前回のコラムで、子どものころからの夢だった、
カフェのオープンを叶えたお客様のお話を
させていただきましたが、時を同じくして、
リビングをおうちカフェ風におしゃれにしたいという夢を
叶えたお客様がいらっしゃいます。
そのお客様は、
飛騨の家具ブランドのチェストに惹かれ、
お気に入りを揃えていたそうです。
揃えた家具を置いた時にしっくりくるような内装を
新築時に実現したかったそうですが、
出来上がってみると、特に問題はないけど、
ご自身の思いとはかけ離れた、
ありきたりの設え(しつらえ)でしかなかったそうです。
お客様のお住まいは築20数年ですが、
いつか、お手持ちの家具が引き立つような雰囲気の
おうちカフェ風のリビングをリフォームで叶える、
という夢をずっと温めてきたそうです。
今回はそんな、おうちカフェ風のおしゃれなリビングの
夢を叶えたお客様についてのお話です。
おうちカフェ風リビングの夢とお住まいの現状のお悩み
お客様とのご縁をいただいたのは、
今からちょうど6年ほど前の2017年でした。
リクシルのショールームで
ふくろうはうすのイベントをさせていただいた折に、
お客様が水回り商品をご覧になるために、
偶然、ショールームへご来店されたことが
きっかけとなりました。
そこで、お客様の長年の夢のお話を伺い、
実現するためのご提案をさせていただくと、
お客様のイメージにちょうど合っていたようで、
「素敵な空間になるといいですね」と
いろいろなお話をさせていただきました。
それから約6年を経て、いよいよ今回、
夢を叶えるタイミングが訪れました。
夢を叶えるのはもちろんですが、それ以外にも、
夏場は、家の中が暑くて寝られない、
冬場は、家の周りの畑の土ぼこりが風にあおられて、
部屋の中に入ってくるので困っている、
などのお悩みがありました。
また、他には、
仏間としてしか機能していない和室に手を入れて、
使いやすく、過ごしやすい空間にしたい、
トイレの横に収納があるが、殺風景なので、
おしゃれな雰囲気にしたい、
などのご希望もありました。
そこで、
「リフォームを機に、お家のお悩みをすべて解消しましょう」
と、内装工事を中心とした施工を
させていただくことになりました。
夏の日射熱と冬の土ぼこりを断熱材とサッシで解決
まずは、夏場に家の中が暑くて寝られない
というお悩みの解決のため、
2階のご夫婦の寝室から施工を始めました。
真夏の日中の屋根への強烈な日射熱は、
夜になっても冷めることはなく、
そのまま壁に伝熱するため、
部屋の中に昼間の日射熱が溜まったままとなり、
暑くて寝られない状態でした。
そこで、まず、屋根からの遮熱を行うため、
小屋裏にグラスウールとロックウールの
性質の違いを利用したダブル断熱を行いました。
グラスウールとロックウールを使った
ダブル断熱については、以下の記事をご参照ください。
[blogcard url=”https://fukurouhouse.jp/knowledge/extra-edition-1-book-from-gunma-renovating-your-home-for-health-and-longevity-insulation-methods-and-charcoal-effects”]
このダブル断熱の効果で暑さが劇的に軽減されますが、
更に、窓からの遮断熱を行うと効果が倍増します。
冬場の砂ぼこりの問題も同時に解消することになるため、
サッシの交換をご提案し、既存の窓枠を利用して、
リフォーム用の新しいサッシに入れ替えました。
寝室には窓が2ヶ所あり、両方とも引き違い窓で
開口部が大きいため、埃が入り込みやすくなっていました。
そこで、今回は、窓の大部分を占めるように
フィックス窓(開閉することが出来ない窓)をはめ込み、
余った狭い部分を開口部として、
縦すべりのドア式の突き出し窓を入れました。
縦すべり窓とは、縦方向を回転軸に、
外側にすべり出すように開ける窓のことです。
ドア式だと密閉度が高くなるので、
埃が入りにくくなります。
今までのように大きく窓を開けることはできませんが、
窓の開け方によって、換気と通気ができるように、
夏と冬の風の通りを考えて設置しました。
窓を開けるとしても、小窓の狭い開口部があるだけですが、
小屋裏のダブル断熱で熱射が軽減されているため、
夏場は、少しの風が入るだけで涼しく感じられます。
また、窓ガラスはLow-E(ロー・イー)ガラスにして、
断熱効果を強化しました。
施工後の寝室で実際にお過ごしになったお客様は、
「夏の寝室でこんなに涼しく過ごせたのは初めてです。
