100年間使った「五右衛門風呂」からユニットバスへのリフォーム


寒い日が続いていますが、
体調を崩されていませんか?



1月から2月にかけては、
1年の内で最も寒い時期ということもあり、
寒さ対策についてのご相談が増えています。


その中のひとつがお風呂のリフォームのご相談です。



古民家で長く使われていた
五右衛門風呂(ごえもんぶろ)が
使えなくなったため、リフォームしたいと
7年ほど前にご依頼いただいたことがあります。



厳密に言えば、長州風呂(ちょうしゅうぶろ)
と言われるもので、風呂釜全体が鉄で造られ、
1人で浸かるのがやっとくらいの大きさです。



竃(かまど)の上に風呂釜を据え付け、
火を焚いて、釜の底からお湯を沸かし、
すのこのような底板を沈めて、お風呂に浸かります。



最近では、使うことも見ることも珍しくなった
五右衛門風呂(ごえもんぶろ)のリフォームについて
今回、お話させていただきます。





100年使った五右衛門風呂(ごえもんぶろ)


ご依頼いただいたのは、
赤城山の東山麓(さんろく)にある農家さんで、
五右衛門風呂(ごえもんぶろ)は
100年近く使ってきたものだそうです。



解体した時に、五右衛門風呂(ごえもんぶろ)の
全容を見ましたが、分厚い鉄の釜でした。



100年もつような風呂釜を作る職人さんが
当時いらっしゃったのですね。



鉄の加工をするためには、鉄の金づちで、
鉄が熱いうちに叩いては伸ばす、という話を、
ゼロ戦を作っていた祖父からよく聞いたものですが、
当時の鍛造(たんぞう)技術の高さに、
改めて敬服しました。



五右衛門風呂(ごえもんぶろ)のお湯は
直火焚きのためお湯が冷めにくく、
温泉に浸かっているような心地よさだそうですが、
体や髪の毛をせっけんなどで洗う時には、
少々不便だったそうです。



五右衛門風呂(ごえもんぶろ)の周りに、
すのこを敷いて洗い場として使われていましたが、
せっけんを使って体を洗ったり、
シャンプーを使って髪の毛を洗うために、
お風呂からくみ桶を使って、お湯をくみ出し、
体や髪の毛についた泡を流さなければなりません。



お風呂からお湯をくみ出すのも大変ですし、
焚いたお湯を使うと、お湯の量も減ってしまいます。



そんなお悩みのご相談をいただいたのが、
五右衛門風呂(ごえもんぶろ)が壊れる3年ほど前で、
その時にシャワーとカランを設置しました。





五右衛門風呂(ごえもんぶろ)の故障


五右衛門風呂(ごえもんぶろ)用として、
これまでずっと沢水が使われていました。



パイプを使って沢水をくみ入れていましたが、
季節によっては量の少ない時期があります。



特に、冬場は水が細くなるので、
貯め桶(おけ)に1日使う分を貯めていたそうです。



五右衛門風呂(ごえもんぶろ)用には
引き続き沢水を使うことにしましたが、
上水道は既に整備されていました。



シャワーとカランは、ボイラーを通すため、
上水道を使うための給排水工事を行い、
石油給湯器を設置してお湯を沸かし、
シャワーとカランで使えるようにしました。



その状態で、しばらく使われていましたが、
約3年経ったころ、五右衛門風呂が傾き
お湯が斜めになってこぼれるようになり、
どうすることもできなくなったそうです。



五右衛門風呂の調子が悪くなってからも、
お客様は、「もう少し使えるのでは…」と
しばらく使われていましたが、その後、
「これ以上使うのは無理だろう」と
諦めがついたそうで、リフォームの決断をされました。





ユニットバス、キッチン、トイレのリフォーム


五右衛門風呂(ごえもんぶろ)を使うため、
昔は井戸水をくんできて手桶で水を貯め、
使い終わったお風呂の湯は、
すべてをくみ出さなければならず
当時は、水の交換だけで相当な重労働でした。



また、お客様の古民家は、
タイル張りの流しと
マッチで火をつけるタイプの大きなコンロのある
昔ながらの土間キッチンでした。



キッチンの土間の続きにお風呂場があり、
土間で五右衛門風呂を使われていましたが、
ユニットバスを施工するために、
室内と同じ高さになるよう、
お風呂場の新設しました。



そのため、キッチンの床も、
室内と同じ高さにする必要がありました。



給湯設備があるから、キッチンも交換して
使いやすくしましょう、と提案させていただき、
ユニットバスの施工後、キッチンをリフォームして
システムキッチンに交換しました。


また、キッチンの設置に伴い、浄化槽を設置しました。



トイレは家の外にありましたが、
ユニットバスとシステムキッチンのリフォーム後、
2年ほどしてから、トイレを家の中に設置しました。



そして、家の外にあったトイレは撤去して、
完全に埋め戻しました。



それまでの重労働から解放され、
「こんなに楽をしていいのでしょうか」と
お客様は当初、生活の激変ぶりに
戸惑っていらっしゃいました。



五右衛門風呂(ごえもんぶろ)がなくなり、
寂しいような、もったいないような思いが
残っていたご様子でしたが、
現在は便利な生活を楽しまれています。



一方、今年2024年の春先に新築予定のお客様から
五右衛門風呂(ごえもんぶろ)を自宅の庭に設置したい
とご要望いただいています。



山小屋風のお家にする計画で進んでいますが、
遊び心を取り入れようということで、
家の外に五右衛門風呂(ごえもんぶろ)を設置し、
半露天風呂のようにして、庭を眺めながら、
ゆっくりとお風呂を楽しみたいとの事です。



五右衛門風呂(ごえもんぶろ)の良さを知り、
生活の中に取り入れようというお考えからです。



五右衛門風呂(ごえもんぶろ)のある暮らしを
楽しまれますよう、工夫を凝らした施工を
今から考えています。



五右衛門風呂(ごえもんぶろ)に興味のある方、
お風呂のリフォーム工事をお考えの方は
ふくろうはうすの私、高橋までご相談くださいね。

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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「幼少期から建築現場で自然に身につけ得意になった
『刃物研ぎ』と『重機の操作』」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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