今どきの木造住宅は、
どんな構造材が使われていて、
どのように建てられるのかを問われると、
お家は木材で造られているくらいの認識が
一般的です。

今回は、そんなお家の構造材、例えば、
柱や土台、それから梁(はり)などについて、
どんな素材が使われていて、
どのくらいの寿命(耐久性)があるのかについて
お話させていただきます。
「教えて!GOO」の回答にふくろうはうすのコラムがシェアされました!
「教えて!GOO」という
インターネットの質問サイトがあり、
皆でシェアして回答するコミュニティサイトで、
私もよく利用しますが、
実は、質問に対する回答として、
私の発信しているコラムの一部が
2件ほどシェアされていたという例がありました。
その時の質問事項が、
ふくろうはうすのお客様から
直近で多くいただいていた
お問い合わせの内容と同じでした。
そんな「教えて!GOO」に寄せられていた質問は
このようなものでした。
「築37年で、今のところ不具合が全くありません。
YouTubeでは(家は)30年持たない
というのがありますが、
何年くらい使えますか?」
この質問に対しての回答は、
「お住まいがどのくらい持つかは、
実際には未知数です」になります。
構造材としての梁(はり)、柱、土台などは、
住宅の骨組みとなる重要な部分ですが、
1本の丸太から作られる無垢材と、
何枚もの板を貼り合わせて
太くなるよう加工された集成材の
2種類があります。
集成材の寿命は接着剤の強度によって決まる
集成材は、
1930年代にアメリカから輸入され始め、
日本国内で多く流通されたのが
1950年代からです。
使われ始めてから、60年くらい経ちます。

その頃に、集成材を使って建てられたお家で、
問題なく機能が保たれている物件もありますが、
それより数年もあとに、
集成材を使って建てられたお家で、
住み続けるのが難しくなってきたという
お住まいもあります。
問題の集成材は、
輸入住宅用として使われ始めました。
集成材は薄い板を貼り合わせて、
柱や梁(はり)にするために接着しているため、
その接着剤の強度によって寿命が決まる
と言っても過言ではないでしょう。
テーブルなどによく集成材が使われていますが、
室内で使う家具としては何の問題もありません。
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ところが、建物の構造材としての
機能を持たせるためには、
お家全体の加重を支えたり、
引っ張り合ったり、重さに耐えたり、
いろんな圧力から耐えるように
設計しなければなりませんし、
その強度を持たせなければなりません。
しかし、構造材の強度は、
接着剤の強度に依存されてしまうことが多いです。
今から二十数年前に、輸入住宅のお家で、
柱や梁(はり)の構造材として使われていた
集成材が剥離を始めている様子を
実際に見させていただきました。
当時、既に柱としての機能に
限界が来ている状況になっていました。
何も知らずに、地震などが起こると
倒壊の恐れがあり、かなり危険な状態でした。
実は、作りたての集成材は非常に強度が高く、
無垢材と比べて、初期強度が約1.5倍以上と非
常に強いです。
ところが、この強い強度は、
ほんの数年程度しか持たせることができません。
その後の強度は弱くなるばかりです。
製造メーカーさんも
15年以上の耐久性は保証できないと、
はっきり提示しています。
「住まいの健康寿命診断」でお住まいの現状を把握
仮に、集成材を使うとして、
外に面するところ、湿気が多いところなどは、
影響を大きく受けます。
例えば、床下や天井裏などは
外の影響をかなり受けます。

ところが、住まわれている人は、
家を建てた業者を信用して任せたわけで、
住み続けるうちに、
劣化が進んでいることを見つけるのは
難しいと思われます。
リフォームのご相談をいただき、解体すると、
集成材が使われていたというケースがあり、
必要に応じて補強を行ったこともあります。
例えば、集成材の柱を支えるように、
新しく柱を入れたり、壁材を補強したり、
金具で留めて補強したりしました。
もし、あなたのお住まいが
築20年くらい経っており、
「お家は大丈夫だろうか?」と不安に感じられましたら、
調査診断をしていただけると安心かと思います。
不具合は特にないけれど、
将来的に不安要素となり得ることを
未然に防ぐためにも有効です。
人の体に例えると、未病の状態で、
今は何ともなくても、
将来は何かしら症状が出るかもしれないので、
例えば、10年目とか、15年目とか、20年目など、
定期的な調査診断が重要になってくると思います。

調査診断をお願いするのは、必ずしも
お家を建てていただいた業者さんでなくても
よいです。
信用してないというわけではなく、
セカンドオピニオンという考え方も
あると思います。
調査診断の結果、
不安要素が何もなければ安心ですし、
今は大丈夫だけど経過観察しましょう
という部分があるかもしれないし、
5年ぐらい経ったら、
少し手入れした方がいいですよ、など、
お家の状況が明確になります。
将来的な変化に対する目安がついて、
どう対処したらよいのかなど、
予め、心積もりをしておくことにもなります。
しっかりとお住まいを管理することが重要です。
今回のコラムは、FM桐生さんのラジオ
「ふくろうはうすの住まいるライフ」で
お話させていただいた内容です。
よろしければご覧になってくださいね。
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群馬県桐生市の工務店
リフォーム・リノベーション専門店
住まいの健康寿命診断士
ふくろうはうす(高橋建装)の高橋でした。
次回は「アスベストの全面禁止による新建材は、
生産物賠償責任保険(PL保険)の適応外」のテーマで準備しています。
楽しみにしてくださると嬉しいです。