エアコンをつけてなくても、よく眠れました。」
と、とても驚かれていました。
お気に入りの家具に合わせたおうちカフェ風リビング
次に、お客様の長年の夢の実現に向けた、
リビングの施工をさせていただきました。
リビングは広さが13~14畳くらいで、
対面キッチンから続くリビングダイニングです。
お手持ちの家具に合わせた空間に仕上げるため、
今回は、床、壁、天井の質感と色合いにこだわった
リフォームとなりました。
天井はのっぺりとしたフラットな天井でしたが、
敢えて、今回はダミーの梁(はり)を入れました。
長方形のリビングの天井の短い方の長さに合わせて2本、
もともとむき出しの梁(はり)があり、
天井を張ったかのようなイメージで設置しました。
家具の色調に合わせて調色した、ミドルブラウン系の塗料を
梁(はり)に見立てた無垢の白木に塗装し、天井に設置すると、
梁(はり)が天井から浮き出した感じになり、
リビングのアクセントになりました。
壁はもともとクロス貼りで、味気ない印象でしたので、
最近人気の漆喰(しっくい)塗りをご提案させていただき、
家具の色合いに合うよう、その場で調色し、
試し塗りをして、お客様に見ていただきました。
すると、「思い描いていたイメージ通りです」
とおっしゃっていただきました。
コテを使って古典的なアーチ模様を造りながら、
アーチの幅や大きさについても、
広めのもの、狭めのもの、いろいろ試して、
最もしっくりくるパターンを選んでいただきました。
クロスの上紙を全部はがして、中塗りをして
漆喰の上塗りで仕上げると、印影と立体感が加わって
壁全体の雰囲気がガラッと変わりました。
天井のダウンライトは、昼白色の蛍光灯でしたが、
色を電球色に変えると光が柔らかくなり、
漆喰(しっくい)の色調が引き立ちます。
そこで、今回は器具ごとダウンライトを交換し
電球色のLEDライトを選び設置しました。
夜、電灯を点けると、
柔らかな光に壁の漆喰(しっくい)が浮かび上がり
昼間の雰囲気とは全く違う夜の空間へと変化します。
床は、床暖房付きのフローリングで、
ワックスで塗り固められたテカテカした
光沢のあるタイプのものでした。
このテカテカした感じは、
お客様が大切に揃えられた家具に馴染まないため、
落とすのにずいぶん苦労しましたが、
表面のワックスを全部削り落として、
やや艶消しっぽい塗装で仕上げました。
リビングのドアは既製品でしたが、
アンティークな感じに造り替えたいと
ご要望いただきました。
そこで、既製品のドアを取り外して、
建具屋さんが木材で作った建具に調色した塗料を塗り、
アンティークガラスをはめ込んで仕上げたドアを
新たに取り付けました。
リビングの天井、壁、ダウンライト、床、ドアを
お客様のお気に入りの家具に合わせた
質調、色調に仕上げることで、
大がかりなリフォームを行ったわけではありませんが、
今までとは全く雰囲気の違う空間が出来上がりました。
お客様が長年温めてきた夢を叶えるお手伝いを
今回も、少しだけさせていただきました。
夢を実現させたアンティーク調のカフェ風リビングは、
お客様がこれからもご自身で手を加えられ、
ますます素敵な空間に変わっていくと思われます。
トイレの横には収納スペースがありますが、
収納としての機能は不要とのことでしたので、
扉や棚を取り払い、丸い手洗いボウルを設置し、
モザイクタイルを貼りつけました。
トイレへ行くたび、手作り風の
可愛い雰囲気の手洗いスペースが目に入って、
おうちカフェ風の夢が広がりますね。
今回のリフォームではお客様からお声をいただいております。
ありがとうございます。
[blogcard url=”https://fukurouhouse.jp/blog/fukurou-puku/happy-voice-from-a-customer”]
おうちカフェ風リビングの内装をお考えの方は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談くださいね。
「ふくろうはうすの住まいるライフ」(FM桐生毎週水曜日12:40分~)はこちら >>
群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
あなたの夢を叶える
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。
次回は「台風に備える窓の防災対策」
のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。