「合板フローリング」からリアルウッド調の「フロアタイル」への貼り替えのすすめ


前回のコラムでは、オープンハウスの
天然木の杉板無垢フローリングについて、
メリット、デメリットのお話を
させていただきました。



天然木は、自然調湿作用が働き、
手触り、足触りがよく、
時を重ねて、風合いの変化を楽しむことのできる
魅力があります。



天然木の杉材は、材質が軟らかいため、
キズがつきやすいというデメリットもあります。



一方、天然木を薄く切って表面に貼った、
合板フローリング」は、
木の風合いを再現しながらも、
「無垢フローリング」より安価で、
傷がつきにくいなどの特徴はありますが、
自然な肌触りや調湿作用は再現できません。



また、「合板フローリング」は、
15~20年くらいで、表面が剥がれてきて、
貼り替えの時期を迎えます。



今回は、
合板フローリング」が寿命を迎え、
補修が必要になった時に、
ご提案させていただいている
フロアタイルについてお話させていただきます。




「合板フローリング」から「フロアタイル」への貼り替え


フロアタイル」は、もともと、店舗用の床材として
土足を想定し、装飾用として考えられているため、
耐久性が高く、デザイン性にも優れています。



「タイル」という響きから、
磁器タイルを連想されるかもしれませんが、
フロアタイル」は、ポリ塩化ビニル製が主流で、
厚さ2.5mmほどの薄く柔らかい素材です。



表面の質感や感触のバリエーションが豊富で、
無垢の木目を浮かび上がらせた質感に近い
フロアタイルもあります。



裸足で歩いても、
ビニルを踏んでいる感じではなく、
天然木を踏んでいる感じのする、
よりリアル再現性の高い商品が
最近は多く出てきています。



フローリングに近い感じに仕上がるため、
「合板フローリング」を手っ取り早く
改修したい場合には、フロアタイルの施工を
ご提案させていただくことが多いです。



以前は「合板フローリング」を貼り替える場合、
フローリングを剥がして、貼り替える工法が
一般的でした。



合板を剥がすために、際(きわ)切りカッターという
特殊な丸鋸(のこ)をよく使っていました。



廊下の入隅や壁際は、剥がし辛いため、
際(きわ)切りカッターを使って、
斜めに深く切り込んで、合板を剥がします。



全てのフローリングを剥がし終えてから、
同じ大きさの合板を貼っていく作業に移るため、
時間手間もかかっていました。



合板フローリングを貼り替える場合
古くなったフローリングを剥がして、
貼り替えるまでに、下地処理を含め、
仮に1㎡あたり、
2万円くらいの費用がかかるとすると、



フロアタイル貼る場合は、
フローリングの表面を研磨したあと、
ボンドで貼っていくだけなので、
素材、ボンド代、手間賃を含めても、
同じ面積が7~8千円で収まります。
(※素材代はお客様が選ばれる
平均的な単価を元に算出しています)



最近は、住まいながら、なるべく短時間
施工を済ませたいというご要望が多くなり、
フロアタイルをご提案する機会が多くなりました。




フロアタイルの特徴


フロアタイルを初めて施工したのは、
今から20年ほど前の親戚のお家でした。



ちょうど、「合板フローリング」が
リフォームの時期を迎えていたため、
フロアタイルを貼ってみようと意見が一致し、
施工させていただきました。



当時、フロアタイルは土足用というのが
定番でしたので、家の中に貼るのはどうか、
という懸念もありましたが、
耐久性がよく、保温性もあり、
かつ、表面仕上げがリアルウッド仕様のものがあり、
内装の床材としても使えるのではないかと、
以前から考えていました。



