杉や檜(ひのき)の木材としての特徴と柱の背割り

木造住宅に使われる木材について、
前回のコラムでは、製材方法などをお伝えしました。

 

今回も、引き続き木材について、木から木材になる過程
木の本来持っている特徴などをお届けします。

建築に使われる木材とふくろうキャラクター(ぷく・ふくお・ふくこ)

今回もコラムを投稿させていただきますのは、
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋です。

 

実は、コロナ禍の影響で外材が入りにくくなり、その頃から
国産の木材を使えないかという声が上がり始めています。

 

産地からは供給したいとの要望がありますが、
インフラが間に合わず、市場にはなかなか出回りません。

 

そのため、この記事を通して多くの方に認知してもらい、
市場に出回るようになれば嬉しいなと思います。

 

柔らかくて温かみのある杉材、香りのよい檜(ひのき)材

木材は緻密に見えても水分、養分、空気を通すための
無数の細かい穴が開いています。

 

その細かい穴を展開して表面積に換算すると
木を切った断面積の数百倍から数千倍ほどになります。

 

木の断面積を1㎡くらいとすると
穴の表面積は200~300㎡くらいになり、
その表面積分だけ空気や水(水蒸気)を
蓄えることができます。

 

日本古来の木材として、杉や檜(ひのき)を
思い浮かべる人が多いと思いますが、他にも、
サワラ、モミなどがあり、それぞれ特徴があります。

 

檜(ひのき)は、杉よりも緻密で水を通す幹細胞は多く、
空気の層が薄いため、
触ってみると杉よりも硬く、冷たく感じられます。

 

また、檜(ひのき)は細胞内に精油(ヒノキチオール)
蓄えているため、精油が気化する時に森林浴をしているような
独特の香りがあります。

檜(ひのき)の精油(ヒノキチオール)は森林浴をしているような独特の香り

檜(ひのき)は木の細胞内に脂分(精油)を
蓄える習性があるため、
檜の香り(ヒノキチオール)にも持続性があり、
その脂分で自らを守っています。

 

一方、杉は、木の中に空気を通す細胞がたくさんあるので、
蓄熱(=断熱)の効果を発揮し、床板として使われると
足触りが柔らかく、暖かく感じられます。

 

杉もある程度の精油はありますが、
檜(ひのき)よりずっと少ないのです。

 

杉の中心部は赤みを帯び、腐食しにくい

杉は丸太の状態では、中心部に行くほど
赤みを帯びていますが、
この赤みのある部分を心材(しんざい)と言います。

杉の中心部の赤みのある部分を心材(しんざい)と言います

この心材の赤みがあるところほど腐りにくく、
外側の樹皮に近いところは白っぽい色で、
傷みやすくなります。

 

この杉の心材(しんざい)を昔は敷板にして外部で使ったり
お風呂の汲み桶、風呂桶などにも使われていました。 

 

現在は、大半が家の柱として使われ、
丸太の中央部で柱材を1本取り、
柱材を取った後の外周部分をさらに製材して
柱の半分から1/3くらいの厚さの間柱(まばしら)
材料として使います。

 

間柱(まばしら)は、強度の必要があまりない
柱と柱の間などに補足材として使います。

 

このように、1本の木からなるべく無駄のないように
木材を切り取ることを木取(きどり)と言います。

 

伐採し乾燥させた木材を製材業者へ運び込み、
製材する過程で木取(きどり)を行い、
無駄なく木を活かします。

 

杉材は割りばしにちょうどよい

木取(きどり)を行ったあと、
余った杉材割りばしにしていました。

国産材の杉には抗菌作用もあり、割りばしに向いています。

余った杉材は割りばしとして有効活用できます

柱としては使えない外周部分を一部利用するだけですが、
かなりの量の割りばしが取れます。

 

決して木を無駄にしているわけではなく、
本来なら使い道がなくて
処分されてしまうようなところを有効活用するのです。

 

現在は、割りばしのほとんどが中国からの輸入品
業務スーパーなどでは、大量に安く買うことができますが、
実は日本では使われていない漂白剤が使われています。

 

