両親から息子さん夫婦へ引き継がれるお住まいへの想い&『健康長寿リノベーション』と急病後の療養生活


今から4~5年前の2019年に、
お父様が建てられた思い出の詰まったお住まいを
リノベーションされたお客様がいらっしゃいます。



築60年越えのお住まいは、
お父様
設計されたお家とのことで、
若干の増改築はお父様がされていました。



お客様ご夫婦は、定年退職を数年後に控えられ、
ともにお仕事をされていて、
子どもさんはいらっしゃらないご夫婦です。



ご主人が子どもの頃から住まわれてきたお住まいで、
ご結婚されてからは、奥様も一緒にこのお住まいに、
ご両親と2世帯同居されました。



早くにお父様が他界されてからは
お母様ご夫婦の3人家族で、
一緒に住まわれていました。



そのお母様が、お亡くなりになり、
生前のお母様からのご要望もあり、
以前から温めていた大型リノベーションの計画を
お母様の3回忌を終えた頃合いをみて、
ご相談に来られたのが5~6年前のことです。



今回は、このお客様の大型リノベーションと
その前後の物語について、お話させていただきます。




お母様から息子さん夫婦へ引き継がれるお住まいへの想い


私が、お客様とのご縁をいただいたのは、
約20年前です。



当時は、お母様がお元気で、
モノを片付けるための棚の設置のご相談や、
もとはなかった2階のトイレの設置のご相談を
いただき、施工させていただいたことがあります。



施工時には、息子さんご夫婦にもお会いして、
お話させていただいています。



お母様は、ご自身がお元気なうちは、
お父様の設計されたお家に
あまり手を入れたくないとお考えでした。



しかし、その家を住み継ぐ息子さんご夫婦のために、
「私が亡くなってから、最大限使いやすい感じに
お願いできないかしら。」と、事あるごとに
将来リノベーションについて
お話をいただいておりました。



お家の状態については、
既に、拝見させていただいていたため、
お母様のお話を伺いながら、
私にリノベーションを任せていただけるのなら、
どのように改造すればよいだろうかと、
私なりに考えておりました。



代々、お家を住み継ぐために、
どのような想いカタチにして
次世代へ伝えられるのか、それが、
住まいに関わる自分たちの仕事なのではないか、
という思いがあります。




大型リノベーションで耐震性、断熱性、居心地のよさをアップ!


お住まいは、上下階合わせて15坪ほどの
コンパクトな造りで、
主に1階をご両親、2階を息子さんご夫婦で
住み分けられていましたが
1階の水回り共有されていました。



キッチンも決して広いとは言えないため、
「狭いお勝手で使いづらくてごめんね」と
お母様は、お嫁さんを気遣われていました。



お母様の思いは、キッチンをはじめとする、
水回りを使いやすくしてほしい、というもので、
お嫁さんにとって使い勝手がよくなるように、
アドバイスしてほしいとおっしゃっていました。



お住まいは、昔の造りで建てられていたため、
部屋が細かく仕切られていて、狭くて使いづらく、
日当たりも悪いため、日中でも暗いイメージでした。



細かく仕切られていた1階部分は、
ワンルーム風にリビングダイニングキッチンを
ひとつの大きな空間として造り、すぐ近くに
お風呂とトイレなど水回りをまとめ、
使いやすくなるよう動線を工夫しました。



キッチンはアイランド型を設置し、
リビングダイニングに向かって、
料理ができるようにしました。



また、1階の残りの部分に
ゆくゆくは寝室として使える部屋を造りました。



水回りの動線を大幅に変える計画のため、
スケルトンリフォームを行うことで、
耐震性断熱性ともに向上させることができました。



1階に高窓を設けたため、全体が明るい雰囲気になり、
風の抜けも、以前と比べてかなり改善しました。



また、お住まいは、
1階より2階の面積が大きく取られ、
玄関の上に、はみ出した2階が載って、
1階から組み立てた鉄骨で支えられている
頭でっかちなイメージでした。



お父様の設計で、耐震性は担保されていましたが、
間取り変更する際には、全体のバランスを考えた
補強の工夫が必要でした。



2階の面積の方が大きい、つまり、頭が大きい
ということは、揺れやすい状態ですので、
その解決策として、MAK-1(マックワン)
ご提案させていただきました。



耐震シミュレーションと動的耐震診断を行い、
制振装置MAK-1や耐力壁を設置することで、
バランスが整うことにご納得いただき、
施工させていただきました。



制振装置MAK-1について、
詳しくはこちらをご覧ください。


リノベーションが完成すると、
家事動線が楽で、家の中の空気感が心地よく、
家のどこにいても落ち着けます。」
と、嬉しいご感想をいただきました。




急病後の療養生活のため落ち着ける空間を確保



お客様ご夫婦がリニューアルされたお住まいで、
暮らし始めてから、2~3年経った頃、奥様から、
ご主人が急病で倒れられ、入院されたため、
退院して帰ってくるご主人を
お住まいに迎え入れるための準備をしたい、
というご相談をいただきました。



ご主人は、当初は、
かなり重篤(じゅうとく)な状態でしたが、
少しずつ回復され、命に別状はないものの、
自由に動けないという状態でした。



退院後は、一日中ベッドで過ごすことになるため、
ベッドを置いて、そこを中心に療養生活を送りたい、
というご要望をいただきました。



そこで、ご夫婦ともに
最も居心地がよく落ち着ける空間と感じられている
リビングダイニングキッチンのリビングの部分を
療養生活の中心の場所として確保しました。



リビングには、最上級仕様のマッサージチェアが
置かれていて、ここに体を預けることを
毎日の楽しみにされていたそうですが、
これをご親戚の方に譲られるとのことで、
代わりにリクライニング式ベッド
設置させていただきました。



ここにベッドを置くことで、
奥様がキッチンに立ちながら、他の家事をしながら、
ご主人とお話しすることができます。



ご主人は交友関係が広いため、
年中多くの人が訪問されるそうですが、
ダイニングに腰掛けていただくと、
ご主人はベッドに横たわったまま、
お客様お話をすることができます。



奥様は、ご主人を献身的に支えられていて、
「家事動線が短くて楽なので、動きながら、
主人と話したり、主人の様子を見られますし、
明るくて落ち着いたリビングで
気持ちよく過ごしているので
主人も私も気楽にやっています。」
と、当時、おっしゃっていました。



また、通院時には、
病院へ行くと顔色が悪いのに、
お家へ戻ってくると血色がよくなり、
表情も柔らかくなるご主人を間近で見られ、
このまま病気が治るのではないかと
思われるようになったそうです。


その後、ご主人はみるみる回復されました。



2~3年経った現在は、後遺症もなく、
何不自由なく、以前と同じ生活に戻られています。



先日、ご主人様から
「動線とか、部屋の中の空気感の良さを感じながら、
1日中気持ちよく療養生活を送ることができたため、
お陰様で、身体がすっかり回復しました。
ありがとうございます。」
と、お電話をいただきました。



ご主人様の前向きな気持ちが強かったため、
短期間でのご回復に結びついたと思われますが、
住まい環境を整えるお手伝いをさせていただいたことも
お客様のご回復の一助になったのかなと、
私もお客様がお元気になられることを
願っておりましたので、
大変うれしく思っております。



大型リノベーションで「健康長寿の家」に整えたい方、
住まいの健康寿命診断」をご希望の方は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談くださいね。


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リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。



次回は「あなたは『エアコン派』or『ガス乾燥機派』!?
洗濯ものを屋内で乾かす方法のメリットとデメリット」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

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