
それを関西ペイントさんが取り入れ、
さらに改良を重ねてきたのが現在の形です。
紫外線や雨風にさらされても剥がれにくく、
雨染みになりにくい、
そして、人にも環境にもやさしい、
その前提を守りながら、
定着性と耐久性が大きく進化しました。
凹凸感のある「アート漆喰」、
フラットな仕上げ、
リシン壁のような細かな質感など、
さまざまなテクスチャーを試しながら、
実際のお客様のお住まいで、
モニタリングをさせていただきました。
漆喰を“マイクロ化”する技術
この進化の鍵が、漆喰のマイクロ化技術です。
粒子を極限まで細かくし、
ナノレベルで定着・吸着させる、
例えるなら、バレーボール大だったものを、
パチンコ玉くらいまで小さくするイメージです。
数年かけて、約1/500のスケールまで
微細化することに成功しました。
初期の頃は不安定さもありましたが、
最近のものは凹凸仕上げでも、
フラット仕上げでも、定着性は十分で、
「これなら安心して使える」
と言えるレベルになりました。
本来の漆喰の使い方
漆喰は、もともと自浄作用を持っていて、
汚れが付いても、雨と一緒に流れ落ちます。
その代わり、表面は少しずつ削れ、
薄くなっていきます。
汚れと一緒に、不要な部分を自ら壊して落とす、
それを繰り返しながら、長い時間をかけて、
変化していく素材です。
だから本来、漆喰は
「時期が来たら塗り増す」ものなのです。

今回のような漆喰塗料は、
その考え方に沿った、
現代的なメンテナンス方法のひとつだと
考えています。
「本漆喰」のメンテナンスをお考えの方は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談ください。
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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。
次回は「高気密高断熱の家に潜む、
見えにくい落とし穴」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。




