非常に大型の台風14号が日本列島を北上しています。
それに伴い、大雨、洪水、防風などの警報が次々と
発表されていますので、くれぐれもご注意くださいね。
9月に入ってから「防災」について、
2回に渡って「地震」を中心に
避難経路の確保や情報の収集、共有の大切さなどについて
お話をしました。
引き続き、「災害」のお話を続けますが
今回は「水害」についてお伝えします。
9月も半ばを過ぎ、台風の発生が頻繁になる時期になり、
強風や豪雨が心配されます。
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最近では線上降雨帯の発生やゲリラ豪雨の影響で、
記録的な大雨になることもあり、
甚大な被害がもたらされています。
今から75年前の1947年(昭和22年)に発生した
カスリーン台風により、渡良瀬川や桐生川が氾濫して
大洪水が発生し、桐生市はたいへんな被害に見舞われました。
桐生市は桐生川と渡良瀬川に囲まれ、
扇状地の末端に位置するため、地理的に水害に遭いやすく、
カスリーン台風以外にも多くの洪水に悩まされてきました。
渡良瀬川の氾濫と洪水の原因
渡良瀬川の上流をたどっていくと足尾銅山があり、
この辺りが渡良瀬川の水源地となります。
足尾は明治20~30年頃までは緑豊かな山でした。
ところが、足尾銅山の開発が始まると、
銅を製錬する時に大量発生する亜硫酸ガスによって、
山の木々が枯れ果て、根元からごっそり倒れたため、
力を失った山の土が次々と崩れ落ちていき、
その土砂が渡良瀬川に流れ下流で堆積しました。
岩石だらけのはげ山になってしまった足尾は、
インターネットで「日本のグランドキャニオン」
と検索するとヒットします。
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また、山や川に無秩序にまき散らされた鉱毒によって、
土壌や水質が汚染され、カドミウム中毒に苦しむ人や
亡くなった人が大勢いました。
のちに足尾銅山鉱毒事件と呼ばれることになる
一連の鉱毒公害は、日本の公害の原点と言われています。
足尾の山が、はげ山状態になり、保水力が失われたため、
雨が降ると一瞬のうちに雨が集まって
渡良瀬川流域に大洪水を引き起こします。
それが原因で、カスリーン台風の洪水は起こりました。
その後、洪水を上流でせき止めるためにダムが作られましたが
近年の大雨のため、既に限界値を超えています。
まとまった雨が降れば、
桐生市は大洪水が発生する危険と隣り合わせですが、
対策として、新しくダムを作ることも出来ないため、
山の保全に力を入れるしかないのが現状です。
足尾の山の公害の爪痕と植林事業
やがて、鉱石が取れなくなり、足尾銅山は閉山しましたが、
その後も輸入鉱石を運び入れ、1977年(昭和52年)くらいまで
製錬工場のみが稼働され続けました。
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公害はなくなりましたが、公害の爪痕はなくなりません。
1955年(昭和30年)代から植林事業が始まりましたが
表土が定着して山の機能が回復した部分は
全体の2~3割ほどです。
特殊重機をワイヤーで引っ張りながら
岩山の急斜面の岩を削って平らにして土を溜め込み、
少し登って、岩を削って平らにして土を溜め込み、これを繰り返し
段々畑を作るように岩山の斜面に土を溜めてから、
カラマツ、クヌギ、檜(ひのき)を植えていくという
新しい植林技術が取り入れられてから30年くらい経ちます。
私も特殊重機の扱いができますので、
植林事業に何年も携わっていますが、
岩山の斜面に段々畑状に溜めた土が、大雨の度に流されてしまい、
何度植林をしても上手くいかず、残念な気持ちでいっぱいです。
地震、台風は自然の脅威と言われ恐れられますが、
人の手によって一度崩されてしまった自然は
中々元には戻らないため、
自然への畏れ(おそれ)を感じすにはいられません。
100~200年単位という長いスパンで、
治山事業を繰り返さなければならないでしょう。
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床上浸水後の最優先作業はヘドロの掻き出し(かきだし)
いつ大洪水が発生してもおかしくない桐生市には、
過去に水害が発生したところに「ここまで水が来た」
と知らせるための記念碑や神社が建てられています。
また、桐生市には水神様(すいじんさま)の祠(ほこら)が
多いことから「水」とご縁が深いと言えます。
桐生市からひと山越えた地区で、2年連続して
床上浸水に見舞われたお客様がいらっしゃいます。
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河川の氾濫などで、お住まいに泥水が流れ込んだ場合には、
浸水が収まった時点で、ヘドロを掻き出す(かきだす)作業が
最優先されなければなりません。
ヘドロは固まってしまうとやっかいで、
お家の狭いところに入って、すくって掻き出す(かきだす)作業が
できなくなります。
とにかく人数を集めて固まる前にヘドロを掻き出します。
ヘドロはお家の床下に限らず、
お家の外の通り道や庭などにも堆積しています。
泥水に乗って流れてきた発泡スチロールやプラスチックごみが
袋小路になった庭などに散乱しているので、
それらを除けて、溜まったヘドロを掻き出します。
また、下水や川の底に溜まった湯泥のようなものが
ヘドロになっていますので 一種独特な嫌な臭いが充満します。
ヘドロを掻き出した後は、一帯を高圧洗浄機で洗浄しないと
嫌なにおいが残ります。
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各家庭から出たヘドロは、地区で場所を決めておいて集め
積み上げておき、固まった後、重機で運び出します。
2階に上げられなくて、汚水に浸かり使えなくなった
1階の家財道具も家の外に積み上げておくため、
各家庭から出たゴミで道端がいっぱいになってしまい、
それを片付けないと次の作業に進むことが出来ません。
そのため、床下が復旧するまで1ヶ月以上かかります。
災害に遭うことなど想定したくありませんが、
万が一のために、日ごろから備えることが大事です。
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