試しに、水を張って中国製の割りばしを一昼夜水に浸すと
表面に黄色い液体が浮いてきます。

 

直接口に入れるものなので、
危険性を警告している人もいらっしゃいます。

 

使い捨ての割りばしを資源の無駄使いと考え
洗浄して繰り返し使えるプラスチックのはしなどに
切り替えた店舗もありますが、
新型コロナの流行以降、衛生的には割りばしが良いと
元の割りばしに戻された店舗が多いと思われます。

 

割りばしは昔から国産木材の端材利用で作られています。
安心、安全な国産の割りばしを見直したいですね。

 

柱の割れは、わざと入れてる背割り加工

時々、お客様から柱が割れているという
お話をいただくことがありますが、実はこの柱の割れは、
わざと入れてる背割りだったりすることがあります。

 

一本の柱に芯まで通すようにわざと切り込みを入れることを
背割りと言います。

一本の柱に芯まで通すようにわざと切り込みを入れることを背割りと言います

木は切られてからも水分を吸放出するので
柱になってからも縮んだり膨らんだりします。

 

柱は屋根からの圧縮力で絶えず荷重を受けているので
どこか逃げ場がないと、弱いところに割れを発生させます。

 

それを防ぐためにわざと最初から背割りを入れて、
余裕を持たせ、引っ張りをそこに集中させます。

 

背割りの柱は、真壁づくりの和室などのむき出しの柱
化粧用の柱に、よく見ると必ず入っています。

 

背割りを見せないように、埋め木といって木片で埋めて
目立たなくしている場合もあります。

 

また、背割りは入れる方向が決まっていて、
立ち木の状態で目の積んでいる北側に入れます。

 

木は、南の太陽のある方向にねじれながら成長するため、
北側を背にしたところの真ん中にねじれが集中します。

 

そこの繊維を断ち切ることでねじれが止まるため、
北側に背割りを入れてねじれのバランスを取るという具合です。

 

日本の木造建築に欠かせない木材は、長い時間をかけて、
使われ方の工夫をされてきました。

 

住まいの健康寿命診断士」の私としても、
質のよい木材を使って、お住まいの健康寿命が伸ばすことが
大切だと思っています。

 

只今、ふくろうはうすでは、後継者も募集しておりますが、
次期社長候補には、このような知識や技術をひとつひとつ
継承していきたいなと思っています。

 

あなたも住宅の健康寿命を意識した木材選びにこだわってみませんか?

 

住まいと共に、住まう人も健康長寿につながる家づくりを目指して、
今日もふくろうはうすは、あなたに寄り添いサポートいたします。

 

まずはあなたの夢やご希望を
住まいの健康寿命診断士」の私、高橋に、
お話いただけると嬉しいです

 

そして、
オープンハウス「ふくろうはうす 暮らしの見学会」にも
ご参加頂き、ふくろうはうすの家を体験するだけではなく、
直接、私とお話しすることで、
夢やご希望を現実にしていくお手伝いが出来れば嬉しいです。

 

実際に見て、触れて、体験するからこそわかるものがあり、
直接、プロであり、専門家の私とお話することが出来るからこそ、
ご自身だけのアイデアにはなかった様々なアイデアやご提案
受け取ることが出来ます。

 

あなたとご家族が望む暮らしの在り方を取り入れた住まいのヒント
実際に私たちが暮らしている家から得られる気づきなど、
色々受け取ってお持ち帰りいただけたら幸いです。

 

今なら、オープンハウス「ふくろうはうす 暮らしの見学会」に
ご参加くださった方には、もれなく
(書籍)「群馬発! 住まいの健康長寿リノベーション!」を
プレゼントさせていただいていますので、
帰宅後、本を開くたびに体験された臨場感が思い出されますし、
参考資料としても役に立ちます。

是非、受け取っていただけたら嬉しいです。

ふくろうはうす 暮らしの見学会へ

 

群馬県桐生市にお住まいの方はもちろん、
みどり市、太田市、伊勢崎市、前橋市にお住まいの方も
お気軽にお越しくださいね。

 

次回は「『ふくろうはうす』現場監督、大工の募集と後継者候補の募集」
のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。

 

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