前回のコラムでは、
私が提唱している「健康寿命の家」とは
どんな家なのかについて
お話させていただきました。
我が家の2階のオープンハウスでは、
回遊動線、目線通し、風通りなどを
体感していただくことができます。

そんなオープンハウス見学会開催時の
ご相談の中から、
私目線で気付いたことを
今回はお伝えしたいと思います。
製品寿命と躯体寿命
ご見学に来られたお客様の中には、
他社さんでプランが進行されている方が
多数いらっしゃいます。
お客様に見せていただいた
他社さんのプランの中には、
建物全体の健康寿命を視野に入れてのプランなのか、
疑問に感じるケースが少なからずありました。
建物の健康寿命を左右する要素として、
大きく2つに分類することができます。
この2つとは、製品寿命と躯体寿命です。
建物の骨組み、構造体の寿命を躯体寿命と言い、
設備、内装、外装、屋根などの
耐久消費財の寿命のことを製品寿命と言います。
例えば、躯体寿命を考えないで、
キッチンやお風呂などの設備が
古くなったから取り換えるなど、
製品寿命中心で考えられていることが多い
という印象があります。

「住まいの健康寿命診断」の結果からのプラン作り
書籍「住まいの健康長寿リノベーション」
の著書の中でもお伝えしていますが、
リフォーム・リノベーションを行う際に肝心なことは、
「住まいの健康寿命診断」で
お家の現状を明確にすることです。
ところが、実際の現場では
見えないところを重要視しない、
疎かにしてしまうような傾向にあります。
実際に、プランが進行しているお客様に
お聞きすると、
施工業者からまず予算を聞かれて、
もちろん予算は大事ですが、
設備などの表面的な部分を整えることに
予算をほぼ費やすようなプランを
提案されたとのことです。

例えば、二世代住宅、三世代住宅など
多世帯で暮らすための
リノベーションプランを作成する場合、
お住まいの調査診断結果から、
施工方法を組み立てていくことが重要ですが、
現状の建物を持たせるための補強、補修の部分より
間取りの変更や増築のご要望を
実行するためのプランになりがちです。
今後、躯体、構造体をどのくらい持たせたいのか
10年なのか20年なのか、
また、家族形態が今後変わるとして、
その後はどのようにお家を使いたいのか、
先々のことまで見通した目線で
プランを立てることが大切です。

お客様は、
「そこまで踏み込んで聞かれなかった。
床下や天井などは、簡単に見ただけで、
詳しい調査はしていなかった。」
とおっしゃっていました。
お客様の暮らしを支える大切なお家ですから、
20年以上の耐久性を持たせたいと
考えています。
建て替えなければ、
希望の間取りや希望の生活が
叶えられない場合は、話は別ですが、
現状のお住まいを生かした
大型リノベーションを行う場合、
何を優先して考えるとよいのか、
ご相談のお話を進めるうちに、
気付かれたという人が、
とても多くいらしゃいます。
もちろん、間取りや暮らしのあり方なども
とても大事ですが、
お家の躯体の部分にも
視点を持っていただけると嬉しいです。
リフォームを行ったあと、再度リフォーム工事が必要になった事例
調査診断が行われないまま、
他社さんでリフォームが進行され、
残念ながら、リフォーム完成後に
構造体の骨組みを
直さなければならなくなったお客様が
実際にいらっしゃいました。
このようなことが発生すると、
改めて構造体を直してから、
設備器具などを再度新調するため、
更に大きな費用がかかってしまいます。
リフォームを行い、見た目は整えたのに
肝心なところが直ってなくて、
再度リフォームしなければならなくなった事例です。
躯体を20~30年もたせたい場合には、
構造体、土台を含めて、
どこまで補強して使ったら良いのかが最優先で、
その次に、製品寿命を考えることが大切です。

目につくところが気になるのは当然ですが
見えないところこそ、
大切なものが多かったりしますので、少しでも
目を向けていただけたら嬉しいな、と思います。
他にも、建物の履歴、
過去にリフォームをされているか、
されていないかなども大切で、
例えば、増築されている場合など、
構造体をいじっていると、
調査診断の結果に大きく関わってきます。
大切なお住まいで、
家族の笑顔溢れるたくさんの思い出を
いつまでも紡いでいけるように、
数年に一度は、住まいの健康寿命診断を
しっかり受診していただけたら嬉しいです。
お住まいの耐久性が気になる方や
リフォーム・リノベーションの予定のある方は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談ください。
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「ふくろうはうすの住まいるライフ」(FM桐生毎週水曜日12:40分~)はこちら
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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。
次回は「リフォーム契約する前に必ず確認していただきたい
確認事項」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。