ふくろうはうすでは、
新築を予定されているお客様の着工が
今月4月(2024年)から始まりました。
工事に先駆け、2月初めの雪の積もった日に
地盤調査を行いました。
過去4回にわたり、
建築業界の「2025年問題」を取り上げ
地震に強い建物にするためには、
地盤の強さが大切な要素のひとつ
であることをお伝えしてきました。
今回のコラムでは、もっと深堀した地盤のお話を
させていただきます。
地盤調査「SWS試験」
新築の建築予定地は更地の状態で、
地面から1mくらい盛り土をしているため、
地盤のことが少し気がかりでした。
前日降った雪がうっすらと積もっている中、
打ち込み機械で掘削を行い、
地盤の硬さ、強さについて調査を行いました。
回転しながら杭を打ち込む、SWS試験、いわゆる
スウェーデン式サウンディング試験という
地盤測定方法を採用している専門業者さんに
調査をお願いしました。
建築予定の建物の四隅と中心の5ヶ所で
打ち込みの強さ、硬さや振動の伝わり方などを
計測していきますが、
音や感触なども判断材料のひとつとしています。
例えば、じゃりじゃりとか、ガリガリなどの音の違いで、
「ここは砂れきかな?あるいは粘土かな?」など、
地質の違いを判定しています。
地中にゴミなどの埋蔵物がある場合、
埋蔵物の間に隙間が空いていれば、
その上に建てられた建物は
自重で建物が下がってしまうことがあります。
このような原因で、建物が地盤沈下したケースを
以前、見たことがあります。
地盤改良が義務化されていない頃に建てられたものが多く、
調べてみると、
もともとが泥濘(でいねい)地でぬかるんでいたり、
あるいは、埋め立て地で、表面上は硬いのに、
地中がスカスカの状態だったり、
といった原因もありました。
地盤調査の結果判定
今回の建設予定地は、表面は硬かったのですが、
実際に杭を打ち込んでみると、地中がスカスカで、
地下2.5mくらいまで柔らかい地質が続いていました。
昔、沢沿いの地形だったところにある土地のため、
砂と小石が混合した砂れき層が
堆積(たいせき)しているものと考えられ、
掘削時の音響から考えられる判定と同じでした。
建物の四隅と中心の調査を行うと、
ベタ基礎の施工をする際に、ベタ基礎の底面を
下から支えられるかどうかがわかります。
地盤調査の結果が出され、上記5ヶ所のうちの
どこか1ヶ所だけが要改良の判定で、
他の4ヶ所はOKという判定の場合は、
全面改良が必要となります。
要判定の1ヶ所だけを改良したとしても、
改良した影響で他の4ヶ所の支持点が、
空洞化したり、沈下したりする恐れがあるためです。
地盤改良工事「小口径鋼管柱(しょうこうけいこうかんちゅう)打ち込み工法」
今回の地盤改良工事は、
「小口径鋼管柱(しょうこうけいこうかんちゅう)
打ち込み工法」で行いました。
建物の荷重をしっかりと支えられる支持地盤を確認し、
土地改良のための杭を打つことになりますが、
今回はかなり深いところまで掘る必要がありました。
掘削機で基礎直下に穴を掘り、
穴の直径よりも少し大きい鉄柱を
地中の硬い支持層に向かって打ち込み、
改良杭とします。
基礎の立ち上がりに合わせて、
改良杭を70~80本ほど打ち込みました。
建物を支える基礎の全底面が支持地盤から
しっかりと支えられることで、
地震が起きても、基礎全体に均一に力が伝わり、
地震力を分散させることができます。
改良杭打ち後、その上に基礎を打っていきます。
その後、更にその上に土台を載せ、
建物を建ち上げていきます。
お客様のご希望されているお住まいの
実現に向けて、これから5~6ヶ月かけて、
建築を進めていきますが、
どんなお住まいに仕上がっていくのか、
私自身も楽しみにしています。
今回は、地震に強い建物にするための
地盤の強さについて、実例を交えて
お話させていただきました。
建築業界の「2025年問題」は、
建築確認手続きや耐震・断熱工事に大きな変化があり、
色々と混乱が生じることが予想されます。
2025年以降、
新築や大型リノベーションをお考えの方は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談くださいね。
ふくろうはうすでは、2025年問題を見越した
施工、体制、サポートを行っておりますので、
2025年前後問わず、ご安心して
リフォーム・リノベーションを行っていくことが出来ます。
不安な方は、遠慮なくお問い合わせください。
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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。
次回は「過去の建築時まで遡(さかのぼ)り強度や経緯を調査する
『住まいの健康寿命診断』とリノベーション」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。