施工して、20年ほど経ちましたが、問題なく、
そのままの素材感を保ち続けています。



ビニル素材は保温性があるため、
素足でも温かみがあり、また、
床下からの寒さを和らげる効果もあります。



もともと、
フローリングの上にこたつを置かれていて、
フロアタイルを貼ったあとも、
こたつを同じように使われていますが、
全く問題なく過ごされています。



ただ、火傷(やけど)するほどの熱さのもの、
例えば、熱い鍋などを直接フロアタイルの上に
置くと、焦げ付いて跡形が残ってしまいます。


実際に、アイロンを直接置いたケースがあります。



跡形が焦げ付いてしまいましたが、
その部分だけを貼りかえて、事なきを得ました。



フロアタイルは熱いものには弱いですが、
部分貼り替えができるというメリットもあります。




「合板フローリング」貼り替え時のバリアフリー化


合板フローリング」は、15~20年経つと、
南側の日当たりのよい部分などは、特に、
表面が割れて、剥がれが目立ってきます。



フロアタイルを使って補修する場合には、
「合板フローリング」の表面を削ってから、
接着剤を塗り、フロアタイルを貼っていきます。



施工後20年前後の「合板フローリング」だと、
定着されて、きれいに仕上がりますが、
長年放置されたものは、
合板が下地から剥げてくるため、
上にフロアタイルを貼ったとしても、
下地ごとめくれてきます。



このような場合には、
厚みが出ても構わないということであれば、
フローリングの上にフローリングを
上貼り(フローリングの重ね貼り)することもあります。



あるいは、薄板フローリングという
5~6mmのものを重ね貼りすることもあります。



古いお住まいでは、廊下から和室に入るために
3cmほどの敷居があり、
段差になっているケースが多いです。



このようなお住まいの
廊下のフローリングが傷んだ際には、
段差をなくすため、
和室の高さに合わせて下地を造り、
その後、フローリングの上貼りをして、
和室と廊下がフラットになるよう、
バリアフリー化を行うこともあります。



もともと、床全体がフラットな場合は、
段差にならないよう、
極力、上貼りを薄くしてほしい、
とご要望いただくことが多く、こういう場合は、
フロアタイルが最も適していると思われます。




フロアタイルとクッションフロアの違い


同じような素材でクッションフロアがあり、
フロアタイルより柔らかく、
ロール状に巻かれていて、巾(はば)が約1.8mあり、
床にロールカーペットのように敷き込んでいきます。



フロアタイルを使う以前は、
「合板フローリング」の上に、
クッションフロアを貼って仕上げていました。



クッションフロアは1枚のシート状で、
見た目にも、シームレスで継ぎ目が目立ちませんが
スリッパでも素足で歩いても、
ペタペタとベタつき感があります。



風合い、肌触り、素材の強さなどを総合的に見ると、
よりリアルウッドに近い質感とデザイン性から、
クッションフロアよりフロアタイルの方が
好まれる傾向にあります。



フロアタイルは、1枚の大きさが
フローリング調のものだと900mm×60mm、900mm×150mm、
大理石調のものだと400mm×400mm、400mm×500mm
など、長方形や正方形の様々な大きさのものがあります。



フロアタイルは、1枚1枚貼っていく手間が必要で、
単価で比べると、
クッションフロアは1㎡当り1,000~1,200円くらい、
フロアタイルは1㎡当り2,000~3,000円くらい
の費用がかかります。



費用対効果や質感などの特性を踏まえて、
クッションフロアとフロアタイルの選択について
検討されるとよいかと思います。



最近は、新築時に「合板フローリング」を貼らず、
敢えて、最初から、床にフロアタイルを貼り、
周りの壁を漆喰(しっくい)塗りで仕上げた
事例もあります。



すると、自然素材を使った調湿作用が働き、
お住まいの空気感が心地よく
快適に過ごすことができます。



天然素材と人工物の組み合わせで、
まいづくりの可能性が広がりますので、
床や壁のリフォームの施工方法を迷われている方や
健康長寿リノベーション」をご希望の方は
ふくろうはうすの私、高橋までご相談くださいね。


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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「『壁付けタイプ』と『天井埋め込みタイプ』のエアコン比較!
どっちが良い?」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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