今後30~35年住み継いでいくための「床下環境」「断熱補強」「防災」を整える二世帯住宅リノベーション


前回と前々回のコラムで、
ご両親と長男さんご家族が同居するための
「コンパクト二世帯住宅リノベーション」について
お話させていただきました。



今回も引き続き、別件の
「二世帯住宅リノベーション」について
お話させていただきます。



今回は、ご両親娘さんご夫婦が住まわれる
二世帯住宅リノベーション」についての
お話になります。




「二世帯同居」から「三世帯同居」へ


ご両親は70代、娘さんご夫婦が50代、
娘さんご夫婦の長男さんが20代で、
長男さんは既に家を出て独立されています。



ご両親と娘さんご夫婦は、
長男さん(お孫さん)も含め、
とても仲の良いご家族です。



その20代の長男さん(お孫さん)は、
ご結婚の予定があるそうで、
ご両親(おじいちゃん、おばあちゃん)は、
お孫さんとそのお嫁さんにも
この家に戻ってきてもらって
三世帯同居をご希望されているそうです。



お孫さんたちが帰って来られるかどうかは、
今のところは未定のため、
ご両親と娘さんご夫婦4名で住まわれる
二世帯住宅としてプランを進めながら、
いずれ、三世帯で一緒に暮らすための施工が
あとからできるような準備は施しました。



ご両親がお住まいのご実家は、もともと
2階に3部屋とトイレ、洗面化粧台があるため
2階はそのまま娘さんご夫婦が使えるように、
今回は1階中心とした施工プランを
考えることになりました。




「住まいの健康寿命診断」のきっかけはトイレ床の補修


お客様から、最初にご連絡をいただいたのは、
1年くらい前で、その時は、1階のトイレの床
かなり沈んでしまっていたため、
その補修のご依頼から始まりました。



このトイレの施工時に、
沈み込んだ床下にシロアリ被害があるのか、など、
普段見えない場所のことを
お客様は心配されていました。



そこで「住まいの健康寿命診断」について
詳しく、お話させていただきました。



すると、お客様は、
お住まいをリノベーションして、
二世帯同居ができないだろうかと、
お知り合いの工務店さんやご近所の建築会社に
ご相談されていることをお話して下さいました。



ところが、建て替えを勧める業者ばかりで
リノベーションを行うという提案は、
全くなかったそうです。



どの業者さんも、
お住まいを隅々まで調査することもなく、
建て替えを勧められたとのことでしたので、
私の書いた本をお渡しして、
「内容を参考にしていただき、必要であれば、
『住まいの健康寿命診断』を行うこともできますよ。」
とお伝えして帰りました。



ご両親も娘さんご夫婦も、お渡しした私の本を
読み込んで下さったようで、
本に載せてあるチェックリストを書き込まれ、
質問事項をまとめられたあと、
ご連絡をいただき、「住まいの健康寿命診断」の
ご依頼を下さいました。



そして、
「『住まいの健康寿命診断』の調査時に、
準備するべきものや心構えはありますか?」
とお客様からご質問をいただきました。



「人が健康診断を受診するのと同じです。
現状の健康状態をチェックして、
将来的に病気になるような要素はあるのかなど、
見極めて、必要であれば治療を始める、
というのが大まかな流れですよ。」
とお伝えしました。




住まいの健康寿命を延ばすために重要な基礎土台と床下環境


住まいの健康寿命診断」は、
建物にも健康寿命があるという考え方で、
健康寿命を延ばすために重要なのは、
例えば、骨組み基礎土台です。


お住まいのどの部分を整えたら、
将来にわたって健康長寿な家になるのか、
どの程度手を加えたら、
どのくらいの期間お住まいを使えるのか、
などが、ある程度明確になります。



お客様のご要望は、まずは、二世帯で住まわれて、
のちのち、お孫さんの世帯まで住み継げれば、
というお考えですので、
少なくとも30~35年以上の耐久性が必要です。



また、お住まいの健康寿命を延ばすためには、
床下環境重要な要素のひとつです。



床下といえば、湿気の問題やカビの発生、
シロアリ被害があるかないかなど、
いろいろな不具合の元となるところです。



まず、床下からの影響を遮断するために、
ダメージのあるところをしっかりと補修し、
次に、耐震性を向上するために、
基礎土台をしっかり補強して、
土台、基礎の環境をきっちり整えれば、
お住まいの健康寿命を延ばすことができます。



お客様のお家の「住まいの健康寿命診断」を
行った結果、必要な補修、補強を行うことで、
今後30~35年、健康寿命を保つことができる
と判断しましたので、
その旨をお客様にお伝えしました。




断熱補強と屋根の防災


今回のリノベーションは、
あまり大がかりな間取り変更を伴わない
プランをご提案させていただきました。



しかし、基礎、土台の補修、補強
また、床下のダメージの修復を行うために
1階部分は、ほぼスケルトン状態にしました。



そして、シロアリの被害を修復したあと、
床、壁、天井の全体に断熱材を入れ、
断熱補強を行い、床下環境を整えました。



窓はシングルガラスのアルミサッシですが、
内窓サッシを設置したので、
更に高断熱の効果が期待できます。



また、床下の湿気遮断するためと、
基礎自体を多少補強する意味合いを兼ね、
床下の土の部分に、
鉄筋とコンクリートを入れて
鉄筋コンクリート造にしました。



ご家族が集まるリビングが冬は寒くて、
エアコンをつけてもなかなか暖まらないという
お悩みがあったそうですが、
床下環境を整え、断熱補強を施したため、
今後は、冬の寒さや夏の暑さの影響が激減して
過ごしやすさを感じられると思われます。



屋根は古い瀬戸瓦が葺かれていましたが、
軽量化するため、全部下ろして、下地を貼り換え、
防災瓦に葺き替えました。



瀬戸瓦は、赤茶色の粘土をこね、
表面に釉薬⦅ゆうやく⦆を塗って焼き固めた瓦で、
表面がお茶碗のようにツルツルしています。



防災瓦は、従来の瓦より軽いだけでなく、
瓦1枚1枚が互いにロックされている状態のため
突風に強く、飛ばされたり、剥がれたり
というリスクを防ぐことができます。




洗濯乾燥機と室内干し


お客様からお伺いしていたお悩みのひとつが、
洗面脱衣室が狭くて、
洗濯機置き場がないことでした。



また、洗濯物が多いため、
外干しだけでなく、室内干しをしたいけど
スペースがないというお悩みもありました。



そこで、デッドスペースだった階段下を使って、
洗面脱衣室を拡張させ、
洗濯機置き場を作りました。



また、洗濯物を乾燥させるために、
ドラム式の電気の衣類乾燥機
設置できるようにしました。



浴室換気乾燥暖房機を設置して、
洗面脱衣室にも冬場の暖房を兼ねた
暖房乾燥機を設置しましたので、
お風呂と洗面脱衣室を使って、
室内干しをすることもできます。



今回の二世帯住宅リノベーションは、
断熱環境床下環境を整えることで、
今後30~35年住み継いでいくための
施工を中心として行わせていただきました。



二世帯住宅リノベーションを計画されている人は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談ください。


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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「2024年の1月からの法改正による贈与税非課税の特別措置を
使った計画リフォーム」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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