アスベストの全面禁止による新建材は、生産物賠償責任保険(PL保険)の適応外


前回のコラムでは、
今どきの木造住宅に使われる素材、
集成材についてお話させていただきました。



今回は、今から20年ほど前に開発され
多くのお家の施工に採用された、
屋根や外壁新素材について、
お話させていただきます。




アスベストの全面禁止による新建材


現在もそうですが、
法改正のために原材料が使用禁止になり、
製造メーカーが代替品を探して作ったものの、
中途半端な製品が出回るということがあります。



1950年から1970年くらいまで、
アスベスト入りの建材が使われていました。



ところが、
アスベストの健康被害が問題になり、
2006年には全面禁止になりました。



そこで、各メーカーは、
アスベストに替わる代替品で、
屋根材や外壁材を製造することになりましたが、
その頃の素材が非常に弱く、
屋根は10年足らずでボロボロになりました。



その新製品を使って施工されたお家の施主さんが、
屋根の異変に気付き、
製造メーカーに問い合わせをしても、
何の対策も行わなかったという経緯があります。




生産物賠償責任保険(PL保険)の適応外


私の弟が家を新築したのが、
今から17年ほど前の2007年で、
当時、ニチハというメーカーの
ファミールという商品が使われました。



アスベストが全面禁止になり、
新建材に切り替わった前後の年だったため、
強度などに問題がなければいいなと
話をしていました。



施工後、毎年経過観察をしていましたが、
4~5年経ったころ、屋根の表面が、
バラバラと剥がれ始めました。



放っておけば、屋根としての機能を失い、
確実に雨漏りが発生してしまいます。



アスベストは、素材がよく混ざるように
粘りを与える接着剤のような役割を
担っていました。



例えば、蕎麦を打つ時に、
蕎麦粉を100%使うとボソッとしやすいため、
つなぎとして小麦粉を入れたりしますが、
アスベストもつなぎとして使われていました。



各メーカーは、
アスベストに代わるつなぎの材料を
色々実験して試していましたが、
「これは!」というものが見つからない状況で、
新製品を発表しなければならないという
事情がありました。



アスベストに禁止令が出て、
新製品に移行するちょうど端境(はざかい)期だったため、
このニチハという会社だけでなく、
他の建材メーカーも一様に問題がありました。



本来なら、生産物賠償責任保険(PL保険)
扱って欲しいところですが、
メーカーは、残念ながら、
製品の不具合について認めることはありませんでした。



こちらとしても、黙って見ていられないため、
意見書を書いて提出し、
弟も、散々メーカーに訴えましたが
「もう少し経過観察してみてください」
の一点張りでした。



仕方がないので、応急処置的
ペイントしたり、コーキングしたりしましたが、
10年くらいでこんな状況になるのは、
明らかに欠陥品だろうと話していました。



結果的には、補修の限界も来ていたため、
弟の家は、2023年に屋根材全面撤去して、
ガルバリウム鋼板の板金屋根に葺き替えました。



のような事例は、同年代に施工された中で
珍しくないと思われますが、
生産物賠償責任保険(PL保険)が適応されない
こともあるのが、事実です。



鳴り物入りで、送り出された新製品で、
思うほどの効果が期待できなかったというもので
結果的には保証もなく、自費で補修しましたが、
慎重に見極めることも大切かと思います。



屋根の補修や葺き替えを検討されている方は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談くださいね。


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リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「健康長寿の家は、『介護されない、しない家』」
のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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