二世帯住宅の間取りで1階と2階を自由自在に使いこなす90代ご夫婦のリノベーション

リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士こと
ふくろうはうすの高橋です。

 

ある90代のご夫婦からご相談を頂きました。お話を伺ったところ、
事務所として使っていた1階をリノベーションして
住めるようにしたいとのことでした。

 

その後、お客様のお住まいを訪問しましたが、
90代にも関わらず、ご夫婦の身のこなしの軽さにはとても驚きました

 

2階の玄関へ続く外階段を
あっという間に軽々と上っていかれます。

ご主人は織物会社を長年経営されていて、
1階は事務所として使い、2階をご自宅として使っていたため、
玄関も2階にありました

 

今回は、そんな軽やかに1階と2階を行き来して、
暮らしを楽しまれているご夫婦の
大型リノベーションについて紹介させていただきたいなと思います。

 

土蔵造り(どぞうづくり)の蔵(くら)を活かしたリノベーション

ご夫婦のお住まいは、もともとあった
風情ある土蔵造り(どぞうづくり)の蔵(くら)に
隣接して建てられています。

 

蔵(くら)は商品の織物や反物、原材料などを保管するためのもので、
何層にも重ねられた土壁の上に漆喰(しっくい)を塗って仕上げられた、
70cmもの厚さの外壁で覆われています。

 

外気温を遮断するため、夏場は涼しく、冬場は温かく、
冷暖房を入れても効き目が早く、スイッチを切っても
安定した気温を保ち続けます。

 

蔵(くら)の内側は、今では見られないような
栗の大きな柱や梁(はり)が使われていて、
床には檜(ひのき)の板が張られていて、
落ち着いた雰囲気を漂わせています。

 

織物が盛んだった桐生市にはこのような蔵がいくつも残っており
蔵カフェとしてリニューアルオープンされているところもあります。

 

お客様所有の蔵(くら)は2階建てで、
造られた当時のままの階段もあり、
お住まいと繋げて、内階段として使われています

 

蔵は建てられてから、かなりの年数が経っていますが、
手入れをしていなくても、手直しの必要がなく、
大がかりなメンテナンスがほぼ不要です。

 

今回のリノベーションでは、外壁の漆喰(しっくい)の塗り替えと
50cmくらいの厚みがある扉の漆喰(しっくい)の塗り替え、
扉の閂(かんぬき)の金属部分の塗り替えなどの
手直しをさせていただきましたが、
現在風にリノベーションしたお住まいから
蔵へ移動すると異空間へ迷い込んだような素敵な雰囲気になりました。

 

ご夫婦2人のこれからの暮らしに合わせたリノベーション

一方、お住まいは、4隅に4本、中間に2本の
計6本の鉄骨の柱によって支えられた鉄骨造の建物で、
事務所だった1階は仕切りのない広い空間
1階の上にデッキを乗せて作られた2階のご自宅は木造でした。

 

将来的に身体が動かなくなることを想定して
1階でも生活ができるようにと、
お風呂、トイレ、LDK、寝室、玄関を造ることになり、
1階でも2階でも生活できるようになりました。 

 

「二世帯住宅ですか?子供さんが入られるのですか?」
とご近所さんに尋ねられることがあるそうですが、
あくまでご夫婦2人で暮らすためのリノベーションです。

 

キッチンは対面式ではなく、
窓から外を眺めながら作業できるタイプで、
振り返ったところにカウンター(収納棚兼家電収納)を
設置しました。

リビングのこたつで食事をするため、
キッチンのカウンターからお皿をこたつまで運んだり、
こたつから立ったり座ったりを一日中何度も繰り返すのですが、
その立ち座りがよい運動になるそうです。 

 

また、ご夫婦2人とも動作が機敏なのは、
朝晩のストレッチの習慣にも関係がありそうです。

 

どこでもストレッチできるように椅子を置いてあり、
背もたれのついた椅子につかまって
軽々とストレッチされていますが、
2~3日サボるときつくなるとのことです。

 

人生の先輩から聞く「ご夫婦の若さの秘訣とは?」

ご主人は最近、自動車教習所で、
高齢者を対象とする運転免許講習会の身体能力測定を受けたそうです。
すると、教官からは「60歳以下(の身体能力)ですね」と言われたとのこと。
つまり、実年齢より30歳以上若い身体を保っていらっしゃるのです。

 

一日のうちのほんの少しの時間(1分や2分でも)
毎日筋トレを続けていくと、筋力は衰えない
但し、1日サボるだけでてきめんに(筋力が)落ちる。
こればかりは年齢によるものかな。」
と、毎日行っているスクワットを見せてくださいました

 

こたつや座椅子から立ち上がるなど、
日常の動作で運動の要素を取り入れ、
スクワットやストレッチを短い時間行っているだけで
改まった運動は特にしないそうです。

 

元気なお二人は、1階と2階を行き来しながら、その日の気分で
1階で過ごすか2階で過ごすかを決めているそうです。

 

昼間は日当たりのよい2階のリビングが
ご夫婦の趣味部屋になっていて、
奥さんはお孫さんへのぬいぐるみ作りなど、 
ご主人はコンピューターで囲碁対戦など、
それぞれで楽しんでいます。

 

また、買い物をすることが頭の体操になるという考えから、
使い切る量だけを置くようにしているそうです。

 

毎日、近くの商店街へ歩いて出かけては、
店主とコミュニケーションを取ったり、
同世代同士で集まって話をしたりしているそうです。

 

奥様のお誕生日が2月の始めだったため、
ご主人からのプレゼントとしてお誕生日に
リノベーションのお引き渡しをしたかったのですが、
残念ながらキッチンの設置が1ヶ月ほど遅れ、
3月初めにお引渡しが完了しました。

 

コロナ禍のため、様々な分野の入荷が遅れがちで、
キッチンについても3ヶ月ほど遅れました。

 

モルタル外壁を50年放置した!その結果に一同驚愕!?

お住まいの外回りを点検すると、
外壁から雨漏りをしている様子でしたので、
この機会に補修を行うことになりました。

 

1階を解体した時に雨漏りに気づいたのですが、
つきつめていくと、2階の外壁の数ヶ所から
雨漏りの原因が見つかりました。

 

鉄骨造の建物の雨漏りは気づきにくいのですが、
サビが発生してじわじわと鉄を弱らせていきます。

 

今回、発生したサビを詳しく調査すると、
雨漏りの箇所さえ補修すれば、サビが進行しないと
判断することができました。

 

築50年で一度も手入れをしなかったモルタル外壁でしたが、
50年前に3ヶ月以上かけて、塗っては乾かしを繰り返し、
頑丈に造られていましたので、50年持たせることができました。

確認すると脱落している部分もありますので、
その箇所だけ上からモルタルを塗り重ねて強度を保てば、
また次の50年を持たせることができます。

 

リノベーション後に訪ねてきたお孫さんから
おじいちゃん、お家もらっていい?
と、とても気に入った様子だったそうです。

 

次世代へ住み継ぐためにも
定期的な「住まいの健康寿命診断」を行い
適切なメンテナンスを施していくと、
資産としての価値を高めることができます。

 

二世帯住宅へのリフォーム・リノベーションの計画のある方は
住まいの健康寿命診断士」の私、高橋まで
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お気軽にお問い合わせくださいね。
あなたの資産価値を守るお手伝いをいたします。

 

次回は「『瓦屋根は地震に弱いってホント?』屋根瓦の震災対策について」のテーマで準備しています。
お読みくださると嬉しいです。

 

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