前回のコラムで、
「二世帯住宅リノベーション」の
プラン作成に至るまでをお話しました。
まずは、お客様ご家族のお住まいの
「住まいの健康寿命診断」を行ったところ、
屋根の雨漏りの補修と床下のシロアリ駆除を
行う必要がありました。
屋根は、東日本大震災の影響を受けて、
互がずれているところが見受けられたため、
補修しないといずれ雨漏りが発生する危険性が
ありました。
小屋裏を診ると、地震の影響を受けた直後と
思われる雨漏りの跡形がありました。
屋根と小屋裏は表裏一体のため、
両方から診ることが肝心です。
2階の上の屋根と小屋裏の写真を撮って
お客様に見ていただき、
互のズレや雨漏りの跡を確認していただいき、
補修が必要なことを説明しました。
また、床下にはシロアリの害が発生していました。
お父さんがお住まい全般をずっと管理されていますが、
お父さんが床下の補修をされた跡を見て取ることも
できました。
床下についても、
写真を撮って見ていただきましたので、
お客様は、屋根と床下の施工にご納得されました。
今回は、「二世帯住宅リノベーション」の
前回コラムの続きをお話させていただきます。
1階のお風呂の増築と2階の耐震補強
お客様のご要望のひとつに
「お風呂を広くしたい」という内容がありましたが、
他社さんのプランでは
「お風呂の増築はできない」と
断られたそうです。
ところが、「住まいの健康寿命診断」の結果、
お風呂を増築することで耐震補強を
兼ねられることがわかりました。
2階の間取り変更を行うため、
梁(はり)や柱の位置を多少ずらす必要がありますが、
そのズレによるバランスを補正するために、
真下にあるどこかを補強しなければなりません。
その補強の要(かなめ)として、
1階のお風呂を増築する際に、
お風呂の構造の補強を行うと、
上下階のバランスを取ることができます。
現在3/4坪のお風呂を1坪に増築するため、
30cmくらい壁が外側に出るイメージですが、
2階の構造補強と1階の増築補強が併せて
出来ると判断しました。
お風呂の隣には、
お母さんが昔ミシンを踏んでいた頃に
内職部屋として使われていた
4畳半の部屋がありますが
現在は使われていないため、
ご両親と長男さんご夫婦が共通で使える
二世帯分のウォークインクローゼットを
造りましょうとご提案させていただきました。
ウォークインクローゼットの造作のため、
隣の洗面脱衣室を少し広げることができました。
洗面脱衣室には、もともと、
洗濯機1台と洗面化粧台2台が
置かれていましたが
そのうちの洗面化粧台1台を撤去して、
代わりに洗濯機を置き、
洗濯機2台と洗面化粧台1台を
置かせていただきました。
これで、世帯別の洗濯機を設置することが
できました。
洗面脱衣室には、
室内で洗濯物を干すことのできるホスクリーンを設置し、
室内干しができるよう工夫しましたし、
もともと外干し用の物干し台がありますので、
天気の良い日は2世帯分の洗濯物すべてを
外干しすることが出来ます。
また、家事の負担を減らすために
洗面脱衣室に、ガス乾燥機を設置したため、
梅雨をはじめとする、長雨の時期には
重宝すると思われます。
2階の長男さんご夫婦のための占有スペース
2階は、長男さんご夫婦のための
専有スペースとして、
リノベーションを行いました。
2階には、6畳が2部屋と
押入れのスペースがあります。
2階の1部屋は、
ミニシステムキッチンとシャワー室、
トイレなどの水回りを設置しました。
ミニシステムキッチンは、1800(幅1800mm)
がギリギリ入るサイズでしたが、
(通常、幅2550mmが標準的な規格)
お住まいのマンションで使っているのと
同じサイズのため、問題ないとのことでした。
可動間仕切りを建具屋さんに依頼して、
電子レンジの収納ができるようにして、
冷蔵庫を置くと、
小さいながらもコンパクトなLDKとして
まとまりました。
小さめの食器棚とダイニングテーブルを置き、
もともとあった押し入れは解体したあと、
娘さんの勉強スペースとして勉強机を置きました。
LDKの隣の部屋には寝室を造りました。
1階の屋根の部分に少し懐があるため、
その小屋裏を拡張して、
そこを押し入れ代わりに使えるスペースとして、
造作しました。
1階の小屋裏ですので、
2階のフロアと同じ高さになるため、
2階の延長線上に収納スペースが出来ました。
2階はワンルームのような仕上がりで、
長男さんご夫婦がお住まいのマンションより、
少し広いスペースになりました。
Low-E(ローイー)ガラスの内窓サッシの設置と下水道工事
2階は、屋根と外壁全面に断熱材を入れたため、
高断熱、高気密になり、
夏の暑さや冬の寒さの中でも、
過ごしやすくなりますし、
エアコンの効きも良くなります。
また、内窓サッシを設置すると
手っ取り早く断熱ができる上、
国の補助金を申請することができるため、
この制度を利用して、1階には、
内窓サッシを取り付けることにしました。
日射量の多い南側の掃き出し窓に
Low-E(ローイー)ガラスの内窓サッシを
設置しましたので、
断熱効果がかなり期待できます。
2階は長男さんご夫婦の
プライベートスペースとして
ある程度の自立ができるよう工夫し、
1階は共同で使うキッチンやお風呂と
ご両親のプライベートスペースを確保する
コンパクトな二世帯住宅リノベーションが
完成しました。
実は、今回の二世帯住宅リノベーションでは、
浄化槽から下水道へ切り替える工事も
同時にされました。
今後、二世帯で一緒に長い期間住むのであれば、
駐車場の整備なども考えていくことになるため、
この機会に下水道へ切り替えておいた方が、
のちに切り替えるより費用がかからないという
ご判断からでした。
施工後は見えない部分ですが、
しっかりと施工させていただきました。
二世帯住宅リノベーションを計画されている人は、
ふくろうはうすの私、高橋までご相談くださいね。
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「ふくろうはうすの住まいるライフ」(FM桐生毎週水曜日12:40分~)はこちら
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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。
次回は「今後30~35年住み継いでいくための
『床下環境』『断熱補強』『防災』を整える
二世帯住宅リノベーション」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。